断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい

花音月雫

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第一章

見つかってしまいましたわ

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マーレ様と目が合った瞬間、廊下の窓ガラスが全部一斉に割れましたわ!
エレーネ様が私の手を引っ張り走って逃げます。ガラスのカケラが降ってきて危ないので私は密かに薄いシールドを私達2人に張りました。

「エレーネ様!早く移転魔法で元の場所へお戻り下さい!」

「あれはまだ練習中で一度使うとしばらく使えん!」

うぉ⁉︎何ですって⁉︎

「でも大丈夫だ。アイラは私が守る!安心しろ」

その自信は何処からくるのですか?
マーレ様は相当な魔力の使い手ですわよ!あの数の窓を一瞬にしてそれも同時に割るなんて。

「エレーネ様!見つからない様にお屋敷から外に出て帰るしかないですわ!」

「そうだな!しかし出口が分からん!」

うぉ!そうですわね。私達、逃げるのに必死でお屋敷の中を闇雲に走ってしまいましたの。これでは出口がどの方向かも分かりませんわ。

走るのに疲れてしまったのでトボトボと歩いていると一段と薄暗い廊下に出ました。その廊下の行き止まりの場所に扉があり鎖で頑丈に鍵がかけられています。見るからにヤバそうな......。

「なんだ?この扉は。鍵までかけてさらに術で入れなくしてるな」

エレーネ様にも分かるようですわね。
そうなのです。術も黒魔術ですわ。
ふむ。ふむ。

カシャーン。カシャーン。
後ろから騎士の甲冑の音がします。
振り返ると大柄の騎士がこちらに走ってきますわ!
よく見ると何だか変な走り方ですの。カクカクしています。
ん?ん?
お顔が見える距離になりました。
え?お顔が半分腐っていますわ!更にウジが沸いています!

虫が大丈夫な私でも流石にウジは嫌ですの!

「うぁぁぁぁーーー!!」

エレーネ様も気がついたようで悲鳴を上げましたわ。

2人で脇の廊下に走り逃げます。
あの騎士は死体ですわね。
死体を操っているのですね?
このままだと命の危機ですわ。

うーん。もうこれは我慢するの限界なのではないでしょうか?
力使ってもよろしい?

振り返ると死体の騎士がもう1人増えていますわ!
隣にいたエレーネ様が居ない!と、思ったら腰を抜かして座り込み動けなくなっています。

ですわよね。6歳ですもの。まだ子供ですもの。大人でもあの騎士見たら大抵の人は腰抜かしますわよね。

うぎょぇぇぇぇぇぇぇ!!
ぐががぁぁぁーーー!!

相変わらずカッコ良く力を使えませんが許して下さいましね。

私は両手から光を出して死体騎士の2人を吹き飛ばしました。
しかし、もう既に死んでいるので立ち上がります。1人は首がなくなっているのにです。

エレーネ様が恐怖のあまり口から泡が出てきちゃってますわ!
コレはいけないです!
次の攻撃を!
と、思いましたらひょいと体が浮きました。

「あーあ。チビ!あれ程力使うなって言われてただろう?俺を呼べよ。何の為の契約なんだよ!この馬鹿が!阿保が!」

むー。またアクアに暴言を吐かれていますわ。
でも私、すっかり忘れていましたの。アクアと契約している事を。最近はただの従僕化していましたしね。

アクアは右腕に私を左腕にエレーネ様を抱えながら呪文を唱えました。すると一瞬で景色が変わり王城のお庭に居ます。
あ、アクアも移動魔法を使ったのですね。

「あの屋敷の周りには黒魔術で誰も入れないようにしてあった。だから護衛騎士がお前らの行き先は北の屋敷だって分かって行っても誰も入り口からは入れなくて右往左往してたぞ?きっと今もしてるんじゃないか?」

アクアは私とエレーネ様を降ろして言いました。

「だから、このガキの魔力すげーな。あれをかい潜り中に入れるとは。あ、俺?俺はあんなのは屁でもない」

の、割に遅かったようですけれど?

「あ、遅かったとか思ってるだろう?色々あるんだよ」

嘘ですね。少し手こずりましたよね?
助けてもらったので深くは追求しませんけれど。

そしてその後、エレーネ様は勝手に私を連れて北のお屋敷に行ったとして国王様にもの凄く怒られしばらくの間お勉強回は中止となりました。

エレーネ様は北のお屋敷で見た物がかなり怖かったらしく一切何も言わなかったようですわ。やはり6歳児です。

私の方は無理やり連れて行かれたという事になっていますので何もお咎めはないですわ。確かに無理やり?でしたけれど実際に北のお屋敷に行けて死体騎士も見れて変な扉も見れました。
そしてマーレ様の力も。なのでかなりの収穫ですわ。

私、前の人生の時から事件ものや怖い物語とか読むのが好きでしたの。ですので実際に体験してしまって心躍るといいますか、何といいますか......。
ですが今世の私の人生のテーマは地味に目立たなく生きること、ですわ。
解決したくてムズムズするのですけれど......。

お父様とお母様に何かあったかとか何か見たかとか訊かれましたがとりあえず見た物、体験した事は内緒です。心配かけてしまうでしょうし、下手するとしばらくお外に出してもらえなくなるかもしれませんもの。


「ねぇ、アクア。マーレ様の故郷エスグライド帝国は昔から黒魔術が盛んな国でしたわよね?隣国のサフィランカ帝国から黒魔術が持ち込まれそれがエスグライド帝国で花開いたような事を聞いた事があります」

私はアクアにさり気なく訊いてみました。

「おい、おい。6歳児が何処でそんな事聞いたりするんだよ?お前本当は何歳だ?」

無視です。

「マーレ様の一族が黒魔術に長けていたとしたら、です。これはマズイ事になっていると思われます」

「マズイ事だと?」

「はい」

「もうこれ以上関わるな。ただでさえお前はあの屋敷で聖力を使った。黒魔術を抑えれる力をな。狙ってくるぞ?」

くぅ~!その通りですわね。

「狙われますか。ではその前に解決しないと駄目ですわね?あちらもきっと焦っているはずですわ。早くに事を成し遂げようと......」

駄目ですわ。私の人生のテーマは地味に目立たな......。......。
でも今回だけ、関わってしまったのですし、絶対にマーレ様も私を探し出して殺しにかかると思いますもの。自分の身は自分で守りましよう!そうです!そうしましよう!

でもまだピースが足りません。
少し調べてみないとですわ!
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