例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間

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私の宝物

【私の宝物】

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「ロズワール。無駄な事はやめなさい」

 私がいつもの様に騎士服を着ていると側近のレビットが険しい顔で変な事を言った。

「変な事を言ってどうしたんだい?」

「聞いたのよ。ドルチェナ妃との会話」

「そうか」

 学園からロイスが意識不明の状態だと文が届いた時、あいつは困惑した顔で言っていた。

『精霊が失敗したのか…?』と。

その言葉を聞いた私は決意が固まった。
そして妻であるドルチェナに事情を話し、後を任せた。

「やめてくださいロズワール。彼が死んだら再び皇帝の権威は地に落ちます」

 もう一人の側近であるシュティが深いため息をついて言った。
私は何だか面白くなり、微笑んで言った。

「それはないよ。もう私達は力のない子息じゃないんだ。」

「無駄な事はやめなさい。このままで良いじゃない」

 レビットの言葉に、私はを思い出した。







□□□□□□

『貴方はこの世界にいてはいけない』

 良い友人だったミリーナがそう言って影武者のロズワールを刺そうとした。

 私はその時、ただ呆然としていた。

 その場は密かに行われた影武者のロズワールの皇帝着任の祝会だった。
限られた友人だけを招待した、極秘の会だった。

だからこんな事が起きるとは想定していなかった。

『ロズワール様っ』

『リナっ!!』

リナ嬢が影武者のロズワールを庇って刺される。

血が流れて、叫び声が聞えて。

 気がついた時には私は安全の為離宮に隔離されていた。

『お前らがリナを殺したんだ』

レイオットはそう言って私達から距離を取り、そのままカロアス公爵家を継いだ。

他の友人達も各々が離れていき、私は一人になってしまった。

『どうしたら許しくれるのカロくん』

『もう諦めろ』

『っなんでも持って生まれたロズくんにはわからないよ!僕にはカロくんが全て何だっ!!

もう忘れられるのは嫌だ嫌だっ母さんみたいに僕を見ないふりするんだ。どうしたら僕を見てくれるのカロくん』

影武者の狂った様な執着心に私は気味が悪くなり、影武者から距離を置いた。

□□□□□

「…私はもう宝物を失いたくない」

「は?私達より大切?」

 レビットの言葉に私は微笑む。

「お前達も含めて宝物だ。もう誰も失いたくない」

 皇帝になるまで多くの者を失った。また、皇帝になってからも失った。

「…わかりました。私達はもう何も言いません。…ロズワール皇帝陛下、信じて待ってますからね」

 シュティは涙を溢しながらそう言うと、私にお辞儀をして部屋から去った。

「…書類溜まってるんだから早くしなさいよ…ロズワール皇帝陛下」

「分かった」

(あの頃とは違う…私達はもう大人だ)

 私は宝剣を出し、腰につけていた鞘に収める。

「はぁ…年は取りたくないものだ…」

(まさかこの年になってあの化け物と対峙するとは)







    
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