異世界貴族令嬢、現代でカフェ開業!? だけど隣にいる彼が気になりすぎる♡

メイナ

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第22話 異世界令嬢、紅茶の極意を学びますわ!

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 カフェ・ルミエールの扉をくぐると、店内には芳醇な紅茶の香りが漂っていた。メルフィーナは静かに息を整え、目の前の壮年の男性を見つめた。

「さて、メルフィーナ嬢。君が本当に紅茶を極めたいのなら、まず“紅茶と会話する”ことを学ぶべきだ。」

 そう語るのは、伝説の紅茶ソムリエ、ヴィンセント・クラウザー。銀髪に深い碧色の瞳を持ち、紅茶界の権威として知られる人物だ。

「会話……? 紅茶とですの?」

 メルは眉をひそめた。紅茶は飲み物であって、話し相手ではない。

「そうだ。紅茶の香り、味、余韻……それらすべてが君に語りかけている。君はそれを感じ取れているかね?」

「……正直、よくわかりませんわ。」

「では、試してみよう。」

 ヴィンセントは、数種類の茶葉を並べた。ダージリン、アッサム、セイロン、キーモン——さまざまな紅茶の名が響く。

「君には、これらの茶葉を目を閉じて香りだけで判別してもらう。」

「そんなこと……できますの?」

「さあ、やってみなさい。」

 メルは深呼吸し、慎重に茶葉の香りを嗅いだ。

(これは……? どこか甘い香り……でも、少しスパイシーな気も……?)

「ええと……アッサム?」

「残念、キーモンだ。」

「ええっ!?」

 次々と試すも、ことごとく間違える。

「……全然、分かりませんわ……」

 メルは肩を落とした。

「君は、香りを“覚えよう”としている。だが、それではだめだ。紅茶を感じるんだ。」

「感じる……?」

 ヴィンセントの言葉に戸惑いを覚えながらも、メルは自分の未熟さを思い知った。

「お前、気にしすぎなんじゃねえの?」

 ふいに、響の声が背後から聞こえた。

「響……?」

「お前って、いつも何かを極めようとすると、肩に力入りすぎるんだよ。楽しめばいいんじゃねぇの?」

「楽しむ……?」

「そうだよ。お前、前に言ってたじゃねぇか。“紅茶とスイーツの時間を特別なものにしたい”って。それなら、紅茶をもっと楽しめよ。」

 響の言葉に、メルはハッとした。

(そうですわ……私は、ただ紅茶の技術を身につけたいのではなく、紅茶を通して人々に喜びを届けたいのですわ。)

 改めて、メルはゆっくりと茶葉を手に取る。

「今度こそ……」

 目を閉じ、茶葉の香りを深く吸い込む。

(甘い香り……それに、どこかフルーティーな香りも……この感じは……)

「これは……ダージリンですわ!」

「……正解だ。」

 ヴィンセントが静かに頷いた。

「やっと、紅茶の声を聞くことができたようだな。」

 メルは驚いた表情を浮かべた。

「本当に、分かりましたわ……!」

 歓喜の声を上げるメルを見て、響はどこか安心したような笑みを浮かべた。

(こいつ、本当にすげぇな……)

 そして、ふと気づく。

(……俺、いつからこんなにコイツのことばっか見てるんだ?)

 そんな自分の心境に、響は密かに戸惑いを覚えていた。

「さて、次は“ブレンド”を学んでもらう。」

 ヴィンセントの言葉に、メルは新たな挑戦への決意を固めた。

(まだまだ、学ぶことはたくさんありますわね……!)

 こうして、メルの紅茶修行は次のステージへと進む——!


---

→ 次回 「異世界令嬢、紅茶の世界を探究しますわ!」
メル、いよいよ紅茶ブレンドの領域へ!?
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