アンチ転校生に捕まりまして

さぁ復讐を始めよう！

族長を探している奴ら

「ねぇ君！どこのクラス？良ければ俺と…」

「うわぁ！めっちゃ可愛いね！LINE交換しよ…」

僕に話しかける塵を放置して廊下を歩く。
勿論顔はしっかりと見るけど。

（あぁ、首が痛い。とにかく首が痛い。）

「シレナ。お前は俺の後ろにいろ」

「カナ…。でも、族長を見つけないと」

 平均的身長の僕にはこの学園は合わない。だって皆背が高すぎる。
 とにかく首が痛い。身長が高いから目を見て話すと首が、痛い。

「高い奴は俺が見る」

「カナは凡人なんだから黙ってて」

 族長に一目惚れした僕は族に入り、隊長まで上り詰めた。
でも族長はある日突然消えた。誰にも何も告げず。

僕達は悲しくて悲しくて悲しくてずっと探した。
族長は僕たちの全てで。族長も僕たちが全てだったのに。

「…無理はするなよ」

「このぐらい平気だよ…」

 困っている人を見捨てられない優しさ。使えないゴミを大切にしている器のでかさ。
 そして美しい茶髪の髪に茶色の瞳。
見目が偽装なのは知っている。勿論僕だけ。

ああ、全てが完璧な族長。

「僕は皐月 詩玲奈なんだから」

「誰かに聞かれるぞ。あいつは皐月家を知っているからな？」

「反応を見てたの。…分かってるよ。今の僕は委員長を支える風紀委員 芝 颯真しば そうまだからね」

族長の名前の颯そうを入れてみたけど気がつくかな？？
楽しみだな～！

「あ、もうそろそろ時間だ」

「今日はここまでか」

「次は一週間後に学園にくるよ」

早く会いたい会いたい会いたい会いたい。