56 / 62
番外編 ふたりの子どもは横着者
3月28日 くもり
しおりを挟む
今日は学校に行った。同じクラスのアリエストルが、むかつくことを言ってきたから、頭突きをお見舞いしてやった。
鼻血出してたよ、ざまーみろ!
本当なら、足を踏んづけて転ばせてやったり、髪をひとつかみ引っこ抜いてやりたかったけど、モーガン先生が来たからできなかった。
それから、下校時間が来るまでお説教されちゃった。あー、面倒くさい。
帰ったら、父さんと母さんが居間にいた。ふたりでソファに座って、頭をもたせかけ合ってた。
父さんは母さんの手をなで回してた。
ああ、またか……と思って回れ右しようとしたけど、なんか変な感じがして、「どうかしたの」って聞いた。
そうしたら、母さんの具合があんまりよくなかったみたいだ。
母さんは「ちょっと疲れちゃった」とか言って、父さんにひざ枕してもらったり、寝室にこもったり。
もしかして……昨日のアップルパイ、食べすぎたんじゃない?
1個しか食べてなかったけどさ、こっちが吐きそうになるぐらい、父さんにベタベタされてたんだもん。
きっと胸焼けしたんだろうな。
心配だったけど、父さんとクロップが母さんの周りでオタオタしてたから、気を遣う隙がなかった。
そうこうしてるうちに、母さんが寝室から出てきた。それからは普通に用事してたから、やっぱりアップルパイを食べすぎただけかも。
食べすぎはよくないよ、うん。だからさ、明日のおやつ、ぜーんぶちょうだい!
明日は魔術の練習の日だから、いっぱい頭を使うし。
明日といえば、明日も学校だ。面倒くさいなあ。どうして子どもって、勉強しなくちゃいけないんだろ。早く大人になりたいよ。
今日の嬉しかったことは、アリエストルにバッチリ頭突きを決めたこと。おれの頭は、ちょうど顔の真ん中に当たったんだ!
鼻血出してたよ、ざまーみろ!
本当なら、足を踏んづけて転ばせてやったり、髪をひとつかみ引っこ抜いてやりたかったけど、モーガン先生が来たからできなかった。
それから、下校時間が来るまでお説教されちゃった。あー、面倒くさい。
帰ったら、父さんと母さんが居間にいた。ふたりでソファに座って、頭をもたせかけ合ってた。
父さんは母さんの手をなで回してた。
ああ、またか……と思って回れ右しようとしたけど、なんか変な感じがして、「どうかしたの」って聞いた。
そうしたら、母さんの具合があんまりよくなかったみたいだ。
母さんは「ちょっと疲れちゃった」とか言って、父さんにひざ枕してもらったり、寝室にこもったり。
もしかして……昨日のアップルパイ、食べすぎたんじゃない?
1個しか食べてなかったけどさ、こっちが吐きそうになるぐらい、父さんにベタベタされてたんだもん。
きっと胸焼けしたんだろうな。
心配だったけど、父さんとクロップが母さんの周りでオタオタしてたから、気を遣う隙がなかった。
そうこうしてるうちに、母さんが寝室から出てきた。それからは普通に用事してたから、やっぱりアップルパイを食べすぎただけかも。
食べすぎはよくないよ、うん。だからさ、明日のおやつ、ぜーんぶちょうだい!
明日は魔術の練習の日だから、いっぱい頭を使うし。
明日といえば、明日も学校だ。面倒くさいなあ。どうして子どもって、勉強しなくちゃいけないんだろ。早く大人になりたいよ。
今日の嬉しかったことは、アリエストルにバッチリ頭突きを決めたこと。おれの頭は、ちょうど顔の真ん中に当たったんだ!
0
あなたにおすすめの小説
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
愛のかたち
凛子
恋愛
プライドが邪魔をして素直になれない夫(白藤翔)。しかし夫の気持ちはちゃんと妻(彩華)に伝わっていた。そんな夫婦に訪れた突然の別れ。
ある人物の粋な計らいによって再会を果たした二人は……
情けない男の不器用な愛。
二度目の初恋は、穏やかな伯爵と
柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。
冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
もう何も信じられない
ミカン♬
恋愛
ウェンディは同じ学年の恋人がいる。彼は伯爵令息のエドアルト。1年生の時に学園の図書室で出会って二人は友達になり、仲を育んで恋人に発展し今は卒業後の婚約を待っていた。
ウェンディは平民なのでエドアルトの家からは反対されていたが、卒業して互いに気持ちが変わらなければ婚約を認めると約束されたのだ。
その彼が他の令嬢に恋をしてしまったようだ。彼女はソーニア様。ウェンディよりも遥かに可憐で天使のような男爵令嬢。
「すまないけど、今だけ自由にさせてくれないか」
あんなに愛を囁いてくれたのに、もう彼の全てが信じられなくなった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる