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1章 断罪回避
40 やるべきことは一つ
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「皆さんが心配なさっているのは、民の暴動ですよね。エルディリス家は、私兵を大勢保有しています。民を抑え込めるのでは?」
イザークは当然のように言ってのけた。
その態度が、エリオットとギデオンの怒りを煽る。
「現時点で恐るべきは、民ではありません!気づかなかったのですか?今や貴族のほとんどが、マチルダ様を見限っているのですよ!」
「そうだ!マチルダ様が議会に来たが最後、議員どもはエルディリス家を潰すために動くはず……リリィ様も無事では済まないぞ!」
「そうでしたか……痛ましいことです。ですが、本物の聖女を守るためなら、やむを得ない犠牲ですね」
イザーク以外の全員が、ハッと息をのむ。
その音を最後に、室内が静まり返った。
爆発前提の沈黙だ。
精霊たちもなかなかの爆弾発言を投下していたが、イザークは輪をかけてひどい。
私は、怖々とギデオンたち三人の顔をうかがった。
全員、揃って青ざめて、武器を握りしめている。
まずい。バトルが勃発する。
私は慌てて叫んだ。
「落ち着いてってば!あのマチルダが、黙ってやられるとは思えないよ」
そのマチルダが、リリィの最大の敵なのだが。
今それを言ってもみんなを不安にさせるだけだ。
「ひとまず議会の決定を待とう!」
無難な部分だけ、大声で訴える。
しかし誰も私を見ない。
戦う気満々で、耳に入らないらしい。
イザークに制裁を加えるまで、ギデオンたちは我を失ったままだろう。
血を流さずにこの場を収める方法は……
(こうなったら……先にイザークに頭突きしよう!)
腰を落とし、大きく息を吸い込む。
その瞬間、部屋の外から見張りのジョルジュさんが声をかけてきた。
「アナベル様、陛下がお見えです」
「……!わかった、ありがとう!」
天の助けだ。
私は出入り口へと走り、ドアノブをすばやく引いた。
「うわっ!」
ドアの前にいたレオナルドが、ビクッとして叫んだ。
その声で、男性陣も主君の来訪に気づいたらしい。
彼らの意識がレオナルドに移る。
「陛下、マチルダ様は!?」
「議会はどんな決定を!?」
エリオットとギデオン、一拍遅れてルークも駆け寄ってくる。
レオナルドは後ろ手にドアを閉めると、大きくため息をついた。
「マチルダは、議会に来なかった」
「え……?」
唖然とする私たちへ、レオナルドは疲れた声で話を続ける。
「もちろん国王として命令したよ。でも、『王命無効権を行使する』の一点張りで……」
「じゃあリリィは⁉︎」
私はレオナルドに詰め寄ったが、彼は力なく「わからない」とかぶりを振った。
「何も情報が入ってこないんだ。マチルダの弁明を聞く体で追い詰めるつもりだったのに。話を聞けないんじゃ、どうしようもない」
どうすれば……と、四人は足元に視線を落とした。
イザークは他人事のように傍観している。
彼らを見て、私はじれったくなった。
やるべきことは一つなのに、みんなは何をしているんだろう。
私は拳を握り、声を張り上げた。
「どうしようもないなら、行くしかないでしょ!」
「どちらへですか?」
イザークが怪訝そうに尋ねてくる。
「エルディリス家の屋敷だよ!」
◇
翌日、私と男性五人は、エルディリス家の屋敷を訪れた。
私は黒いドレスにフリル付きのエプロン、キャップを身につけている。
いわゆるメイドさんの格好だ。
死刑囚が、堂々と町を歩くのはまずい。
見張りのジョルジュさんには「一時的に部屋を変える」とレオナルドが話していた。
頻繁に外へ出るし、部屋も何度か変わっているので、まったく怪しまれなかった。
ジョルジュさん、ごめんなさい。
そして身分を隠すために、調達された服に着替えた。
同じ意味で、イザークも黒いマントを脱いでいる。
レオナルドとルークは上質な服を着ているが、普段より地味な格好だ。
その横にエリオットとギデオンが立てば、“商家の息子らと護衛たち”のできあがり。
まあ、全員イケメンだからどうしても目は引いちゃうんだけど……
とにかく、エルディリス邸の前には到着した。
私は、柵の向こうをチラチラと見ながら、ゆっくりと周りを歩いた。
「さて、どこから入ろうかな。この辺は見張りがズラッと立ってるし……」
ブツブツと呟く私を、男性陣はちょっと離れて見ている。
困ったような顔で。
彼らは「とりあえず様子見だけなら」と、渋々ついてきたのだ。
私が早々に侵入するつもりだとは、思っていなかったのだろう。
イザークは、特に反対しているらしい。
「アナベル様、見張りの数はどこも同じです。無駄ですよ、戻りましょう」
彼は顔をしかめて、私の腕を引いた。
「大丈夫、心配しないで。策ならあるから」
「怖ければ先に帰っていいんだぞ」
ギデオンがフンと鼻を鳴らすと、イザークは即答した。
「私はアナベル様の監視役ですから、外出なさった時はおそばにいます」
「……つまらない奴だな」
ギデオンが舌打ちをする。
リリィを蔑ろにされたので、仕返しのために煽ったらしい。
「ギデオン、処刑人で遊んでいないで集中してください」
そう言ったエリオットは、ギデオンの「何だと」という言葉を遮り、私に尋ねてきた。
「それで、策とはどのような?」
「ひとまず、こうやって見回りのふりをしながら、入れそうなところを探すの」
「見回りのふり?そうだったのか?」
レオナルドが、急にオドオドと周りを気にし始めた。
「不安そうにしちゃダメ。悪いことをする時は、堂々とやった方がバレないんだよ」
途端にレオナルドたちが、「悪いことをしたことがあるのか」という目で私を見る。
ないわけじゃないけど、そこまで悪くはない。
ゲームを親に禁止された時、リビングで本の陰にゲーム機を隠して遊んだ。
それくらいだ。
国王であるレオナルドを先頭に立たせ、屋敷を観察しながらまた歩く。
すると、柵の向こうから怒鳴り声が飛んできた。
「お前たち、さっきから何をしている!」
見張りの兵士だ。
レオナルドとルークが飛び上がる。
だから、そんな態度じゃバレるってば……
私はさりげなく前に出て、見張りの兵士にお辞儀をした。
イザークは当然のように言ってのけた。
その態度が、エリオットとギデオンの怒りを煽る。
「現時点で恐るべきは、民ではありません!気づかなかったのですか?今や貴族のほとんどが、マチルダ様を見限っているのですよ!」
「そうだ!マチルダ様が議会に来たが最後、議員どもはエルディリス家を潰すために動くはず……リリィ様も無事では済まないぞ!」
「そうでしたか……痛ましいことです。ですが、本物の聖女を守るためなら、やむを得ない犠牲ですね」
イザーク以外の全員が、ハッと息をのむ。
その音を最後に、室内が静まり返った。
爆発前提の沈黙だ。
精霊たちもなかなかの爆弾発言を投下していたが、イザークは輪をかけてひどい。
私は、怖々とギデオンたち三人の顔をうかがった。
全員、揃って青ざめて、武器を握りしめている。
まずい。バトルが勃発する。
私は慌てて叫んだ。
「落ち着いてってば!あのマチルダが、黙ってやられるとは思えないよ」
そのマチルダが、リリィの最大の敵なのだが。
今それを言ってもみんなを不安にさせるだけだ。
「ひとまず議会の決定を待とう!」
無難な部分だけ、大声で訴える。
しかし誰も私を見ない。
戦う気満々で、耳に入らないらしい。
イザークに制裁を加えるまで、ギデオンたちは我を失ったままだろう。
血を流さずにこの場を収める方法は……
(こうなったら……先にイザークに頭突きしよう!)
腰を落とし、大きく息を吸い込む。
その瞬間、部屋の外から見張りのジョルジュさんが声をかけてきた。
「アナベル様、陛下がお見えです」
「……!わかった、ありがとう!」
天の助けだ。
私は出入り口へと走り、ドアノブをすばやく引いた。
「うわっ!」
ドアの前にいたレオナルドが、ビクッとして叫んだ。
その声で、男性陣も主君の来訪に気づいたらしい。
彼らの意識がレオナルドに移る。
「陛下、マチルダ様は!?」
「議会はどんな決定を!?」
エリオットとギデオン、一拍遅れてルークも駆け寄ってくる。
レオナルドは後ろ手にドアを閉めると、大きくため息をついた。
「マチルダは、議会に来なかった」
「え……?」
唖然とする私たちへ、レオナルドは疲れた声で話を続ける。
「もちろん国王として命令したよ。でも、『王命無効権を行使する』の一点張りで……」
「じゃあリリィは⁉︎」
私はレオナルドに詰め寄ったが、彼は力なく「わからない」とかぶりを振った。
「何も情報が入ってこないんだ。マチルダの弁明を聞く体で追い詰めるつもりだったのに。話を聞けないんじゃ、どうしようもない」
どうすれば……と、四人は足元に視線を落とした。
イザークは他人事のように傍観している。
彼らを見て、私はじれったくなった。
やるべきことは一つなのに、みんなは何をしているんだろう。
私は拳を握り、声を張り上げた。
「どうしようもないなら、行くしかないでしょ!」
「どちらへですか?」
イザークが怪訝そうに尋ねてくる。
「エルディリス家の屋敷だよ!」
◇
翌日、私と男性五人は、エルディリス家の屋敷を訪れた。
私は黒いドレスにフリル付きのエプロン、キャップを身につけている。
いわゆるメイドさんの格好だ。
死刑囚が、堂々と町を歩くのはまずい。
見張りのジョルジュさんには「一時的に部屋を変える」とレオナルドが話していた。
頻繁に外へ出るし、部屋も何度か変わっているので、まったく怪しまれなかった。
ジョルジュさん、ごめんなさい。
そして身分を隠すために、調達された服に着替えた。
同じ意味で、イザークも黒いマントを脱いでいる。
レオナルドとルークは上質な服を着ているが、普段より地味な格好だ。
その横にエリオットとギデオンが立てば、“商家の息子らと護衛たち”のできあがり。
まあ、全員イケメンだからどうしても目は引いちゃうんだけど……
とにかく、エルディリス邸の前には到着した。
私は、柵の向こうをチラチラと見ながら、ゆっくりと周りを歩いた。
「さて、どこから入ろうかな。この辺は見張りがズラッと立ってるし……」
ブツブツと呟く私を、男性陣はちょっと離れて見ている。
困ったような顔で。
彼らは「とりあえず様子見だけなら」と、渋々ついてきたのだ。
私が早々に侵入するつもりだとは、思っていなかったのだろう。
イザークは、特に反対しているらしい。
「アナベル様、見張りの数はどこも同じです。無駄ですよ、戻りましょう」
彼は顔をしかめて、私の腕を引いた。
「大丈夫、心配しないで。策ならあるから」
「怖ければ先に帰っていいんだぞ」
ギデオンがフンと鼻を鳴らすと、イザークは即答した。
「私はアナベル様の監視役ですから、外出なさった時はおそばにいます」
「……つまらない奴だな」
ギデオンが舌打ちをする。
リリィを蔑ろにされたので、仕返しのために煽ったらしい。
「ギデオン、処刑人で遊んでいないで集中してください」
そう言ったエリオットは、ギデオンの「何だと」という言葉を遮り、私に尋ねてきた。
「それで、策とはどのような?」
「ひとまず、こうやって見回りのふりをしながら、入れそうなところを探すの」
「見回りのふり?そうだったのか?」
レオナルドが、急にオドオドと周りを気にし始めた。
「不安そうにしちゃダメ。悪いことをする時は、堂々とやった方がバレないんだよ」
途端にレオナルドたちが、「悪いことをしたことがあるのか」という目で私を見る。
ないわけじゃないけど、そこまで悪くはない。
ゲームを親に禁止された時、リビングで本の陰にゲーム機を隠して遊んだ。
それくらいだ。
国王であるレオナルドを先頭に立たせ、屋敷を観察しながらまた歩く。
すると、柵の向こうから怒鳴り声が飛んできた。
「お前たち、さっきから何をしている!」
見張りの兵士だ。
レオナルドとルークが飛び上がる。
だから、そんな態度じゃバレるってば……
私はさりげなく前に出て、見張りの兵士にお辞儀をした。
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*AIと一緒に書いています*
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