94 / 135
第三章
王太子様にご報告ですわ
しおりを挟む
「先日の事は神官から全て聞いた。アイラ聖女はあのアバドンとかいう男に執着されているとか。そしてバルトカピにする為に付きまとっているとか」
このお部屋にはエリアス王太子様と専属護衛騎士がお一人、そして私とアレイ様が居ます。
もちろんお部屋の外には何十人ものエリアス王太子様の護衛騎士が待機していますわ。だってこの国の次の王様になる方ですもの。
エリアス王太子様の護衛の方は全て知っているようでかなり信頼している様子です。
今日は偶然私の専属護衛騎士がアレイ様なんですのね?なんて思っていたらアレイ様が裏操作していたようですわ。流石です。
「はい。あの男はしつこいので私をバルにするまではずっと付きまとうと思いますわ。そして私がバルになってしまうとこの国を壊してしまいますのでなんとしても阻止したいと思っています」
「バル......?国を破壊以前にアイラ聖女をそんな化け物なんかに絶対しない!まずはアバドンを何としてもでも捉えなくてはいけないね」
エリアス王太子様と護衛騎士が私のバル呼びに一瞬戸惑ったようですがこれは決して愛称で呼んでいる訳ではありませんのよ?名前が覚えられないからだなんて恥ずかしくて言えませんけれど。
「あのう、バルについて書いてある書物などは王立図書館に置いてあるのでしょうか?色々知っておきたいのです」
「今となっては伝説の生き物だからね。私が生きている時にその名前を聞くとは思っていなかったよ。たぶ数冊はあると思う。アイラ聖女が行きたい時に知らせてくれ。私も一緒に探すよ。それに私と会うと言った方が外出許可が出るだろう?」
「はい。ありがとうございます」
「神官からの話だとアイラ聖女の聖力は凄いと聞いた。アバドンもかなりの力だと聞いたがそれと互角に戦っていたと」
「違いますの。あの戦いはあの男が手を抜いていたのですわ。悔しい事ですけれど」
「あはは!そうか。アイラ聖女は悔しいのか。やはり大聖女候補だな。歴代の大聖女は戦いに秀でていたと書物に書かれているが本当なのだな。私もこの目でアイラ聖女が戦う姿を見てみたいものだ」
豪快に笑うエリアス王太子様を初めて見ましたわ!なんて可愛いのでしょう!
「王太子様、聖女様の戦う姿を見たいなどとは不謹慎です。聖女様には穏やかで平和に過ごしていただき国民やこの国を癒すのが仕事ですから。その聖女様が戦いに参加する状況ではこの国の......」
「あー分かった!分かった!クルン、お前の小言は後で聞く」
エリアス王太子様の護衛騎士はクルン様というのですね。前の人生では居なかったように思いますがやはり私が違う行動をしているので色々変わっているのですね。
それにかなり親しいようであんな意見も言えるなんて。良い関係を築いているのですね。
「それはそうとミカエルとかいう聖騎士がかなり腕の立つ奴だと聞いたぞ?先程の会議にも居たがアイツは何者だ?」
あ、それ、私に訊きます?
「私も彼の事は詳しく知りませんが何処かの田舎から出て来たと聞いています。あの男と互角に戦えたのは自分が放った技がたまたま意表を突いただけだった様ですわ」
「まあ、アバドンとの戦いについては先程本人からもそう聞いたのだが......。そういう事に今はしておくか」
何か感じるものがあるのでしょうか?ミカエル様の正体は知られないようにしないといけませんね。
「アバドンの行方についてはこちらでも探す事にする。アバドン事件に関しては今日はこれまでだ」
とりあえずホッとしましたわ。
私もバルの事や最悪バルになってしまった時の対処法がないかなど調べなくてはいけませんわね。
「王太子様、神官の様子ですが、今のところ変な動きはありません」
アレイ様がクーデター疑惑についての話題を出してきましたわ。
「そうか。引き続き捜査するように」
「私も神官様について何か分かりましたらご報告します」
私もエリアス王太子様に言いましたわ。
「ありがたい。頼んでおきながら何だが、無理はしないように」
「はい」
お話もひと段落ついたのでお茶を私が淹れましたわ。ここでは全て自分でするのです。
「すまないな。お茶を淹れてもらって」
エリアス王太子様が私にお礼を言ってお茶のカップを受け取りましたわ。
「うん。美味しい。これからここに来たらアイラ聖女が淹れてくれるお茶が飲めるのだな。頻繁に通うか」
微笑みながら私に向かって言いましたわ。その微笑みドキドキしてしまいますのでお止めくださいませね。
それから私は聖女様としての教育を受けて半年後には同期のお2人と一緒に『治癒巡業』に参加できるようになりました。
私達はまだ1番下っ端聖女なので地方までは行かず王都だけなのですが。
王都にある病院を回って医師では完治させれない方々を訪ねますの。
医師には治癒力はありません。
病気にはお薬を、怪我には塗り薬だったり軽い縫合などを施します。
骨折などは当て木などをして固定しますが上手くつながらない時もあります。
医師が施した治療で元気になる方も大勢いますがそうでない方もいます。その方達を治療しに私達が行くのですわ。
その日もユーリン様が引率してくれて私達同期3人はある病院に行きました。教会の外に出る時は沢山の聖騎士が護衛してくれます。何かあった時には安心ですわ。私は幸い戦える力がありますがエミリー聖女様とサフィー聖女様にはその様な力はありませんので。
いつも外に出る時の護衛の聖騎士の中には必ずお兄様がいますの。
これは絶対に裏で何かしていますわ。
そしてずっと私の側を離れません。護衛してくれているのは感謝しますけれどベタベタと触ってくるのはいただけませんね。
前の人生では清くて正義感があって妹思いで素晴らしい人格でしたのに何故今世ではこうなってしまったのかしら?
「やはり私が幼い頃に接し方を間違えたのかしら?」
独り言で呟いた事に対してミカエル様が反応しましたわ。
「うん。ホントそう。お前は間違えた」
呆れたような、馬鹿にしているような笑い顔で私を見ていますわ。本当のミカエル様ってかなりムカつくのですけれど。
このお部屋にはエリアス王太子様と専属護衛騎士がお一人、そして私とアレイ様が居ます。
もちろんお部屋の外には何十人ものエリアス王太子様の護衛騎士が待機していますわ。だってこの国の次の王様になる方ですもの。
エリアス王太子様の護衛の方は全て知っているようでかなり信頼している様子です。
今日は偶然私の専属護衛騎士がアレイ様なんですのね?なんて思っていたらアレイ様が裏操作していたようですわ。流石です。
「はい。あの男はしつこいので私をバルにするまではずっと付きまとうと思いますわ。そして私がバルになってしまうとこの国を壊してしまいますのでなんとしても阻止したいと思っています」
「バル......?国を破壊以前にアイラ聖女をそんな化け物なんかに絶対しない!まずはアバドンを何としてもでも捉えなくてはいけないね」
エリアス王太子様と護衛騎士が私のバル呼びに一瞬戸惑ったようですがこれは決して愛称で呼んでいる訳ではありませんのよ?名前が覚えられないからだなんて恥ずかしくて言えませんけれど。
「あのう、バルについて書いてある書物などは王立図書館に置いてあるのでしょうか?色々知っておきたいのです」
「今となっては伝説の生き物だからね。私が生きている時にその名前を聞くとは思っていなかったよ。たぶ数冊はあると思う。アイラ聖女が行きたい時に知らせてくれ。私も一緒に探すよ。それに私と会うと言った方が外出許可が出るだろう?」
「はい。ありがとうございます」
「神官からの話だとアイラ聖女の聖力は凄いと聞いた。アバドンもかなりの力だと聞いたがそれと互角に戦っていたと」
「違いますの。あの戦いはあの男が手を抜いていたのですわ。悔しい事ですけれど」
「あはは!そうか。アイラ聖女は悔しいのか。やはり大聖女候補だな。歴代の大聖女は戦いに秀でていたと書物に書かれているが本当なのだな。私もこの目でアイラ聖女が戦う姿を見てみたいものだ」
豪快に笑うエリアス王太子様を初めて見ましたわ!なんて可愛いのでしょう!
「王太子様、聖女様の戦う姿を見たいなどとは不謹慎です。聖女様には穏やかで平和に過ごしていただき国民やこの国を癒すのが仕事ですから。その聖女様が戦いに参加する状況ではこの国の......」
「あー分かった!分かった!クルン、お前の小言は後で聞く」
エリアス王太子様の護衛騎士はクルン様というのですね。前の人生では居なかったように思いますがやはり私が違う行動をしているので色々変わっているのですね。
それにかなり親しいようであんな意見も言えるなんて。良い関係を築いているのですね。
「それはそうとミカエルとかいう聖騎士がかなり腕の立つ奴だと聞いたぞ?先程の会議にも居たがアイツは何者だ?」
あ、それ、私に訊きます?
「私も彼の事は詳しく知りませんが何処かの田舎から出て来たと聞いています。あの男と互角に戦えたのは自分が放った技がたまたま意表を突いただけだった様ですわ」
「まあ、アバドンとの戦いについては先程本人からもそう聞いたのだが......。そういう事に今はしておくか」
何か感じるものがあるのでしょうか?ミカエル様の正体は知られないようにしないといけませんね。
「アバドンの行方についてはこちらでも探す事にする。アバドン事件に関しては今日はこれまでだ」
とりあえずホッとしましたわ。
私もバルの事や最悪バルになってしまった時の対処法がないかなど調べなくてはいけませんわね。
「王太子様、神官の様子ですが、今のところ変な動きはありません」
アレイ様がクーデター疑惑についての話題を出してきましたわ。
「そうか。引き続き捜査するように」
「私も神官様について何か分かりましたらご報告します」
私もエリアス王太子様に言いましたわ。
「ありがたい。頼んでおきながら何だが、無理はしないように」
「はい」
お話もひと段落ついたのでお茶を私が淹れましたわ。ここでは全て自分でするのです。
「すまないな。お茶を淹れてもらって」
エリアス王太子様が私にお礼を言ってお茶のカップを受け取りましたわ。
「うん。美味しい。これからここに来たらアイラ聖女が淹れてくれるお茶が飲めるのだな。頻繁に通うか」
微笑みながら私に向かって言いましたわ。その微笑みドキドキしてしまいますのでお止めくださいませね。
それから私は聖女様としての教育を受けて半年後には同期のお2人と一緒に『治癒巡業』に参加できるようになりました。
私達はまだ1番下っ端聖女なので地方までは行かず王都だけなのですが。
王都にある病院を回って医師では完治させれない方々を訪ねますの。
医師には治癒力はありません。
病気にはお薬を、怪我には塗り薬だったり軽い縫合などを施します。
骨折などは当て木などをして固定しますが上手くつながらない時もあります。
医師が施した治療で元気になる方も大勢いますがそうでない方もいます。その方達を治療しに私達が行くのですわ。
その日もユーリン様が引率してくれて私達同期3人はある病院に行きました。教会の外に出る時は沢山の聖騎士が護衛してくれます。何かあった時には安心ですわ。私は幸い戦える力がありますがエミリー聖女様とサフィー聖女様にはその様な力はありませんので。
いつも外に出る時の護衛の聖騎士の中には必ずお兄様がいますの。
これは絶対に裏で何かしていますわ。
そしてずっと私の側を離れません。護衛してくれているのは感謝しますけれどベタベタと触ってくるのはいただけませんね。
前の人生では清くて正義感があって妹思いで素晴らしい人格でしたのに何故今世ではこうなってしまったのかしら?
「やはり私が幼い頃に接し方を間違えたのかしら?」
独り言で呟いた事に対してミカエル様が反応しましたわ。
「うん。ホントそう。お前は間違えた」
呆れたような、馬鹿にしているような笑い顔で私を見ていますわ。本当のミカエル様ってかなりムカつくのですけれど。
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる