30 / 135
第一章
禁断の黒魔術恐るべしですわ
しおりを挟む
その後、アクアに移動魔法を使ってもらいダリル様をコスナー家に連れて行きました。直ぐにお医者様を呼んでもらって診察してもらいましたわ。
血だらけの私をコスナー夫妻が見て倒れそうになっていましたが元気だとお伝えするとお風呂に入れてもらいました。ついでにお医者様にも診てもらいましたが私は至って元気です。自分で治しましたし。
ダリル様は打撲や擦り傷などはありましたが大きな怪我は無かったようで安心しました。
大きな怪我があればあの時に私が直ぐに治していましたけど。
ダリル様はお父様のジョージ様と一緒に登城していたところを攫われたようでした。月に何回かジョージ様のお仕事を見て学びに行っているのだそう。将来は優秀な宰相様になられますわね!
私はアクアとエバンズ家に戻りました。
お父様はまだ国王様の所に行ったきりで帰ってきていませんでしたがお母様やマリル、使用人達が泣きながら抱きついてきましたわ。心配かけてごめんなさい。
私が消えた後、かなりの乱闘があったのが分かるぐらいお屋敷の半分が大破しています。
「俺がムカデと騎士を殺ったからな。少しの破壊は仕方ない。結局どっちも俺が殺ったんだぜ?ったく、使えねー奴ばっかりだ。ここの騎士はよー」
アクアが愚痴ります。
とりあえずお礼は言っておきますわ。
次の日までお父様は帰って来ませんでした。お昼過ぎにお戻りになりお疲れなのに私の元に駆けつけてくれて最初に私をギュッと抱きしめてから色々説明してくれました。
お父様は国王様に私から聞いた話をし、北のお屋敷を捜索したいと申し出たそうですわ。国王様的には自分が連れ帰ってきた姫がそんな事をしているなんて信じたく無かったようでしばらく渋っていたみたいです。
そこにエレーネ様がやってきて自分が見た事をお話しすると態度を変え直ぐにOKを出したそうですわ。
国王様はエレーネ様のお母様を溺愛していますのでね......。
お父様が聖騎士団を率いて北のお屋敷に踏み込んだ時にはもう私とアクアはアダン様を連れてその場を去った後でしたの。
そしてお屋敷中探し回って見つけたあのお部屋。鍵がかかっていなく聖騎士達が入って行くと。
ホルマリン漬けにされたピンクの眼球が魔法陣の中に並べられその中心にマーレ様が変わり果てた姿で横たわっていたようですわ。そのご遺体は獣のようなモノに食いちぎられていて着ていたドレスと髪の毛の色でマーレ様と断定しましたが体は殆ど残っていなかったそうです。
何人かの聖騎士達はそのご遺体の無惨な姿と眼球と臭いに耐え切れなく大変な事になったとお父様がおしゃっていましたわ。お気の毒にです。
そのお部屋では禁断の黒魔術「月と死者」が行われた事は確実ですが何故マーレ様がそのようなお亡くなり方をしているのかは誰も分かりません。
でも失敗した事は明らかです。
マーレ様は最後のコマ、すなわちダリル様の眼球のことですが、それが無いのと新月ではないのに儀式をしてしまったのですわ。聖騎士達が来るのが分かり追い詰められていたのでしょうか。
でも、もし全てあの儀式に必要な物が揃っていたとしても成功しないのです。
あれは禁断の黒魔術ですわ。
余程の力の持ち主が行わないと成功しないのです。
あの書物に書いてありました。
中途半端に儀式をしてしまったマーレ様の元に戻ってきた愛しい人はもう人ではなかったのだと推測されます。
外見は人でも中身が悪霊ですわ。
その悪霊にマーレ様は食い殺されてしまったのでしよう。
最後のコマが揃わなかった、新月ではない、その2つで失敗する事は分かっていたはずです。逃げずに儀式を強行してしまったのは愛しい人にもう一度会いたかったのでしようか?それとも愛しい人に殺されたかったのでしょうか?
さて、ここからですわ。お父様はジョージ様から私とアクアがダリル様を助け出してお屋敷まで送り届けた事を聞いたそうです。そして私が血だらけだった事もですわ。
「あの屋敷で何があったのか教えてくれるかな?私はアイラの事が心配で心配で眠れないよ?」
やはり全てお話しするべきですわよね。お父様は聖騎士の団長様ですし今後の為にも。ですが、あれは私が聖力で大人になりマーレ様と戦っただけですわね?
「な、な、なんだって⁉︎聖力で18歳ぐらいにまでなってマーレ様と戦った⁉︎アイラ......。なんという力なのだ!我が娘ながら誇らしく思う!」
お父様が泣き出してしまいましたわ。
「やはりアイラは大聖女様になる器だ!しかも歴代の大聖女様なんか問題にならないぐらい力がある!」
お父様が興奮してきましたわ。
歴代の大聖女様に失礼ですよ?
「そうだとしても、ですわ。駄目です。アイラは大聖女様にはいたしません」
ピシッとお母様が言いました。
「何故だい?こんな強い力を持つ大聖女様など何千年に一度生まれるか生まれないかだよ?それが私達の愛しい娘なのだよ?」
「だからですわ。大聖女様が誕生すると魔王もやって来るのです。大聖女様の素質があってもその人物が大聖女様にならなければ魔王はやって来ないと言われていますわ。それはあなたもご存知でしょう?アイラに魔王と戦わせるの?もしアイラが魔王に攫われたら?この世界で魔王に勝てる人がいるかしら?」
お母様が無表情で淡々と語ります。
お父様が言葉に詰まりました。
「そ、そうだな。つい興奮してしまってすまなかった。アイラが魔王などに連れて行かれたら気が狂ってしまう......」
今度はメソメソ泣き出しましたわ。
忙しいお父様ですね。
「分かって頂ければ良いのです。アイラには普通に生きて欲しいのですわ。聖女にだってしたくはないのです」
お母様は聖女時代のお話は滅多にしません。嫌な思い出があるのでしょうか?
そんなこんなでダリル様を助けたのはアクアだという事にするらしいですわ。
でも、もしダリル様が見ていたとしたら?お父様とお母様が動きました。
血だらけの私をコスナー夫妻が見て倒れそうになっていましたが元気だとお伝えするとお風呂に入れてもらいました。ついでにお医者様にも診てもらいましたが私は至って元気です。自分で治しましたし。
ダリル様は打撲や擦り傷などはありましたが大きな怪我は無かったようで安心しました。
大きな怪我があればあの時に私が直ぐに治していましたけど。
ダリル様はお父様のジョージ様と一緒に登城していたところを攫われたようでした。月に何回かジョージ様のお仕事を見て学びに行っているのだそう。将来は優秀な宰相様になられますわね!
私はアクアとエバンズ家に戻りました。
お父様はまだ国王様の所に行ったきりで帰ってきていませんでしたがお母様やマリル、使用人達が泣きながら抱きついてきましたわ。心配かけてごめんなさい。
私が消えた後、かなりの乱闘があったのが分かるぐらいお屋敷の半分が大破しています。
「俺がムカデと騎士を殺ったからな。少しの破壊は仕方ない。結局どっちも俺が殺ったんだぜ?ったく、使えねー奴ばっかりだ。ここの騎士はよー」
アクアが愚痴ります。
とりあえずお礼は言っておきますわ。
次の日までお父様は帰って来ませんでした。お昼過ぎにお戻りになりお疲れなのに私の元に駆けつけてくれて最初に私をギュッと抱きしめてから色々説明してくれました。
お父様は国王様に私から聞いた話をし、北のお屋敷を捜索したいと申し出たそうですわ。国王様的には自分が連れ帰ってきた姫がそんな事をしているなんて信じたく無かったようでしばらく渋っていたみたいです。
そこにエレーネ様がやってきて自分が見た事をお話しすると態度を変え直ぐにOKを出したそうですわ。
国王様はエレーネ様のお母様を溺愛していますのでね......。
お父様が聖騎士団を率いて北のお屋敷に踏み込んだ時にはもう私とアクアはアダン様を連れてその場を去った後でしたの。
そしてお屋敷中探し回って見つけたあのお部屋。鍵がかかっていなく聖騎士達が入って行くと。
ホルマリン漬けにされたピンクの眼球が魔法陣の中に並べられその中心にマーレ様が変わり果てた姿で横たわっていたようですわ。そのご遺体は獣のようなモノに食いちぎられていて着ていたドレスと髪の毛の色でマーレ様と断定しましたが体は殆ど残っていなかったそうです。
何人かの聖騎士達はそのご遺体の無惨な姿と眼球と臭いに耐え切れなく大変な事になったとお父様がおしゃっていましたわ。お気の毒にです。
そのお部屋では禁断の黒魔術「月と死者」が行われた事は確実ですが何故マーレ様がそのようなお亡くなり方をしているのかは誰も分かりません。
でも失敗した事は明らかです。
マーレ様は最後のコマ、すなわちダリル様の眼球のことですが、それが無いのと新月ではないのに儀式をしてしまったのですわ。聖騎士達が来るのが分かり追い詰められていたのでしょうか。
でも、もし全てあの儀式に必要な物が揃っていたとしても成功しないのです。
あれは禁断の黒魔術ですわ。
余程の力の持ち主が行わないと成功しないのです。
あの書物に書いてありました。
中途半端に儀式をしてしまったマーレ様の元に戻ってきた愛しい人はもう人ではなかったのだと推測されます。
外見は人でも中身が悪霊ですわ。
その悪霊にマーレ様は食い殺されてしまったのでしよう。
最後のコマが揃わなかった、新月ではない、その2つで失敗する事は分かっていたはずです。逃げずに儀式を強行してしまったのは愛しい人にもう一度会いたかったのでしようか?それとも愛しい人に殺されたかったのでしょうか?
さて、ここからですわ。お父様はジョージ様から私とアクアがダリル様を助け出してお屋敷まで送り届けた事を聞いたそうです。そして私が血だらけだった事もですわ。
「あの屋敷で何があったのか教えてくれるかな?私はアイラの事が心配で心配で眠れないよ?」
やはり全てお話しするべきですわよね。お父様は聖騎士の団長様ですし今後の為にも。ですが、あれは私が聖力で大人になりマーレ様と戦っただけですわね?
「な、な、なんだって⁉︎聖力で18歳ぐらいにまでなってマーレ様と戦った⁉︎アイラ......。なんという力なのだ!我が娘ながら誇らしく思う!」
お父様が泣き出してしまいましたわ。
「やはりアイラは大聖女様になる器だ!しかも歴代の大聖女様なんか問題にならないぐらい力がある!」
お父様が興奮してきましたわ。
歴代の大聖女様に失礼ですよ?
「そうだとしても、ですわ。駄目です。アイラは大聖女様にはいたしません」
ピシッとお母様が言いました。
「何故だい?こんな強い力を持つ大聖女様など何千年に一度生まれるか生まれないかだよ?それが私達の愛しい娘なのだよ?」
「だからですわ。大聖女様が誕生すると魔王もやって来るのです。大聖女様の素質があってもその人物が大聖女様にならなければ魔王はやって来ないと言われていますわ。それはあなたもご存知でしょう?アイラに魔王と戦わせるの?もしアイラが魔王に攫われたら?この世界で魔王に勝てる人がいるかしら?」
お母様が無表情で淡々と語ります。
お父様が言葉に詰まりました。
「そ、そうだな。つい興奮してしまってすまなかった。アイラが魔王などに連れて行かれたら気が狂ってしまう......」
今度はメソメソ泣き出しましたわ。
忙しいお父様ですね。
「分かって頂ければ良いのです。アイラには普通に生きて欲しいのですわ。聖女にだってしたくはないのです」
お母様は聖女時代のお話は滅多にしません。嫌な思い出があるのでしょうか?
そんなこんなでダリル様を助けたのはアクアだという事にするらしいですわ。
でも、もしダリル様が見ていたとしたら?お父様とお母様が動きました。
8
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる