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第四章
5.ミルク粥の味
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神殿の上空には黒い鳥が回っていた。
「すごい不気味」
「いやあ、なんかホント、嫌な出来上がり具合だな」
ハンターも目の上に手を当てて遠く見ながらそう言った。
ヤトもそちらをじーっっと見る。すると瞳孔が横に伸びた。確かにヤギ系だなと思った。
でも、獣と獣人は全く違う存在なので、ヤギ獣人でもヤギの乳や肉は関係なく食べるそうだ。
「そうですね、早めに神殿に行って確認をしないといけません。このままだと街にも悪影響が出そうです」
ムーランがそう言った。
「見たい、見せて~のぼりゅよ。ハンターに」
ハンターの身体を子ザルの様に登り、勝手に肩車している。首を跨いで、頭をがしっと掴んでいたが、もっと高くしたかったみたいで、両肩に足を乗せて立ち上がった。
「こら、シオウ。あぶねえよ」
「ちょっとだけ、ごめんにょ」
ごめんにょだって、かわいい~。
「あざとい」
「ん?アスランテ何かいった?」
「いいえ、何もいっていません。それよりも、ココ、この街には美味しい物が色々あります。宿屋を決めたら食べにいきませんか?」
「うん、いくよ!」
なんだろう、美味しい物って。
『美味しい物』という言葉の強烈な吸引力には抗えない。
「あ、とりあえず、宿を決めたら後でギルドに行って換金しなきゃだ」
「ええ、そうしましょう」
アスランテのニッコリにニッコリを返し、ムーランの選んでくれた宿屋に入った。
私とシオウの部屋の左右がハンターとヤト。廊下の向かい側の二部屋が、ムーランとアスランテという並びで一人部屋の階をとってくれた。
「もうそろそろ、シオウとは部屋を分けますよ。そんなに淋しいなら、柔らかい動物の人形でも抱いて寝なさい」
「えーっ」
「こちらでは、子供のうちから早めに親と部屋を分けますから。貴女の様にいつまでも男女関係なくという訳にはいきません」
「ええーっ」
今まではお金の心配もあったし、理由があったが、そう言われると困る。しかもムーランの言い方だと、私が困った子供のように聞こえるし。
「いつまでも子供ではいられないのですよ。次の街からは宿はそれぞれの部屋か、男女別という事にさせてもらいましょう」
「むーん」
明らかに不服そうな私の声は無視された。
「ココ、ギルドに行くのでしょう?換金をすませて一度宿に戻ったら、皆で神殿を確認しに参りましょう」
そうアスランテに言われて、そうだ、神殿を見に行かなくてはいけなかったと思った。
「じゃあ、早くギルドに行こ!」
「皆、帰ってから神殿に行くから用意しておいてね」
そう言って、アスランテとギルドに向かう。
もちろん、ギルドの帰りに美味しい物を手に入れる予定だ。
前回と言っても最低でも10年以上前なので、私の記憶には神殿の事位しか残ってない。
「ねえ、アスランテ。こんなに早くに瘴気って集まるものかな?」
というのは、以前に瘴気を浄化してからという事だけど。
「そう言われると、確かにおかしく感じます。今回は神殿の周りもよく調べてみましょう」
「うん」
ギルドで換金を済ませ、依頼達成のお金を貰った。
ギルドでは、アスランテに視線が集まり、すぐにギルドの事務所から偉い人が出て来て挨拶された。
挨拶されたと言っても、私にじゃなくて、アスランテにだ。
アスランテの純白の髪や、美しい容姿はとても目立つ。ギルドマスターは彼の事をよく覚えていた。
「これは、聖騎士様。何故此方に?何か気になる事でもありましたか?」
「ああ、たまたま立ち寄ったのだが・・・。神殿の瘴気の様子が気になった」
「やはり・・・そうですか、最近街にも病や怪我人が増え、どうも様子がおかしいと思っていたのです」
一般の市民には瘴気等が見えないので、実被害が起こり始めないと、把握が難しいのだ。
「そうか、今日、仲間達と様子を見て来る。また何か分かれば連絡を入れる」
「ありがとうございます。では宜しくお願い致します」
という会話があったのだ。
「ココ、美味しい物なのですが、まだ店も残っている様なのでその店に入りましょう」
「ん、どゆこと?」
ギルドを出て歩いていると、アスランテは路地にある小さな店を指差した。
カラカラと引き戸を引いて中に入ると、おばさんがいた。
「あれまあ、あんた、あの時の」
どうやら、アスランテに覚えがある様だ。
「ご無沙汰しております。あの時の甘味が忘れられずまた来ました」
「はいはい、コン・レチェだね」
狭い店の中で二人で小さいテーブルを挟んで待っていると、おばさんが木の器に入った甘い匂いのする物を運んで来た。
「ん?米・・・ん!」
この味、知ってる。食べた事ある。
「覚えてますか?貴女は昔、これを食べて美味しいと仰った」
「んー!覚えてる。あの時はアスランテが買って来てくれたの?そう、美味しかったんだよ―」
こっちには、米文化があるんだよね。前の浄化の時に疲れてへばっていた時、横から差し出されてずずーっとスプーンで口の中に掻き込んで食べた甘味がコレ。美味しかったあ。
生米をミルクと黒糖で煮て、シナモンとレモンの皮が入ってる。多分、向こうの世界でも同じような食べ物があるんだと思う。おにぎりと一緒で。
甘いけど、あっさりと食べられて優しい味だ。米文化の私にはなんとも堪えられない美味しさだ。
ミルク粥と言ったら分かり易いかもしれない。
スプーンですするように食べた。ミルク粥は飲み物です・・・。
「もう一杯!」
「美味しいですか?」
「うん!」
至福の一時をアスランテと過ごしました。まる。
「すごい不気味」
「いやあ、なんかホント、嫌な出来上がり具合だな」
ハンターも目の上に手を当てて遠く見ながらそう言った。
ヤトもそちらをじーっっと見る。すると瞳孔が横に伸びた。確かにヤギ系だなと思った。
でも、獣と獣人は全く違う存在なので、ヤギ獣人でもヤギの乳や肉は関係なく食べるそうだ。
「そうですね、早めに神殿に行って確認をしないといけません。このままだと街にも悪影響が出そうです」
ムーランがそう言った。
「見たい、見せて~のぼりゅよ。ハンターに」
ハンターの身体を子ザルの様に登り、勝手に肩車している。首を跨いで、頭をがしっと掴んでいたが、もっと高くしたかったみたいで、両肩に足を乗せて立ち上がった。
「こら、シオウ。あぶねえよ」
「ちょっとだけ、ごめんにょ」
ごめんにょだって、かわいい~。
「あざとい」
「ん?アスランテ何かいった?」
「いいえ、何もいっていません。それよりも、ココ、この街には美味しい物が色々あります。宿屋を決めたら食べにいきませんか?」
「うん、いくよ!」
なんだろう、美味しい物って。
『美味しい物』という言葉の強烈な吸引力には抗えない。
「あ、とりあえず、宿を決めたら後でギルドに行って換金しなきゃだ」
「ええ、そうしましょう」
アスランテのニッコリにニッコリを返し、ムーランの選んでくれた宿屋に入った。
私とシオウの部屋の左右がハンターとヤト。廊下の向かい側の二部屋が、ムーランとアスランテという並びで一人部屋の階をとってくれた。
「もうそろそろ、シオウとは部屋を分けますよ。そんなに淋しいなら、柔らかい動物の人形でも抱いて寝なさい」
「えーっ」
「こちらでは、子供のうちから早めに親と部屋を分けますから。貴女の様にいつまでも男女関係なくという訳にはいきません」
「ええーっ」
今まではお金の心配もあったし、理由があったが、そう言われると困る。しかもムーランの言い方だと、私が困った子供のように聞こえるし。
「いつまでも子供ではいられないのですよ。次の街からは宿はそれぞれの部屋か、男女別という事にさせてもらいましょう」
「むーん」
明らかに不服そうな私の声は無視された。
「ココ、ギルドに行くのでしょう?換金をすませて一度宿に戻ったら、皆で神殿を確認しに参りましょう」
そうアスランテに言われて、そうだ、神殿を見に行かなくてはいけなかったと思った。
「じゃあ、早くギルドに行こ!」
「皆、帰ってから神殿に行くから用意しておいてね」
そう言って、アスランテとギルドに向かう。
もちろん、ギルドの帰りに美味しい物を手に入れる予定だ。
前回と言っても最低でも10年以上前なので、私の記憶には神殿の事位しか残ってない。
「ねえ、アスランテ。こんなに早くに瘴気って集まるものかな?」
というのは、以前に瘴気を浄化してからという事だけど。
「そう言われると、確かにおかしく感じます。今回は神殿の周りもよく調べてみましょう」
「うん」
ギルドで換金を済ませ、依頼達成のお金を貰った。
ギルドでは、アスランテに視線が集まり、すぐにギルドの事務所から偉い人が出て来て挨拶された。
挨拶されたと言っても、私にじゃなくて、アスランテにだ。
アスランテの純白の髪や、美しい容姿はとても目立つ。ギルドマスターは彼の事をよく覚えていた。
「これは、聖騎士様。何故此方に?何か気になる事でもありましたか?」
「ああ、たまたま立ち寄ったのだが・・・。神殿の瘴気の様子が気になった」
「やはり・・・そうですか、最近街にも病や怪我人が増え、どうも様子がおかしいと思っていたのです」
一般の市民には瘴気等が見えないので、実被害が起こり始めないと、把握が難しいのだ。
「そうか、今日、仲間達と様子を見て来る。また何か分かれば連絡を入れる」
「ありがとうございます。では宜しくお願い致します」
という会話があったのだ。
「ココ、美味しい物なのですが、まだ店も残っている様なのでその店に入りましょう」
「ん、どゆこと?」
ギルドを出て歩いていると、アスランテは路地にある小さな店を指差した。
カラカラと引き戸を引いて中に入ると、おばさんがいた。
「あれまあ、あんた、あの時の」
どうやら、アスランテに覚えがある様だ。
「ご無沙汰しております。あの時の甘味が忘れられずまた来ました」
「はいはい、コン・レチェだね」
狭い店の中で二人で小さいテーブルを挟んで待っていると、おばさんが木の器に入った甘い匂いのする物を運んで来た。
「ん?米・・・ん!」
この味、知ってる。食べた事ある。
「覚えてますか?貴女は昔、これを食べて美味しいと仰った」
「んー!覚えてる。あの時はアスランテが買って来てくれたの?そう、美味しかったんだよ―」
こっちには、米文化があるんだよね。前の浄化の時に疲れてへばっていた時、横から差し出されてずずーっとスプーンで口の中に掻き込んで食べた甘味がコレ。美味しかったあ。
生米をミルクと黒糖で煮て、シナモンとレモンの皮が入ってる。多分、向こうの世界でも同じような食べ物があるんだと思う。おにぎりと一緒で。
甘いけど、あっさりと食べられて優しい味だ。米文化の私にはなんとも堪えられない美味しさだ。
ミルク粥と言ったら分かり易いかもしれない。
スプーンですするように食べた。ミルク粥は飲み物です・・・。
「もう一杯!」
「美味しいですか?」
「うん!」
至福の一時をアスランテと過ごしました。まる。
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