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第3話 嘘か真か
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ーーワット宅ーー
翌朝。
「結局全然眠れなかった。」キャシーは目の下に隈をつくりながら呟いた。(もう~。手を出すなとは言ったけど、まったく手をださないってどういうことよ。私は女として魅力がないわけ!?)キャシーはそう思いながら隣で寝ているワットを見つめる。そんなキャシーとは裏腹にワットはぐっすり眠っている。(はぁ~)キャシーはため息交じりに体を起こし台所に向かった。(私が朝ごはんをつくってやるか。)そう思いキャシーは料理を始めた。
「おはよう。お前起きるの早いな。」そう言いながらワットが起きてきた。
「おはよう~。なんか昨日のことがあって眠れなくて…。もうすぐでご飯できるからちょっと待っててね。」と笑顔で言うキャシー。だが心のなかでは、(あんたのせいで眠れなかったんでしょうが!このバカワット!)と穏やかではないようだ。
2人は朝食の準備をし、食べ始めた。と、ふとワットが呟く。
「誰かと一緒に朝ごはんを食べるのは久しぶりだな…。俺は幼くして両親を亡くしてるから、家族との食事ってこんな感じなのかな…。」
ワットはわずか3歳の時に親を亡くしている。その後は祖母が世話をしてくれたのだが、ワットが15歳の時に祖母も病気で亡くしている。それから22歳の現在までワットは1人で暮らしている。
キャシーはなんで答えれば良いか分からなかった。親も家族もいるキャシーにとって、簡単にワットの気持ちを推し量ることはあまり良くないことのような気がした。
「ところで、俺は今日魔法省に出勤するから、お前もチームの一員として一緒に来いよ。」ワットが淡々と話す。
「わかった。」キャシーは静かに答えた。
ーー魔法省魔法事件部ーー
ワットはキャシーと共に出社するなり早々部長に呼び出された。
「何でしょう、部長?」ワットは問いかける。
「実は君の行方不明事件対策チームに1人私から推薦したくてね。」部長は答えた。
「お言葉ですが、見ず知らずの者をチームに入れると連携が上手く取れないのではと思うのですが…。」
「いや、君の推薦でキャシー君をメンバーに入れたのだろう?それならば私が推薦する者を君のチームにいれても筋が通るはずだ。第一対策チームは、私の部内のものだしな。」
(確かに部長の言う通りか。このまま反対しても逆に捜査が滞るだけだな。)
「了解しました。」ワットは渋々答えた。
「で、誰がチームに来るのですか?」
「アイン君だ。」部長は答えた。
「アイン!?なぜ彼が?」
「適正審査の結果、彼も魔法事件部に適する人材だと判断してね。経験を積んでもらうため、同じく新人である君と同じチームに入れることにしたんだ。」部長はそう答え、「アイン君、来たまえ。」とアインを呼んだ。そしてすぐにアインが来た。
「君はこれからワトソン君と一緒に行方不明事件を捜査してくれたまえ。期待しているぞ。」
「了解しました。必ずや期待に応えてみせましょう。」アインは自信たっぷりに答えた。
「それから、これからは302号室を対策チーム本部としてくれ。」そういって部長との会話は終わった。ワットとキャシー、アインは302号室へと向かった。
「くれぐれも俺の足を引っ張るなよ、ワトソン。」アインがワットを睨む。
「その言葉そのままそっくり返すよ。」ワットも睨み返す。
「まあまあ、とりあえず今の捜査状況を確認しましょう。」キャシーが2人の間に入る。
「そうだな。昨日の捜査で、敵はリベレイションズなる組織だと分かった。まずは事件部の記録室からリベレイションズの情報を探そう。」
ワットたち3人は記録室に向かい、情報を探した。
「リベレイションズの情報を表示せよ。」ワットは魔法操術を使って、大量の紙からリベレイションズの情報が書かれた記録用紙のみを見つけ出す。そしてそれを3人で共有した。
その記録用紙によると、リベレイションズはかつて20年前に実在したテロ組織で、今は既に解散したとの情報が書かれていた。
「既に解散した組織だって?最近復活したのか?」ワットが呟く。
「今ある組織は20年前と同じ組織なのか、それともただの模倣犯なのか。それだけでも分かればいいのだが…。何か手がかりはないか?」ワットたちは再び資料を読み込む。
「お前が知りたいのはこれだろう。」アインがワットたちに1枚の記録用紙を見せる。そこには20年前のリベレイションズのメンバーを現在でも魔法牢獄へ収監している旨の情報が書いてあった。
「コイツに話を聞けば、何か情報が手に入るかもしれない。」そう言ってワットたちは、すべての省を統括する中央局の地下にある魔法牢獄へと向かった。
ーー魔法牢獄ーー
魔法牢獄では、魔法事件を起こした人間が収監される施設である。各省の職員は必要に応じて、囚人の取り調べを行うことができる。しかし、魔法を使った取り調べは拷問に当たると解釈され、法律で禁止されている。そして取り調べは、不正な取り調べを防止するため、必ず2人以上で行わなければならない。
「まずは俺がやる。お前は口を出すな。」アインが言う。
ここでアインを制止しても面倒くさそうだと思い、ワットは何も言わなかった。そしてワット・キャシー・アインの3人は取調室に入った。
「お前が20年前リベレイションズのメンバーだったノヴァ・マドセンだな。」アインが威圧的に言う。
「…。」ノヴァは何も言わない。
「今シャバではリベレイションズという組織が次々と人を攫っている。これはお前らと同じ組織か?」
「…。」
「こちらは人命が懸かっているんだ。何とか言ったらどうなんだ!」アインは机を叩いて威嚇をする。しかしそれでもノヴァは何も言わない。
「このまま黙り込むつもりなら、こちらの権限でお前の刑を重くし、永遠に黙らせてやってもいいんだぞ!」アインは人差し指をノヴァの胸に押し当てさらに威嚇する。
「おい、それ以上は止めとけ。」ワットがアインを制する。
「本当に何も教えてくれないのか?」今度はワットが尋ねる。
「…。」それでもノヴァは何も言わない。
「こいつはダメだ。一切使えない。もう帰ろう、ワトソン。」アインがワットにそう言うと、
「ワトソンだと!?」ノヴァが初めて口を開く。
「俺のことを知っているのか?」ワットが尋ねる。
「君の父親は、リチャード・ワトソンか?」ノヴァが恐る恐る尋ねる。
「そうだが…。」ワットが答えると、
「なんてことだ。」ノヴァは驚いた表情でワットのことを見つめる。そしてさらに言う。
「君になら全てを話そう。まず20年前のリベレイションズと現在のリベレイションズは同じものだ。」突然自供を始めたノヴァに驚きつつも、ワットは尋ねる。
「なぜ外の世界にいない君にそれが分かる?」
「それは、20年前の組織解体の際、私の友人がいずれリベレイションズを復活させると意気込んでいたからだ。それに私の予想ではリベレイションズという組織は世間に公表されていない筈だから、模倣犯も現れまい。」
(確かに俺もリベレイションズなんて組織聞いたことがなかった。この時代にテロ組織なんて、しかも捜査資料によるとリベレイションズは結構でかい組織だったみたいだから、そんな組織が解体されたらそのことの本とかが書かれててもいい筈なのにな。そんな本は一切見たことがない。)ワットはしばらく考え込んだ。
「なぜ君はリベレイションズが公表されていないって分かるんだ?」ワットはさらに問いかけた。
「…。」ノヴァは少し黙り込んだ後、「それを話すには…少し時が早いかな…。」と意味深なことを言う。
「おい、話がそれてきてるぞ!俺たちが知りたいのは、今のリベレイションズの情報だろ。」アインがワットに言う。
「そうだな。今のリベレイションズについて何か知っていることはないか?」ワットはノヴァに問いかける。
「…。では、リベレイションズの本拠地の場所を教えよう。ヤツなら本拠地を絶対あそこにするはずだ。リベレイションズの本拠地はD区の地下にある。D区の地図はあるか?」ノヴァは答えた。
ワットは魔法でD区の地図を机に浮かび上がらせた。
「地下への入り口はここだ。リベレイションズのメンバーしか知らないことだ。よく覚えていなさい。」ノヴァが指定の場所を指さした。
「おい、政府は国土のすべてを管轄しているんだぞ。そんな地下があるなんて聞いたこともない。」アインが口をはさむ。
「そりゃ知らんだろうな。信じるも信じないも君たちの自由だ。」ノヴァが答える。
「リベレイションズの唯一の手掛かりなんだ。信じるしかないさ。」ワットが言う。
「もういくつか聞きたい。リベレイションズの目的は何だ?なぜあなたは俺の父を知っている?俺の父は何をしていたんだ?ひょっとしてあなたは俺の父の死因を知っているのか。」ワットが緊張した面持ちで問いかける。
「…。すべては私の言った場所に行けば分かるさ…。そこでゆっくり真実を知るといい…。」ノヴァは優しく答えた。
「とりあえず敵の本拠地の場所は知れたんだ。こいつからはもう何も聞き出せそうにない。もういくぞワトソン。」アインはそう言って外にでた。続いてキャシーも外にでた。そこにワットも続こうとするが、「ちと待て。」ノヴァが制止する。
「いかなる真実が待ち受けていようとも、君は君の正しいと思うことをしなさい。そして…。」ノヴァは少し発言をためらうが、続けて言う。
「私を許してくれ。」そういうノヴァの目はどこか悲しそうで、何かを後悔しているような目だった。
「ああ…。」ワットはわけがわからなかったが、そう言い残し取調室を出た。
その後3人はさっそく、D区のノヴァが言う場所へ向かった。
ーーD区ーー
言われた場所へ向かうと、そこには一軒家が立っていた。どこからどうみても普通の家だ。ワットはドアノブの手をかける。
「これで罠だったらどうする?」キャシーが不安そうに言う。
「その時はその時だ。やばくなったら急いで逃げ出そう。2人とも、準備はいいか?」ワットが問いかける。
「ええ…。」キャシーは小さな声で応える。
「当たり前だろ。早くしろ。」アインは自信満々に答える。
「じゃあ、行くぞ!突入!」ワットの掛け声とともに、3人が突入する。
ーー???ーー
とある場所で、ある男たちが話し合っている。彼らの正体はまだ誰も知らない。
「ワトソンとノヴァが接触したそうだ。」
「今のところ計画通りだな。さて、吉と出るか凶と出るか…。」
「こんな危険な賭けに出なくとも、ワトソンが魔法省に入って来た時点で殺してしまったほうが良かったのではないかえ?」
「いいや、それでは姑息な奴らの居場所を突き止めることはできん。ノヴァも頑なに口を割らんしな。確かにこれは危険な賭けじゃが、絶好の機会でもあるのじゃ。」
「とにかく計画はもう進行している。今はもう過去のことよりも未来のことを考えるべきだ。あとはワトソンが思惑通りに動いてくれることを願おう。なぁニコラス。」
そう言って1人の男が磔にされている人物を見る。その人物は、ひどい怪我を負っているニコだった。
ーTo be continuedー
翌朝。
「結局全然眠れなかった。」キャシーは目の下に隈をつくりながら呟いた。(もう~。手を出すなとは言ったけど、まったく手をださないってどういうことよ。私は女として魅力がないわけ!?)キャシーはそう思いながら隣で寝ているワットを見つめる。そんなキャシーとは裏腹にワットはぐっすり眠っている。(はぁ~)キャシーはため息交じりに体を起こし台所に向かった。(私が朝ごはんをつくってやるか。)そう思いキャシーは料理を始めた。
「おはよう。お前起きるの早いな。」そう言いながらワットが起きてきた。
「おはよう~。なんか昨日のことがあって眠れなくて…。もうすぐでご飯できるからちょっと待っててね。」と笑顔で言うキャシー。だが心のなかでは、(あんたのせいで眠れなかったんでしょうが!このバカワット!)と穏やかではないようだ。
2人は朝食の準備をし、食べ始めた。と、ふとワットが呟く。
「誰かと一緒に朝ごはんを食べるのは久しぶりだな…。俺は幼くして両親を亡くしてるから、家族との食事ってこんな感じなのかな…。」
ワットはわずか3歳の時に親を亡くしている。その後は祖母が世話をしてくれたのだが、ワットが15歳の時に祖母も病気で亡くしている。それから22歳の現在までワットは1人で暮らしている。
キャシーはなんで答えれば良いか分からなかった。親も家族もいるキャシーにとって、簡単にワットの気持ちを推し量ることはあまり良くないことのような気がした。
「ところで、俺は今日魔法省に出勤するから、お前もチームの一員として一緒に来いよ。」ワットが淡々と話す。
「わかった。」キャシーは静かに答えた。
ーー魔法省魔法事件部ーー
ワットはキャシーと共に出社するなり早々部長に呼び出された。
「何でしょう、部長?」ワットは問いかける。
「実は君の行方不明事件対策チームに1人私から推薦したくてね。」部長は答えた。
「お言葉ですが、見ず知らずの者をチームに入れると連携が上手く取れないのではと思うのですが…。」
「いや、君の推薦でキャシー君をメンバーに入れたのだろう?それならば私が推薦する者を君のチームにいれても筋が通るはずだ。第一対策チームは、私の部内のものだしな。」
(確かに部長の言う通りか。このまま反対しても逆に捜査が滞るだけだな。)
「了解しました。」ワットは渋々答えた。
「で、誰がチームに来るのですか?」
「アイン君だ。」部長は答えた。
「アイン!?なぜ彼が?」
「適正審査の結果、彼も魔法事件部に適する人材だと判断してね。経験を積んでもらうため、同じく新人である君と同じチームに入れることにしたんだ。」部長はそう答え、「アイン君、来たまえ。」とアインを呼んだ。そしてすぐにアインが来た。
「君はこれからワトソン君と一緒に行方不明事件を捜査してくれたまえ。期待しているぞ。」
「了解しました。必ずや期待に応えてみせましょう。」アインは自信たっぷりに答えた。
「それから、これからは302号室を対策チーム本部としてくれ。」そういって部長との会話は終わった。ワットとキャシー、アインは302号室へと向かった。
「くれぐれも俺の足を引っ張るなよ、ワトソン。」アインがワットを睨む。
「その言葉そのままそっくり返すよ。」ワットも睨み返す。
「まあまあ、とりあえず今の捜査状況を確認しましょう。」キャシーが2人の間に入る。
「そうだな。昨日の捜査で、敵はリベレイションズなる組織だと分かった。まずは事件部の記録室からリベレイションズの情報を探そう。」
ワットたち3人は記録室に向かい、情報を探した。
「リベレイションズの情報を表示せよ。」ワットは魔法操術を使って、大量の紙からリベレイションズの情報が書かれた記録用紙のみを見つけ出す。そしてそれを3人で共有した。
その記録用紙によると、リベレイションズはかつて20年前に実在したテロ組織で、今は既に解散したとの情報が書かれていた。
「既に解散した組織だって?最近復活したのか?」ワットが呟く。
「今ある組織は20年前と同じ組織なのか、それともただの模倣犯なのか。それだけでも分かればいいのだが…。何か手がかりはないか?」ワットたちは再び資料を読み込む。
「お前が知りたいのはこれだろう。」アインがワットたちに1枚の記録用紙を見せる。そこには20年前のリベレイションズのメンバーを現在でも魔法牢獄へ収監している旨の情報が書いてあった。
「コイツに話を聞けば、何か情報が手に入るかもしれない。」そう言ってワットたちは、すべての省を統括する中央局の地下にある魔法牢獄へと向かった。
ーー魔法牢獄ーー
魔法牢獄では、魔法事件を起こした人間が収監される施設である。各省の職員は必要に応じて、囚人の取り調べを行うことができる。しかし、魔法を使った取り調べは拷問に当たると解釈され、法律で禁止されている。そして取り調べは、不正な取り調べを防止するため、必ず2人以上で行わなければならない。
「まずは俺がやる。お前は口を出すな。」アインが言う。
ここでアインを制止しても面倒くさそうだと思い、ワットは何も言わなかった。そしてワット・キャシー・アインの3人は取調室に入った。
「お前が20年前リベレイションズのメンバーだったノヴァ・マドセンだな。」アインが威圧的に言う。
「…。」ノヴァは何も言わない。
「今シャバではリベレイションズという組織が次々と人を攫っている。これはお前らと同じ組織か?」
「…。」
「こちらは人命が懸かっているんだ。何とか言ったらどうなんだ!」アインは机を叩いて威嚇をする。しかしそれでもノヴァは何も言わない。
「このまま黙り込むつもりなら、こちらの権限でお前の刑を重くし、永遠に黙らせてやってもいいんだぞ!」アインは人差し指をノヴァの胸に押し当てさらに威嚇する。
「おい、それ以上は止めとけ。」ワットがアインを制する。
「本当に何も教えてくれないのか?」今度はワットが尋ねる。
「…。」それでもノヴァは何も言わない。
「こいつはダメだ。一切使えない。もう帰ろう、ワトソン。」アインがワットにそう言うと、
「ワトソンだと!?」ノヴァが初めて口を開く。
「俺のことを知っているのか?」ワットが尋ねる。
「君の父親は、リチャード・ワトソンか?」ノヴァが恐る恐る尋ねる。
「そうだが…。」ワットが答えると、
「なんてことだ。」ノヴァは驚いた表情でワットのことを見つめる。そしてさらに言う。
「君になら全てを話そう。まず20年前のリベレイションズと現在のリベレイションズは同じものだ。」突然自供を始めたノヴァに驚きつつも、ワットは尋ねる。
「なぜ外の世界にいない君にそれが分かる?」
「それは、20年前の組織解体の際、私の友人がいずれリベレイションズを復活させると意気込んでいたからだ。それに私の予想ではリベレイションズという組織は世間に公表されていない筈だから、模倣犯も現れまい。」
(確かに俺もリベレイションズなんて組織聞いたことがなかった。この時代にテロ組織なんて、しかも捜査資料によるとリベレイションズは結構でかい組織だったみたいだから、そんな組織が解体されたらそのことの本とかが書かれててもいい筈なのにな。そんな本は一切見たことがない。)ワットはしばらく考え込んだ。
「なぜ君はリベレイションズが公表されていないって分かるんだ?」ワットはさらに問いかけた。
「…。」ノヴァは少し黙り込んだ後、「それを話すには…少し時が早いかな…。」と意味深なことを言う。
「おい、話がそれてきてるぞ!俺たちが知りたいのは、今のリベレイションズの情報だろ。」アインがワットに言う。
「そうだな。今のリベレイションズについて何か知っていることはないか?」ワットはノヴァに問いかける。
「…。では、リベレイションズの本拠地の場所を教えよう。ヤツなら本拠地を絶対あそこにするはずだ。リベレイションズの本拠地はD区の地下にある。D区の地図はあるか?」ノヴァは答えた。
ワットは魔法でD区の地図を机に浮かび上がらせた。
「地下への入り口はここだ。リベレイションズのメンバーしか知らないことだ。よく覚えていなさい。」ノヴァが指定の場所を指さした。
「おい、政府は国土のすべてを管轄しているんだぞ。そんな地下があるなんて聞いたこともない。」アインが口をはさむ。
「そりゃ知らんだろうな。信じるも信じないも君たちの自由だ。」ノヴァが答える。
「リベレイションズの唯一の手掛かりなんだ。信じるしかないさ。」ワットが言う。
「もういくつか聞きたい。リベレイションズの目的は何だ?なぜあなたは俺の父を知っている?俺の父は何をしていたんだ?ひょっとしてあなたは俺の父の死因を知っているのか。」ワットが緊張した面持ちで問いかける。
「…。すべては私の言った場所に行けば分かるさ…。そこでゆっくり真実を知るといい…。」ノヴァは優しく答えた。
「とりあえず敵の本拠地の場所は知れたんだ。こいつからはもう何も聞き出せそうにない。もういくぞワトソン。」アインはそう言って外にでた。続いてキャシーも外にでた。そこにワットも続こうとするが、「ちと待て。」ノヴァが制止する。
「いかなる真実が待ち受けていようとも、君は君の正しいと思うことをしなさい。そして…。」ノヴァは少し発言をためらうが、続けて言う。
「私を許してくれ。」そういうノヴァの目はどこか悲しそうで、何かを後悔しているような目だった。
「ああ…。」ワットはわけがわからなかったが、そう言い残し取調室を出た。
その後3人はさっそく、D区のノヴァが言う場所へ向かった。
ーーD区ーー
言われた場所へ向かうと、そこには一軒家が立っていた。どこからどうみても普通の家だ。ワットはドアノブの手をかける。
「これで罠だったらどうする?」キャシーが不安そうに言う。
「その時はその時だ。やばくなったら急いで逃げ出そう。2人とも、準備はいいか?」ワットが問いかける。
「ええ…。」キャシーは小さな声で応える。
「当たり前だろ。早くしろ。」アインは自信満々に答える。
「じゃあ、行くぞ!突入!」ワットの掛け声とともに、3人が突入する。
ーー???ーー
とある場所で、ある男たちが話し合っている。彼らの正体はまだ誰も知らない。
「ワトソンとノヴァが接触したそうだ。」
「今のところ計画通りだな。さて、吉と出るか凶と出るか…。」
「こんな危険な賭けに出なくとも、ワトソンが魔法省に入って来た時点で殺してしまったほうが良かったのではないかえ?」
「いいや、それでは姑息な奴らの居場所を突き止めることはできん。ノヴァも頑なに口を割らんしな。確かにこれは危険な賭けじゃが、絶好の機会でもあるのじゃ。」
「とにかく計画はもう進行している。今はもう過去のことよりも未来のことを考えるべきだ。あとはワトソンが思惑通りに動いてくれることを願おう。なぁニコラス。」
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