例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間

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私の宝物

【私の宝物】

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 わたくしは我儘令嬢と呼ばれて育った。
幼い頃から妃教育から逃げ、平民街で自由に遊ぶのが大好きだった。
ズボンを履くのも剣を学ぶのも大好きだった。

「ロイス」 

 妃になりたくなかった。後悔だらけの人生だった。
だけどロズワールとの結婚生活は嫌ではなかった。愛しているわけではなかったけれど、彼は私を楽しませてくれる人だったから。

「…母が呼んでいるのに冷たい子ね」

 私は実子であるロイスの頬を撫でる。
生きてはいるけど冷たい体に私は微笑んだ。

「そのまま寝てなさい。母が全て終わらすその時まで」

 ロイスは何に対しても完璧な子供だった。
私の子であるならば、きっと乱暴で我儘な子供になる!と喚いていた脂肪の塊のジジイ達を唸らせるほど、完璧な子供だった。

だからここ最近の変化が嬉しかった。
皇帝になるには、完璧であってはいけないから。
戦争の恐怖を、成せない悔しさを、誰かを失う悲しみを、そんな不幸を皇帝になるには知らなければならない。

「私の宝物」

誰からも愛される皇帝にならなくていい。
我儘で優しい皇帝に。

私達の様に、誰かを犠牲に生きる大人にならないで。















「《僕達だって誰も殺したくないのに。人間って馬鹿ばかり》」
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