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4章 主権奪還
4-16 一緒に生きていく
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「ファルガランでは頻繁に軍事演習を行いますし、私自身が国境を視察することもあります。不穏な空気があると報告を受ければ、すぐに出立します。王都にいる方が珍しいかもしれません」
「でも……今は、外国との間に壁が……」
「いつ壊されるかわかりません。それに、侵攻を目論む国があっても、ファルガランの国王軍が近辺にいれば、一時的にでも手を引く場合が多いのです」
なるほど、と私は心の中で呟いた。
声が出なかったのは、それなりにショックを受けたからだ。
イザークがいるなら、王妃の重圧も見知らぬ土地も平気だと思った。
しかし、彼と毎日顔を合わせることはできない。
寂しさで、心が少し重くなる。
とはいえ、今さら後戻りはできない。
する気もないが。
それなら前を向くしかない。
「わかった。ファルガランの人たちって大変なんだね。何も知らないで恥ずかしいよ」
私は笑顔を浮かべて、肩をすくめた。
イザークが目を丸くした隙に、私はテーブルへ少し身を乗り出した。
「大変だから、一緒にご飯を食べられる時間も貴重なんだよね。それならたくさん話をしたりして、お互いに向き合って過ごそう。そういうことでしょ?」
寂しさが消えたわけではないが、これからのことを口にすると、うつむかずにいられる気がした。
「……ええ」
イザークは、かすかに瞳を潤ませて微笑んだ。
「ありがとうございます」
「何もしてないよ」
「それでも、お礼を言いたいのです」
「いいってば」
「あなたを愛しています」
「……スープが冷めるから食べようか!」
私は、トロトロに煮込まれたカブを頬張って、ドキッとしたのをごまかした。
とはいえ隠せていなかったらしく、イザークはまた笑っている。
私、こうやって一生遊ばれるのかな。
それでもいいか。
笑わなかったイザークが、笑ってくれるなら。
そんなことを考えつつ、イザークの顔を見る。
彼は静かに笑みをたたえて、綺麗な所作でスープを食べ終えた。
そして、私を見つめ返してきた。
「アナベル。食後、一緒に来てほしい場所があります」
「どこに行くの?」
「王城の地下です」
「地下って……王族が埋葬されてたよね」
イザークの父親の葬儀で、私も参列した。
「なんで、そこに行くの?」
「それは後程。まずは食べましょうか、スープが冷めるのでしょう?」
イザークはそう言って、サンドイッチを食べ始めた。
からかっているというより、言いにくいから濁した、という空気を感じる。
私は「そうだね」とだけ答えて、食事を再開した。
食後、私はイザークの腕を取り、エスコートされるようにして地下へ向かった。
この数カ月で、ファルガランは急激に変化した。
国王夫妻の親密さを見せることで、臣下の不安を拭えるからと、イザークに提案されたのだ。
……本当は、イザークがくっつきたいからだろうけど。
それはお互い様なので、何も言わずに提案を受け入れた。
燭台を掲げ、地下への階段を下り切ると、急に空間が開ける。
床には棺が整然と並んでいる。
「父の棺がある場所へ、行きましょう」
イザークに示された方を、私は見た。
そして首を傾げた。
前王の棺は、ほかの棺から少し離して据え置かれたはずだ。
なのに今は、その隣に、二つの棺が増えている。
寄り添う三つの前に立った時、私はちょっとビクビクしながら尋ねた。
「ねえ……棺、増えてない?」
「はい。母と兄のものです」
頷くイザークを、思わずサッと見上げた。
彼は棺に目を落としたまま、また口を開いた。
「レオナルド陛下が、アルデリアにあった墓を開き、運ばせてくださったのです」
「そうだったんだ……」
「ええ。私の家族が皆、ここに揃いました。それで……お願いがあるのです」
「何?」
「ファルガランの王妃には、城を守る役目があります。あなたには、家族を……この城を守ってほしいのです」
「私が、ここを?」
私は、三つの棺へ目を落とした。
イザークが私の肩を抱く。
私を守るようでもあったし、彼自身の不安をごまかすようでもあった。
「私は、外敵からこの国を守ります。あなたは内側からこの国を支え、城を安定させてください。お願いできますか」
「……私が国の中心部を守れば、イザークは外国の動きに集中できるってことだね」
アルデリアにいた頃から、王妃はそういうものだと知っていた。
ただ、改めて口にされるとより重圧を感じる。
「そうですね。あなたには負担をかけてしまいますが……」
「大丈夫」
私はイザークに向き直り、ぎゅっと抱きついた。
イザークが息をのむ気配がする。
「イザークがファルガランを守ってくれるって知ってるから、頑張れるよ。だから心配しないで」
肩の荷は増えたのに、心はむしろ軽かった。
私が頑張ったら、イザークも頑張れる。
イザークが守ってくれるから、私も守ろうと思える。
抱きしめ返される腕の力を感じる。
「私たちは一緒に生きていくんだ」という、たしかな実感が全身を満たしていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
最終話(長いので2話に分けました)の投稿がやや遅れてしまい、申し訳ありません。
お読みいただき、ありがとうございました。
「断罪直前から力技で逆転したら、どういう話になるんだろう?」
と思って書いてみたところ、ひたすら慌ただしい話になりました。
お疲れ様でした。本当に。
次はもっと、もふもふした話を書きたいです。
もしくは連発ざまぁもの。
5~10話ごとに1人消えるような。
あとは、家族愛が育っていく裏で生死に関わるサスペンスが進んでるとか。
……極端ですね。
「でも……今は、外国との間に壁が……」
「いつ壊されるかわかりません。それに、侵攻を目論む国があっても、ファルガランの国王軍が近辺にいれば、一時的にでも手を引く場合が多いのです」
なるほど、と私は心の中で呟いた。
声が出なかったのは、それなりにショックを受けたからだ。
イザークがいるなら、王妃の重圧も見知らぬ土地も平気だと思った。
しかし、彼と毎日顔を合わせることはできない。
寂しさで、心が少し重くなる。
とはいえ、今さら後戻りはできない。
する気もないが。
それなら前を向くしかない。
「わかった。ファルガランの人たちって大変なんだね。何も知らないで恥ずかしいよ」
私は笑顔を浮かべて、肩をすくめた。
イザークが目を丸くした隙に、私はテーブルへ少し身を乗り出した。
「大変だから、一緒にご飯を食べられる時間も貴重なんだよね。それならたくさん話をしたりして、お互いに向き合って過ごそう。そういうことでしょ?」
寂しさが消えたわけではないが、これからのことを口にすると、うつむかずにいられる気がした。
「……ええ」
イザークは、かすかに瞳を潤ませて微笑んだ。
「ありがとうございます」
「何もしてないよ」
「それでも、お礼を言いたいのです」
「いいってば」
「あなたを愛しています」
「……スープが冷めるから食べようか!」
私は、トロトロに煮込まれたカブを頬張って、ドキッとしたのをごまかした。
とはいえ隠せていなかったらしく、イザークはまた笑っている。
私、こうやって一生遊ばれるのかな。
それでもいいか。
笑わなかったイザークが、笑ってくれるなら。
そんなことを考えつつ、イザークの顔を見る。
彼は静かに笑みをたたえて、綺麗な所作でスープを食べ終えた。
そして、私を見つめ返してきた。
「アナベル。食後、一緒に来てほしい場所があります」
「どこに行くの?」
「王城の地下です」
「地下って……王族が埋葬されてたよね」
イザークの父親の葬儀で、私も参列した。
「なんで、そこに行くの?」
「それは後程。まずは食べましょうか、スープが冷めるのでしょう?」
イザークはそう言って、サンドイッチを食べ始めた。
からかっているというより、言いにくいから濁した、という空気を感じる。
私は「そうだね」とだけ答えて、食事を再開した。
食後、私はイザークの腕を取り、エスコートされるようにして地下へ向かった。
この数カ月で、ファルガランは急激に変化した。
国王夫妻の親密さを見せることで、臣下の不安を拭えるからと、イザークに提案されたのだ。
……本当は、イザークがくっつきたいからだろうけど。
それはお互い様なので、何も言わずに提案を受け入れた。
燭台を掲げ、地下への階段を下り切ると、急に空間が開ける。
床には棺が整然と並んでいる。
「父の棺がある場所へ、行きましょう」
イザークに示された方を、私は見た。
そして首を傾げた。
前王の棺は、ほかの棺から少し離して据え置かれたはずだ。
なのに今は、その隣に、二つの棺が増えている。
寄り添う三つの前に立った時、私はちょっとビクビクしながら尋ねた。
「ねえ……棺、増えてない?」
「はい。母と兄のものです」
頷くイザークを、思わずサッと見上げた。
彼は棺に目を落としたまま、また口を開いた。
「レオナルド陛下が、アルデリアにあった墓を開き、運ばせてくださったのです」
「そうだったんだ……」
「ええ。私の家族が皆、ここに揃いました。それで……お願いがあるのです」
「何?」
「ファルガランの王妃には、城を守る役目があります。あなたには、家族を……この城を守ってほしいのです」
「私が、ここを?」
私は、三つの棺へ目を落とした。
イザークが私の肩を抱く。
私を守るようでもあったし、彼自身の不安をごまかすようでもあった。
「私は、外敵からこの国を守ります。あなたは内側からこの国を支え、城を安定させてください。お願いできますか」
「……私が国の中心部を守れば、イザークは外国の動きに集中できるってことだね」
アルデリアにいた頃から、王妃はそういうものだと知っていた。
ただ、改めて口にされるとより重圧を感じる。
「そうですね。あなたには負担をかけてしまいますが……」
「大丈夫」
私はイザークに向き直り、ぎゅっと抱きついた。
イザークが息をのむ気配がする。
「イザークがファルガランを守ってくれるって知ってるから、頑張れるよ。だから心配しないで」
肩の荷は増えたのに、心はむしろ軽かった。
私が頑張ったら、イザークも頑張れる。
イザークが守ってくれるから、私も守ろうと思える。
抱きしめ返される腕の力を感じる。
「私たちは一緒に生きていくんだ」という、たしかな実感が全身を満たしていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
最終話(長いので2話に分けました)の投稿がやや遅れてしまい、申し訳ありません。
お読みいただき、ありがとうございました。
「断罪直前から力技で逆転したら、どういう話になるんだろう?」
と思って書いてみたところ、ひたすら慌ただしい話になりました。
お疲れ様でした。本当に。
次はもっと、もふもふした話を書きたいです。
もしくは連発ざまぁもの。
5~10話ごとに1人消えるような。
あとは、家族愛が育っていく裏で生死に関わるサスペンスが進んでるとか。
……極端ですね。
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第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
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ご感想ありがとうございます。重い世界観ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。
アナベルいい奴ですか!書きながら「ドタバタしてるな」としか思ってなかったのでよかったです…!
リリィはじれったいですよね汗
彼女も色々と背負ってますので、早く解放してやりたいです。