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9 クラーラと鉱山夫代表
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鉱山夫達の現状を見た後、代表と詳しい話のやり取りをした。
どうして私達が来るのがわかったのかは、鉱山夫達が身内の怪我人を看病する為、期間契約不履行中との事だった。
追われる身なので見張りを立てていた。
それでも現状を知って欲しいとかなり物騒な方法で実行に移したと謝ってくれた。
「いつもは馬車一台と後から護衛が付いている。それが今回は護衛が一緒だったから、何かしらの行動を起こす前かもしれない。そう思ったからな」
「後から護衛?」
私は不思議に思い侍女のリリーに聞くと、バート様から答えが返ってきた。
「ハンスが陰ながら護衛を付けていたのさ」
「そうだったのですね、知らなかったです」
私は全く気づいてもいなかった。
帰宅したらまずお兄様にお礼を言わなければなりませんね。
「出来れば鉱山夫として働きたいが、身内を捨てるような事は出来ない。今のままでは物資も食料も手に入れにくいからな。少しでも改善されるならそれに賭けるさ」
鉱山夫の代表は言った。
私は馬車に積んである薬剤を全て渡し、食料も半分渡した。
侍女と護衛はいい顔をしなかったが、鉱山夫から離れた所でバート様は私に優しく言ってくれた。
「クラーラ嬢は護るから怪我する事はないさ。それに緊急用の薬なら俺らも各自持っている。お前らもだろう?その大量の食料もバンデルン侯爵領までの分だろう。ハンスが手紙を書いて迎えが来るようにしてあるそうだ。大丈夫だろう」
護衛は何があるかわからない為、薬や携帯食を必ず持っているのだそうだ。
「いえ、薬や食料を渡す事には反対致しません。ただ、それによりお嬢様がロンバード男爵に嫌がらせをされないかと」
「善意でクラーラ嬢がしている事だろう?それとも鉱山から予算が渡されているのか?」
「いいえ、善意です。しかし婚約者なら当たり前だとか、気が利かない嫁は必要ない等仰るのです」
「リリー……」
「お嬢様、この際巻き込んでしまったバート様にはご事情をお話しましょう。そして協力して頂きましょう。そうでなければ思わぬ齟齬が生じますよ」
それは私がどのように婚約者の家に扱われているかを話す事だ。
流石に離れているとはいえ、鉱山夫達のいる場所で話せる内容ではない。
洞窟を出てヘインズ領の屋敷へ向かう間の馬車内で話す事になった。
バート様は黙って聞いてくれた。そして話が終わると「よく頑張ったね」と言った。
優しい目をして剣だこが目立つゴツゴツした手で頭をなでてくれた。
私は虐げ慣れていたのだろう。
ただ不思議そうにバート様を見上げていた。
どうして私達が来るのがわかったのかは、鉱山夫達が身内の怪我人を看病する為、期間契約不履行中との事だった。
追われる身なので見張りを立てていた。
それでも現状を知って欲しいとかなり物騒な方法で実行に移したと謝ってくれた。
「いつもは馬車一台と後から護衛が付いている。それが今回は護衛が一緒だったから、何かしらの行動を起こす前かもしれない。そう思ったからな」
「後から護衛?」
私は不思議に思い侍女のリリーに聞くと、バート様から答えが返ってきた。
「ハンスが陰ながら護衛を付けていたのさ」
「そうだったのですね、知らなかったです」
私は全く気づいてもいなかった。
帰宅したらまずお兄様にお礼を言わなければなりませんね。
「出来れば鉱山夫として働きたいが、身内を捨てるような事は出来ない。今のままでは物資も食料も手に入れにくいからな。少しでも改善されるならそれに賭けるさ」
鉱山夫の代表は言った。
私は馬車に積んである薬剤を全て渡し、食料も半分渡した。
侍女と護衛はいい顔をしなかったが、鉱山夫から離れた所でバート様は私に優しく言ってくれた。
「クラーラ嬢は護るから怪我する事はないさ。それに緊急用の薬なら俺らも各自持っている。お前らもだろう?その大量の食料もバンデルン侯爵領までの分だろう。ハンスが手紙を書いて迎えが来るようにしてあるそうだ。大丈夫だろう」
護衛は何があるかわからない為、薬や携帯食を必ず持っているのだそうだ。
「いえ、薬や食料を渡す事には反対致しません。ただ、それによりお嬢様がロンバード男爵に嫌がらせをされないかと」
「善意でクラーラ嬢がしている事だろう?それとも鉱山から予算が渡されているのか?」
「いいえ、善意です。しかし婚約者なら当たり前だとか、気が利かない嫁は必要ない等仰るのです」
「リリー……」
「お嬢様、この際巻き込んでしまったバート様にはご事情をお話しましょう。そして協力して頂きましょう。そうでなければ思わぬ齟齬が生じますよ」
それは私がどのように婚約者の家に扱われているかを話す事だ。
流石に離れているとはいえ、鉱山夫達のいる場所で話せる内容ではない。
洞窟を出てヘインズ領の屋敷へ向かう間の馬車内で話す事になった。
バート様は黙って聞いてくれた。そして話が終わると「よく頑張ったね」と言った。
優しい目をして剣だこが目立つゴツゴツした手で頭をなでてくれた。
私は虐げ慣れていたのだろう。
ただ不思議そうにバート様を見上げていた。
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