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45 ヘインズ子爵から見たもう一つの出来事4
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喚くロンバード男爵の言葉は、何度も同じ事を繰り返している。
私なら見つけ出せる筈、見つかる筈なのに見当たらない。
絶対にあるはずなのだ、間違えていない等々鉱山での詳しい仕事内容を早口でまくし立てた。
先程、人跡未踏の険しい岩壁地帯にある可能性を自分で言っておきながら、それすら忘れたようにひたすら喚く壊れた姿はおぞましく冷や汗が出た。
「堂々巡りだな」
ぽつりとバンデルン侯爵が呟いた。
この様な事はよくあるのか、全く動じていない侯爵に私は感心した。
「結局、既に出来もしないとわかった結果を認められず、矛盾を抱えても消化しきれない。代わりにそのプライドを満たす道具に金を欲したか」
あの改ざんされた帳簿は、男爵本人の願望と欲をすりあわせた結果か。
焦点があっていない男爵の虚ろな目が、ぼんやりと侯爵を見た。
「あんただって困るだろう?鉱石が見つからないと困るだろう?隣国との共同事業に必ず必要な筈だ。鉱脈を見つけ出して私は子爵、いや伯爵になりこの地方を治めるのだ。私なら出来る、そう私しか出来ないのだ。そして侯爵となる事は決まっている事なのだ」
国の中でこの近隣の編制が一番遅れていた。
微妙なのだ、経済圏も商業圏も何もかも。
どこに編制されても端になり、大きく将来の発展は望めない。
だがもし、鉄鉱石より硬い鉱石の鉱脈が見つかっていたら?
このヘインズ子爵領を中心に、この地域を纏めあげる事も出来たかもしれない。
まだ名もなき不思議な金の光沢のある鉱石は、既に陛下に献上され、鉱脈が見つかり次第陛下より直々に名を賜る名誉が決まっていた。
周りの妬みを買う程に、それ程重要視されていたのだ。
下位貴族にとって、ありえない名誉が手の届く所にあった。
そして実際目の前には侯爵になった成功者がいる。
男爵の目には既に私は亡き者となり、実権を握った架空の未来が広がっていたのだろう。
侯爵は首を振り、ロンバード男爵にとっての絶望を告げた。
「もう必要ない。隣国で代わりとなる鉱石の加工に成功した。こちら程の強度はないが今回の共同事業では充分だ」
侯爵の言葉は男爵を一瞬で正気に戻したのか。
男爵は目を見開き、そして震え出した。
「……そんな……そんなはずは……ない。唯一、唯一無二の筈なのだ」
「国の事業にまだ見ぬ唯一などある訳が無い。第二第三の候補を予め考えておくものだ。それでも十年時間を与えられていた。男爵、貴様は充分やった。成果の代わりに不正を行い私腹を肥やす。もう充分だろう」
怯える男爵に、侯爵は淡々と告げた。
私なら見つけ出せる筈、見つかる筈なのに見当たらない。
絶対にあるはずなのだ、間違えていない等々鉱山での詳しい仕事内容を早口でまくし立てた。
先程、人跡未踏の険しい岩壁地帯にある可能性を自分で言っておきながら、それすら忘れたようにひたすら喚く壊れた姿はおぞましく冷や汗が出た。
「堂々巡りだな」
ぽつりとバンデルン侯爵が呟いた。
この様な事はよくあるのか、全く動じていない侯爵に私は感心した。
「結局、既に出来もしないとわかった結果を認められず、矛盾を抱えても消化しきれない。代わりにそのプライドを満たす道具に金を欲したか」
あの改ざんされた帳簿は、男爵本人の願望と欲をすりあわせた結果か。
焦点があっていない男爵の虚ろな目が、ぼんやりと侯爵を見た。
「あんただって困るだろう?鉱石が見つからないと困るだろう?隣国との共同事業に必ず必要な筈だ。鉱脈を見つけ出して私は子爵、いや伯爵になりこの地方を治めるのだ。私なら出来る、そう私しか出来ないのだ。そして侯爵となる事は決まっている事なのだ」
国の中でこの近隣の編制が一番遅れていた。
微妙なのだ、経済圏も商業圏も何もかも。
どこに編制されても端になり、大きく将来の発展は望めない。
だがもし、鉄鉱石より硬い鉱石の鉱脈が見つかっていたら?
このヘインズ子爵領を中心に、この地域を纏めあげる事も出来たかもしれない。
まだ名もなき不思議な金の光沢のある鉱石は、既に陛下に献上され、鉱脈が見つかり次第陛下より直々に名を賜る名誉が決まっていた。
周りの妬みを買う程に、それ程重要視されていたのだ。
下位貴族にとって、ありえない名誉が手の届く所にあった。
そして実際目の前には侯爵になった成功者がいる。
男爵の目には既に私は亡き者となり、実権を握った架空の未来が広がっていたのだろう。
侯爵は首を振り、ロンバード男爵にとっての絶望を告げた。
「もう必要ない。隣国で代わりとなる鉱石の加工に成功した。こちら程の強度はないが今回の共同事業では充分だ」
侯爵の言葉は男爵を一瞬で正気に戻したのか。
男爵は目を見開き、そして震え出した。
「……そんな……そんなはずは……ない。唯一、唯一無二の筈なのだ」
「国の事業にまだ見ぬ唯一などある訳が無い。第二第三の候補を予め考えておくものだ。それでも十年時間を与えられていた。男爵、貴様は充分やった。成果の代わりに不正を行い私腹を肥やす。もう充分だろう」
怯える男爵に、侯爵は淡々と告げた。
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