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第43章
異世界のコメはドロドロです(2)
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「ご安心ください。フレドリック様なら、勇者様がお望みになれば、すぐにつけなおしてくださいますよ」
(だから、なにをだ?)
めちゃくちゃニコニコ顔で言われたのだが、ふとその笑顔が宰相サンの氷の笑みと重なり、オレは恐怖で身震いしてしまう。
「怖がらなくて大丈夫ですから」
(いや、今のリニーくんはめちゃくちゃ怖いから……)
助けを求めてフレドリックくんの方を振り向くが、なんと、フレドリックくんはにこやかな笑みを浮かべて、オレに手を振っている。
「リニーは勇者様を傷つけるようなことは一切いたしません。安心して、おくつろぎください」
「え、えええええっ?」
ちょっと、フレドリックくん!
見送るんじゃなくて、助けてよ!
聖女様や王太子殿下のときは助けてくれたのだが、今回は違うらしい。なにがどう違うのだ?
フレドリックくんの判断基準がいまいちわかりません。
こうして……オレはリニー少年に無理やり浴室に連れ込まれると、あっという間に丸裸にされて、いつもよりも、丹念に、入念なお手入れをされる羽目になったのである。
****
いつもより時間がかかった入浴の後は、リニー少年が淹れた美味しいお茶をいただいた。
あ、リニー少年のゴットハンドは健在だったよ。
いやあ――。
めちゃくちゃ気持ちよかったわ……。
やっぱり、この子、すごくできる子だ。
美味しいお茶のお茶請けには、素朴な味のクッキーが用意されていた。
うん、これに自白剤は入っていなかったみたいだね。
フレドリックくんとオレと……そして、オレの希望で、リニー少年の三人でゆっくりとお茶の時間を愉しむ。
こういうまったりとした時間っていいよねぇ。
元の世界では、こういうのんびりまったりな時間はなかったなぁ。
それから夕食までの間は、読書をする気分にもなれず、長椅子に寝そべって、フレドリックくんを膝枕にして、オレはダラダラと時間を過ごした。
枕にされたフレドリックくんはとても困ったような表情をしていたが、オレは気づいていないフリを貫く。
そして、貫き通すことに成功した。
****
夕食はフレドリックくんの指示通り、あっさりとした食事メニューが用意された。
量の方もいつもより控えめだ。
夕食はフレドリックくんと一緒だった。
今のところ、ドリアの気配は全くないよ。
うん、そうだろうね。
あの書類の山じゃあ、可哀想だけど当分の間は抜け出せないよな……。
夕食もサンドイッチ片手に書類処理をやっている……やらされているんじゃないだろうか。
宰相サンの『予言』どおり、今晩はゆっくりできそうだ。
夕食には粥が用意されたのだが、麦かと思ったら、不思議な食材だった。
今まで食べたことがある粥よりも、あっさりとしていて、サラッとした舌触りで、上品な甘みと香りがとてもいい。
「なんだこれ? すごく美味しいぞ!」
同席していたフレドリックくんも、顔をキラキラさせて食べている。
フレドリックくんはなにも言わなかったが、いつもよりもスプーンを口に運ぶペースが早いようだ。
「ええと……、これは、麦粥ではなく『こめ』とかいう食物の果実で作った粥だそうです」
「え! コメだって! これがコメ?」
オレは驚きのあまりスプーンを落としてしまった。
(だから、なにをだ?)
めちゃくちゃニコニコ顔で言われたのだが、ふとその笑顔が宰相サンの氷の笑みと重なり、オレは恐怖で身震いしてしまう。
「怖がらなくて大丈夫ですから」
(いや、今のリニーくんはめちゃくちゃ怖いから……)
助けを求めてフレドリックくんの方を振り向くが、なんと、フレドリックくんはにこやかな笑みを浮かべて、オレに手を振っている。
「リニーは勇者様を傷つけるようなことは一切いたしません。安心して、おくつろぎください」
「え、えええええっ?」
ちょっと、フレドリックくん!
見送るんじゃなくて、助けてよ!
聖女様や王太子殿下のときは助けてくれたのだが、今回は違うらしい。なにがどう違うのだ?
フレドリックくんの判断基準がいまいちわかりません。
こうして……オレはリニー少年に無理やり浴室に連れ込まれると、あっという間に丸裸にされて、いつもよりも、丹念に、入念なお手入れをされる羽目になったのである。
****
いつもより時間がかかった入浴の後は、リニー少年が淹れた美味しいお茶をいただいた。
あ、リニー少年のゴットハンドは健在だったよ。
いやあ――。
めちゃくちゃ気持ちよかったわ……。
やっぱり、この子、すごくできる子だ。
美味しいお茶のお茶請けには、素朴な味のクッキーが用意されていた。
うん、これに自白剤は入っていなかったみたいだね。
フレドリックくんとオレと……そして、オレの希望で、リニー少年の三人でゆっくりとお茶の時間を愉しむ。
こういうまったりとした時間っていいよねぇ。
元の世界では、こういうのんびりまったりな時間はなかったなぁ。
それから夕食までの間は、読書をする気分にもなれず、長椅子に寝そべって、フレドリックくんを膝枕にして、オレはダラダラと時間を過ごした。
枕にされたフレドリックくんはとても困ったような表情をしていたが、オレは気づいていないフリを貫く。
そして、貫き通すことに成功した。
****
夕食はフレドリックくんの指示通り、あっさりとした食事メニューが用意された。
量の方もいつもより控えめだ。
夕食はフレドリックくんと一緒だった。
今のところ、ドリアの気配は全くないよ。
うん、そうだろうね。
あの書類の山じゃあ、可哀想だけど当分の間は抜け出せないよな……。
夕食もサンドイッチ片手に書類処理をやっている……やらされているんじゃないだろうか。
宰相サンの『予言』どおり、今晩はゆっくりできそうだ。
夕食には粥が用意されたのだが、麦かと思ったら、不思議な食材だった。
今まで食べたことがある粥よりも、あっさりとしていて、サラッとした舌触りで、上品な甘みと香りがとてもいい。
「なんだこれ? すごく美味しいぞ!」
同席していたフレドリックくんも、顔をキラキラさせて食べている。
フレドリックくんはなにも言わなかったが、いつもよりもスプーンを口に運ぶペースが早いようだ。
「ええと……、これは、麦粥ではなく『こめ』とかいう食物の果実で作った粥だそうです」
「え! コメだって! これがコメ?」
オレは驚きのあまりスプーンを落としてしまった。
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