断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい

花音月雫

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第一章

私の安全地帯ダリル様ですわ

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あの後、お母様とマリエッタ様がかなりやり合ったらしく2年待たずしてご学友は解散致しましたの。エレーネ様は猛反対したようですがあのマリエッタ様には敵わないでしょうね。

この4年間のご学友は一緒に少しだけお勉強してお茶を飲みお菓子を食べ、ただそれだけでしたけれど何だったのでしようか?謎な4年間よ、さようならですわ。
ユリアン様も同じ事を言っていましたわ。何だったのか?と。

それでもエレーネ様の我儘なところがかなりなくなったと言われたとお父様が言っていました。
出会った時と大して変わらないと思うのですけれど?

登城しなくてよくなったのでお時間がありユリアン様のお屋敷に行く日が増えましたの。
ユリアン様はダリル様がお屋敷にいらっしゃる日を設定して下さるので毎回お会いできて幸せですわ。

いつもはお屋敷のお庭を一緒にお散歩したり街に一緒にお買い物に行ったり夕方におじゃまさせて頂いた時は暗くなるのを待って一緒にお星様を見たりしています。勿論いつもユリアン様がご一緒ですわよ?

今日はダリル様のお部屋でお茶をしています。お部屋の隅にはアクアとマリルが控えていますわ。

「ダリル様、学園は楽しいですか?」

2年後から通う事になるであろう学園について聞いておきましょうね。

「そうだね。普通の勉強の他に魔力の時間があるからおもしろいよ?自分に合った魔力の使い方を習えるんだ」

この国は魔力と聖力があり大体の貴族は魔力持ちです。聖力持ちの人は我がエバンズ家のように血筋です。お父様は聖力持ちで聖女様のお母様とご結婚されたので確実にお兄様も私も聖力持ちになります。ですがたまにこの様な血筋でも伴侶が魔力持ちだと魔力持ちの子供が生まれます。でも基本的にエバンズ家は聖力の方が強いので魔力持ちは殆ど生まれませんわ。

エバンズ家以外にも聖力の血筋の貴族も勿論いらっしゃいますよ?因みにお母様のご実家がそうですの。
魔力、聖力、どちらが良い、悪いはないのですわ。でもその力を使って黒魔術の方へ行ってしまう人がいます。それは御法度ですわ。白魔術はいいのですけれどね。

「楽しそうですね!私も早く学園に通いたいですわ!」

チーズケーキをモグモグしながら私はダリル様に微笑みます。

本日、ユリアン様は風邪を引いてしまいお部屋でお休みになっています。
先程、お見舞いに行きましたが薬が効いて眠っていましたわ。

「こちらのクッキーもシェフの新作なんだよ?食べてごらん」

そう言ってお花形のクッキーをお皿に乗せてくれます。

「わぁ!可愛いですね!食べてしまうのが勿体無いです!」

「ふふふ。アイラ嬢は本当に可愛いね。食べてしまいたくなるよ?」

新手のジョークでしょうか?
私を食べたいだなんてアクアみたいな事を言っていますわ。
うー。でもアクアに言われたら何かこう......嫌な感じでゾワゾワしますけれどダリル様に言われるとほわっとしますわ。
この差。やはりダリル様は私の癒しであり安全地帯なのですね?

「どーぞ。ふふ」

思わず言ってしまいました。
ダリル様が驚いて綺麗なピンク色の瞳を大きく開きました。

「そう?では遠慮なく」

ぱく。

え⁉︎ダリル様が私の右手中指をお口の中に入れましたわ!
そしてそのまま少し上目遣いで私を見ています。
ひ、ひ、ひぃぃぃーーー!!

ひぃぃぃーー!なんですけれど何だかこのままでいたい気がしますの。
指を噛まれて癒されている私って変態の才能があるのかもしれません。
あのお兄様の妹ですものね......。

「おい!お前まで変態か!チビも指噛まれてうっとりしてんじゃねーよ!噛まれたいなら俺が毎日噛んでやるからよ!」

いや、いや、いや。お前は阿保か?
違うでしょう?アクアに噛まれたら速攻でぶっ飛ばしますけど?
少しキレかかりましたわ。失礼。

お部屋の隅で待機していたアクアが走ってきます。
それをマリルが止めています。
そしてバチッと私にウィンクをしながらアクアとお部屋を出て行きました。
どうやらダリル様はマリルのお目に適ったようですわ。

「あはは。連れて行かれちゃったね?アイラ嬢が美味しそうでつい噛んじゃった」

私の指をお口から離し天使の微笑みです。鼻血。私、鼻血は出ていないかしら?ダリル様の微笑みはご婦人方を1,000人は殺せそうですわ。

私がアワアワしているとダリル様がギュッと抱き締めてきましたわ!
なんと良い香りがするのでしょう。
うっとりしまくりの私の耳にダリル様が囁きました。

「一緒にゆっくり大人になろうね。大人になったアイラ嬢が素敵すぎて僕の頭から離れないんだ。もちろん今のアイラ嬢も可愛いけれど」

......やはりですか。見られていましたのね。くっ!て、事は6歳児に戻った時の裸もバッチリ見てましたよね。
今更ですが恥ずかしくて死ねます。
即死ですわ。

でも、やはり私の安全地帯です!
裸の件はとりあえず記憶から抹消するとして大人の私をダリル様に褒められると嬉しいですわ。
アクアに褒められた時と気持ちが全然ちがいます。

「はい!私、ダリル様と一緒にゆっくり大人になりますわ!あ......そのう、私が大人になった事は......」

「うん。大丈夫だよ。ご両親も隠したい様子だったからね。色々事情があるんだよね?誰にも言わないよ。秘密だ」

ダリル様はそう優しく言って私の首筋にキスをしました。
うきゃきゃ!!ダリル様、大人ですわ!





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