403 / 512
第二十五章 兄弟と兄妹
(30)
しおりを挟む
「まあ! それとこれとは話が別よ!」
僕の言葉を聞いて、男爵の血相が変わる。
「いい? アナタは知らないかもしれないけれど、このロードラント王国で万が一でも兄妹で情交――つまりエッチなことしたのがバレたら、下手すりゃ二人とも極刑――つまり死罪なのよ、死罪!」
「えーーーっ!」
僕はびっくりして、また大きな声を上げてしまった
「そんなバカな! それぐらいで死刑だなんて、いくらなんでも酷いんじゃないですか!」
「んもうユウちゃんったら、また大声出して! ――まあ驚くなって言う方が無理かもしれないけどさ。けれど、これにはちゃんとした理由があるのよ」
「理由、ですか?」
「そう。それはあまりに遠い過去の話で、今では半ば伝説になっているお話なんだけれど……昔々、ロードラント王室に三人の兄-----妹――二人の兄に一人の妹が生まれたの」
と、男爵はいきなり昔語りを始めた。
「――で、いろんなエピソードがあって、やがて兄たちは神をも倒せるぐらい逞しく、また妹は悪魔を魅了させるほど美しく成長したの」
「あ、その話、だいたいオチが分かります」
話が長くなりそうなので、僕はそこで口をはさんだ。
「その兄二人が、美しい妹に懸想してしまって、国を二分して争ったんですね」
「もう! 全部言っちゃわないでよ!」
男爵はむくれて僕をにらむ。
「ま、実際その通りなんだけどさ。とにかくそれで、ロードラント王国はあわや滅亡寸前まで追い詰められちゃったの。で、その時以来、この国では兄妹間の恋愛は禁忌でご法度、許されざる罪ってわけ」
「へえー。それで、結局その兄二人と妹の物語はどういう結末を迎えたんですか?」
「あ、それはね……」
と、男爵が言いかけたその時。
廊下の方で、男の大声が聞こえた。
「男爵様! 男爵様! どちらにおいでで――!?」
あの鋭く響く声は、エリックだ。
やけに緊迫している様子だが、いったいどうしたのだろう?
そう思って、ドアを開けようとすると――
「男爵様、敵襲です! まもなくこの城は敵に囲まれますぜ!」
と、エリックが叫んだのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
こうしてまた、デュロワ城包囲戦という、新たな戦いが始まろうとしていた。
そして囚われのリナ――
僕はいったいいつ、彼女の救出に向かうことができるのだろうか?
僕の言葉を聞いて、男爵の血相が変わる。
「いい? アナタは知らないかもしれないけれど、このロードラント王国で万が一でも兄妹で情交――つまりエッチなことしたのがバレたら、下手すりゃ二人とも極刑――つまり死罪なのよ、死罪!」
「えーーーっ!」
僕はびっくりして、また大きな声を上げてしまった
「そんなバカな! それぐらいで死刑だなんて、いくらなんでも酷いんじゃないですか!」
「んもうユウちゃんったら、また大声出して! ――まあ驚くなって言う方が無理かもしれないけどさ。けれど、これにはちゃんとした理由があるのよ」
「理由、ですか?」
「そう。それはあまりに遠い過去の話で、今では半ば伝説になっているお話なんだけれど……昔々、ロードラント王室に三人の兄-----妹――二人の兄に一人の妹が生まれたの」
と、男爵はいきなり昔語りを始めた。
「――で、いろんなエピソードがあって、やがて兄たちは神をも倒せるぐらい逞しく、また妹は悪魔を魅了させるほど美しく成長したの」
「あ、その話、だいたいオチが分かります」
話が長くなりそうなので、僕はそこで口をはさんだ。
「その兄二人が、美しい妹に懸想してしまって、国を二分して争ったんですね」
「もう! 全部言っちゃわないでよ!」
男爵はむくれて僕をにらむ。
「ま、実際その通りなんだけどさ。とにかくそれで、ロードラント王国はあわや滅亡寸前まで追い詰められちゃったの。で、その時以来、この国では兄妹間の恋愛は禁忌でご法度、許されざる罪ってわけ」
「へえー。それで、結局その兄二人と妹の物語はどういう結末を迎えたんですか?」
「あ、それはね……」
と、男爵が言いかけたその時。
廊下の方で、男の大声が聞こえた。
「男爵様! 男爵様! どちらにおいでで――!?」
あの鋭く響く声は、エリックだ。
やけに緊迫している様子だが、いったいどうしたのだろう?
そう思って、ドアを開けようとすると――
「男爵様、敵襲です! まもなくこの城は敵に囲まれますぜ!」
と、エリックが叫んだのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
こうしてまた、デュロワ城包囲戦という、新たな戦いが始まろうとしていた。
そして囚われのリナ――
僕はいったいいつ、彼女の救出に向かうことができるのだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
地球上で、密かに最強決定戦の幕が上がる。
久遠 れんり
ファンタジー
5年前。
わずか地球と月との半分程度。20万キロの距離をかすめて、飛び去った彗星。
その直径は数キロと予測され公転周期は数万年。
その彗星は、氷のコアから、何かを地球に振りまき、静かに去っていった。
太陽方向から来たため、発見が遅れ。
それはそれで、大騒ぎとなったが、その後……。
予測もしなかった、事態が起こり始める。
その事態は、些細なもの。
生きとし生けるものの、強制進化。
僕。斉藤総(さとし)高校2年生。
身長171cm。
成績並びに運動は中の下。
カテゴリーは、モブである。
顔は、悪くないと思うが、世間は僕と美的感覚が違うのだろう。
まだプロット作成中。ですが、今のところ完全ラブコメですね。
不定期更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる