トーラスの乙女の永久転生

皐月

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2:アナスタシア・メリュー

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 気づくとわたしは"お母さん"ではない
 おんなのひとにだっこされていた

 わたし死んじゃったのに
 まるで最初赤ちゃんの時みたいね
 へんなの

「あー、うー⁉︎」
 え、しゃべれない!どうして⁉︎

「アナスタシア様?どうなされたのですか?」

 そのひとはわたしをアナスタシアと呼んだ
 さま、もつけて

 "お母さん"は、さま、は
 貴族様をよぶときにつかうっていってた
 でもこのひとは、庶民のわたしにさまをつけ…

 あれ⁉︎どうして⁉︎
 わたしは死んじゃったはずじゃ…
 なんで生きてるの?どうして?どうして?
 わたしは『ティルリアーナ』で
『アナスタシア』じゃなくて…

 混乱していると
 "かみさま"の言葉をおもいだした

 《トーラス、君たち12人は
 永久の転生者エンドレストラベラーなんだ。
 死んでも死んでも、
 一定の順番で世界を巡り続ける。
 ごめんね、ボクが不完全なばっかりに
 君たちを永遠と彷徨わせるようにしてしまった》

 …そうだ、わたしは死んでも消えない
でもこれはわたし達が生きたい、と望んだから
"かみさま"が精一杯叶えようとしてくれたから

だから、ちゃんと生きなくちゃ
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前回の投稿より時間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
ただこれからも不定期で上げていこうと思うので長い目で見て頂けると幸いです。
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