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01 帰還
しおりを挟む両腕が筒状のガントレット型ハンマーの人型機がカタパルトデッキに入る。
簡易弱重力の中で人型機は歩き、所定の場所に誘導され指定格納庫に立つと
固定アームにて固定される。
そして、人型機の腹部が開き、人が現れる。
パイロットスーツを着た人は格納庫の床まで緩やかに降り立つ。
そして、さっきまで乗っていた人型機を見上げていた。
スーツ姿の女性が緩やかに弱重力下を泳ぎ、そのパイロットの元に立つと
「何であなたは、射撃戦用の武装を付けないで戦闘をするんですか!!」
と、パイロットに詰め寄る。
「戦闘スタイルは、個人の裁量に任されているはずだ」
パイロットは男性の声で答えた。
「ですが、アナタは射撃戦の特性が高く、戦闘機でのシュミレータ訓練でも
好成績じゃないですか!わざわざ接近戦特化型で…しかも扱いが難しい人型で
戦う意味が分からない!」
さらにパイロットに詰め寄る。
「そういわれてもな、オレのポリシーだからな」
パイロットは、そう断言した。
「そういう問題じゃありません。
効率と安全性の問題です。
アナタは、戦闘機での機動射撃戦で他者を圧倒する実力を示しているんですよ!
なのにわざわざ接近戦でしかも殴るだけなんて無謀とは思いませんか」
「思わん!この両腕のアームには、強力なシールドも発生させることが出来るし
機体フレームだって硬質度の高いものだ。
従来のそれとはまったく違う硬度と柔軟性のあるフレームだぞ。
問題あるまい」
「それが問題なんです。
アナタの考案したエンジンとフレームは、
我が陣営にとって最新技術の集合体なんです。
それを奪われそうな接近戦何かで浪費してほしくないのです」
「でも、オレたちが来たときはそれで構わないと確約書にも書かれていたが…」
その言葉に女性は怯むが…
「それは、アナタの実力と知識がまだわかっていなかったからです。
今のあなたは、実績を上げ、我が陣営に莫大な利益をもたらし続けている。
もう最初の段階での立場が違います!」
「だが、確約書には戦闘スタイルは、当人の裁量に任せ、
自由に行動する権利も与えるとなっていた。
とやかく言われる筋合いはないはずだ」
「それでもです、我が陣営のエースになっているんですから
そのくらいわかってくださいよ」
泣きつかれるように言われた。
「そう泣きつくなよ ソプラ。
やることはやってるだろ」
泣きべそをかく女性…ソプラ・バリトンはパイロットに抱き着いて見上げていた。
「それはアナタがあまりにもきかん坊だからでしょう。
私は、無茶ばかりするあなたのためを思って言っているのに
突撃命みたいな戦闘ばかりして…どれだけ心配しているかわかってますぅ」
鼻をすすりながら、ひどい顔で訴えかけてくる。
「そう泣くなよ、込み入った話は後にしないか?
ここでは人目が多すぎる。
それに戦闘から帰還したばかりなんだ。少しは休ませろ」
パイロットがそういうと
「わかりました。
逃げないでくださいね」
と、彼女は涙の跡が残る顔でじっと見つめていた。
流石のパイロットも彼女の放つ異様な圧に押され
二つ返事で了承した。
パイロットは、自室に戻り、スーツを脱ぎスーツクローゼットになおす。
スーツクローゼットはパイロットスーツの維持管理とクリーニングを自動で行う
パイロット用に作られたシステムだ。
男は、長袖長ズボンのウエットスーツの様な姿になりシャワールームに入る。
しばらくして、半袖半ズボンのラフな姿となり、頭にはタオルをかぶりシャワールームから出てきた。
そして、ベットに腰かけるとその横の壁につけられた端末をいじり
voice onlyの文字が画面に映る。
しばらくして、
「少しは休めたの?」
画面の向こうからソプラの声がする。
「ああ悪いな、待たせて」
「私こそ困らせてしまったわね」
申し訳なさそうな声が響く。
「別いいさ。
言ってることはもっともだしな」
「はぁ~、そこまで理解できてるなら
射撃戦用の武装つけてよ。
あの機体でも十分出来るでしょ」
「出来ん事もないが、やりたくないのが本音だ」
「なら、今度機動性向上用に追加するブースーターに搭載して。
それならいいでしょ」
「そう来るか…わかったよ。何とかする」
「…それならいいわ」
声色に安心がにじむ。
「それじゃあ、オレは戻るよ」
と、いうと男性は立ち上がる。
「…ここに居てもいいんだけどね」
寂しそうな声が響く。
「そういうわけにもいかないだろ。
だから、オレは戻る。
平和の有難みを感じる為に」
「そうね…平和を知り戦争を知ること。
キミが強い意味だものね。
では、また会いましょう。優しき撃墜王さん」
静かに戦いの膜を下ろす言葉となった。
***********************************
さて、ええ歳こいて
厨二病を拗らせまくり、
妄想族(古い古すぎる)にランクアップしたオッサンの駄作です。
誤字脱字、感想などどんとこいです。
まあ、単純に自分では見えないところを見つけてほしい、
ってのが本音ですけどね
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