ブルーセーバーズ

天網 慶

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ブルーセーバーズ第1幕

双葉編1話 協力

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 私の名前は双葉武人ふたばたけひと。双葉法律事務所を経営している弁護士である。先日も大企業の社長の弁護をして、それなりに順調な弁護士人生をおくっている。もっとも私の専門は魔法事件である。この世界では魔法を使える人間が少数存在する。昔は誰もが魔法を使えたようだが、科学技術の発展とともに魔法は使われなくなり、だんだん魔法を使える人自体が少なくなった。だが、もちろん魔法を使える人もいるので、魔法を使った犯罪も存在する。私はその魔法事件を専門としている。

 だが私にはもう1つ裏の顔がある。それは魔法を使って法ではさばけない犯罪者を懲らしめていることだ。ヒーロー名は「ローウィザード」。弁護士で魔法使いなのでローウィザードなのだが、この安直さが気に入っている。昼は弁護士、夜はヒーローとしてこの街の平和を守っている。なぜこんな活動をしているかというと、5歳の頃読んだ本がきっかけだ。あの頃はみんな宇宙進出に夢中だったが、私は歴史を学ぶのが好きだった。その時読んだ本でこの魔法科学文明を切り開いた「最初の6人」について知った。私はその中の1人に憧れてこのような活動を始めた。

 そんな私にもプライベートが全くないわけではない。こんな私ともお付き合いしてくれる人がいる。彼女の名前は伊藤神凪いとうかんな。彼女には私の裏の顔は明かしていない。迷惑をかけたくないからな。

 私が案件を終えて事務所に戻ると、神凪が出迎えてくれた。彼女は私の補助者として私の弁護士業務を支えてくれてる。公私ともに支えてくれて、本当彼女には感謝しかない。

「お疲れ様。今日の仕事はどうだった?」

「順調だったよ。相手が同い年なのに社長やっててさ。本当すごい人だったわ。」

 そんなやりとりをしながら2人で事務作業に取り掛かった。すると時間があっという間に過ぎ去り、

「じゃあ、俺お先に失礼しますね。」そう言って同僚が1人退社していった。彼の名前は高杉雄太たかすぎゆうた。彼と神凪と私の3人で事務所を経営している。

 ある時私がローウィザードとして活動しているときにある人に話しかけられた。

「どうも、私はFBIのジョン・マッケンジーです。身柄はこちらにお渡しください。」そう言って身分証を見せてきた。

「FBIがこんな片田舎に何の用です。わざわざコイツを捕まえに来たわけではないでしょう。」私は先ほど拘束した犯罪者を指さして言った。

「ええ、私の目的はあなたです。本部で私たちのお話を聞いてはくれませんか?」

 私は断ると面倒くさそうだったので彼についていくことにした。



ーFBI本部ー

「わざわざこんな遠くまでご足労ありがとうございます。私はFBI長官のマーク・ドウェイン。以後お見知りおきを。」

「御託はどうでもいい。ここに私を呼んだ要件は?私は忙しいんだ。」

「これは失礼しました。あなたの存在は動画投稿サイトで知ったのですがね、是非我々に協力してくれませんか。FBI捜査員になれば生活も保障されますし。」

「断る。私は街の治安を守るために活動しているんだ。上司が出来たら好きな時に動けないかもしれないだろう。」

 そう言って私は部屋を後にした。もうちょっと食い下がってくるかもと思っていたが、案外すんなり私を返してくれた。私はそこだけを不審に思い、コスチュームを脱いで事務所に帰った。



ー双葉法律事務所ー

 神凪を迎えに事務所に来たのだが、そこには誰もいなかった。おかしい。いつも彼女とは一緒に帰っているのに。すると事務所に1本の電話がかかって来た。

「女の身柄は預かった。助けたければ今から言う場所に来い。」そう言って電話の主は住所を言い始めた。私はすぐにローウィザードのコスチュームに着替えて言われた住所のところに向かった。



 するとそこには気絶している神凪と3人の男がいた。

「お前たちは何者だ!なぜ彼女を狙う!」私は彼らを問いただした。

「なぜって、お前が兄貴をとっ捕まえたからだよ。」

「そして俺は見たぜ、お前の素顔。お前双葉法律事務所の弁護士だろ。」

(見られていた!)私としたことが迂闊だった。いつもは細心の周囲を払っているのだが、今日はFBIの件があって、そこら辺の公衆トイレで着替えてしまった。恐らく他に利用者がいなかったので、私だと分かったのだろう。

「やれやれ、面倒くさいことになったな。こいつらの記憶を消さないと…。」私はため息をついた。

「てめえ!この人数差で勝てると思ってんのか!」そう言って3人は鉄パイプを構えて襲ってきた。

「特殊魔法:グラビティション」私は魔法を唱えた。

 私の得意な魔法は「グラビティション」これは重力を操ることができる魔法である。私は3人に重力をかけて動けなくさせた。

「これは…魔法。てめえ、魔女か。」

 この時代では魔法を使える人の方が少ない。少数派は排斥されるのが世の常である。「魔女」とは性別関係なく魔法を使える者への差別用語である。過激派の中には魔女狩りを行っている者がいるとかいないとか。

「今時流行らんぞ、差別なんて。」俺はそう言って彼らを気絶させた。そして神凪の下に近づいた。

「大丈夫か?」

「ん…。」彼女は目を覚ました。

「どこか痛いところは?」

「いいえ、あなたが助けてくれたのですね。ありがとうございます。」

 私は自分の正体を明かさなかった。彼女にまた危険な目に遭ってほしくないからだ。彼女を事務所まで送り届けてから、私は着替えに行った。今度こそ誰にも見られないようなビルの屋上で着替えた。



 次の日。「双葉先生。お客さんですよ。」神凪に呼ばれて客間に行くと、そこにはジョンがいた。

「これは、FBIの長官が私になんの用です?」

「とぼけても無駄ですよ。あなたがローウィザードでしょ!?」

 私は目を見開いたが、彼はそれを見越してさらに発言を続けた。

「町中の監視カメラはFBIが管轄しています。あなたの着替えの様子、がっつり映ってましたよ。」

 私はがっくり肩を落とした。また同じ過ちを犯してしまった。するとジョンがさらに話を続ける。

「それにあなたの恋人も危険な目に遭ったようですね。どうです?FBIに入れば恋人の安全も身元の保障も私らがちゃんと守りますよ。」

「汚いぞ。」私は彼を睨んだ。だが彼はニッコリしている。これがFBIのやり方らしい。どうりであの時すんなり私を帰したわけだ。

「分かった、あんたらに協力してやる。だが私は弁護士を止める気はない。そこはちゃんとしてもらうぞ。」

「ええ、では業務委託ということで、これからよろしくお願いします。」

 ジョンはそう言って帰路に立った。私はため息交じりに客間を出ると、神凪がボーっとしていたので話しかけた。

「どうした神凪?」

「いや、なんでもない」そう言って彼女は仕事に取り掛かった。

(私を助けてくれたお方、すごいカッコ良かったな…。正体は一体誰なんだろ)そんなことを神凪は考えている。

 双葉の人生はこれから一体どうなってしまうのだろうか。



ー???-

「例のものは見つかったか?」何者かが言う。彼が誰かは分からない。だが異形の姿をしている。

「いいえ、でもそれに関する手掛かりは掴みました。惑星プルートに情報があるようです。」

「すぐに船を出せ!」そう言って何者かが動き出した。

ーTo be continued -
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