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第三十章 決死行
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セルジュはもう一度、微妙に音程を変えて口笛を吹いた。
その瞬間、ロムルスは唸り声を上げるのを止め、セルジュの元へ走っていき、従順に“伏せ”のポーズをした。
極悪で手の付けられない悪童ではあるが、獰猛な野生のサーベルタイガーをここまで飼い慣らしてしまうのだから、セルジュは猛獣使いとしては超一流なのだ。
セルジュは伏せをするロムルスの背中にびょんと飛び乗ると、余裕しゃくしゃくに言った。
「間抜けども、囲まれてることにやっと気づいたみたいだな。その通りだよ。お前たちのために、ビーストマスター・セルジュさまの名に恥じない百鬼夜行の魑魅魍魎、ありとあらゆる最強のモンスターを揃えておいてやったんだ」
セルジュは調子に乗ったのか、つい口を滑らした。
「なぜこんな辛気臭い森で待ち伏せしてたかって? まあ、今までお前たちに色々やられた恨みももちろんあるけど、実はあのヒルダとかいうババアの魔女にも頼まれちってね。侵入者が来たら足止めしてなんなら殺しちゃっていいって言うんだ。あ、もちろんタダじゃねえ、報酬は女でも金でも権力でも思いのままだってさ」
「……セルジュ、あんたつくづくクズね。しかもヒルダと通じていたなんて――」
「おっと、それはお互い様だろ。姉貴もあのババアにそそのかされてロードラントに喧嘩売ったんだからな。ほんとバカだよな。勝てるわけねーのに親父を殺された恨みでイーザ全体を巻き込んでさ。しかしさ、おやじもおやじで間抜けだよな。ロードラントに呼ばれたからってノコノコ出ていくなんて――」
「もういい!! あんただけにはパパの悪口は言われたくない!」
セルジュが父親の話題に触れた途端、セフィーゼが激怒して叫んだ。
が、セルジュはへらへらと笑い返す。
この二人、双子だというのに性格は正反対だ。
「おー怖-な。じゃあ、いったいどうするつもりだよ、クソ姉貴よ」
「言うませもないわ。イーザの長として――セルジュ、あなたを粛清する!!」
「粛清だあ? ケケケ冗談キツイぜ。とっくに族長の地位は追われてるくせに何ぬかしてんだよ。まあいいか、もとよりこっちも全員生かしておく気はないし、こっから先にも進めさせるわけにもいかねーしな」
双子の姉弟の間の生死を賭けた戦いはもはや不可避――
と、思われたその時、それまで黙っていたミュゼットが、ぽんとセフーゼの肩を叩いた。
「だめだよセフィーゼ。ダメ」
「え?」
驚くセフィーゼに、ミュゼットが言った。
「血の繋がった双子が殺しあうなんて、たとえどんな理由があっても許されることじゃない。たとえ相手を倒したとしてもそれは悲劇でしかないよ」
「いいえ、どんな結果になろうとこれは私自身の問題。私が決着を付けなきゃいけないことなの」
「その気持ちは分かるけど、ボクたちにはあの子を助けるという任務があることを忘れないで。そして今はそっちの使命の方が優先でしょ?」
「それは――!」
「いいからここはボクに任して」
と、ミュゼットは胸を叩いて言った。
「サーベルタイガーみたいな獣系のモンスターが嫌がるのが炎。セフィーゼの風魔法よりもボクの火の魔法の方がきっと有利に戦えるんだから」
「で、でも!」
「さあもう時間がないよ。この先きっとユウトにはセフィーゼの力が必要になるから。ね、だからユウトと一緒に急いで。――それでいいよね、ユウト」
確かにここで血みどろの姉弟喧嘩に巻き込まれていたら、絶対にタイムアウトでゲームオーバー。
そうならないためにも、ここはミュゼットに任せた方がいい。
彼女ほどの魔法騎士なら、どんなモンスターにだってそう簡単にはやられないはずだし、セルジュ自身はたぶんそんなに強くない。
今はヒルダを倒し、リナを救い出すことが先決なのだ。
「ああ、ミュゼット、頼む!」
僕に向かってミュゼットは「OK」とうなずくと、ズンズン前へ進んでセルジュと向き合って言った。
「というわけで、キミの相手はこのボクだ」
「はぁ、おれはセフィーゼと話してんのになにしゃしゃり出てきてんだ――っててめえ、オレのかわいいワイバーンたちをバンバンに撃ち落としてくれた魔法使いのメスガキじゃねえか!」
「へぇー、あの距離からでもボクのこと見えてたんだ」
「あたぼうよ。オレの視力は狩りをする鷹なみだからな。しかしここでリベンジできるとは思わなかったぜ――んん?」
そこまで話してセルジュは顔をしかめ、疑るような目でミュゼットをじっくり観察し、そして言った。
「おまえ……女じゃない。男だろ?」
「へーよく分かったね」
言い当てられたセフィーゼは少し驚いて言った。
「いきなり合ってボクが男だと見抜いたのはキミが初めてかもしんない」
「オレはな、目が良いだけじゃない。サーベルタイガー並みに鼻もきくんだ」
「鼻? においで性別がわかんの?」
「おまえ、精子臭い」
「は、はあ――!?」
「だからパンパンの金〇から精子の匂いが漂ってくるんだよ。さてはおまえ、欲求不満でかなり溜まってんだろ」
「な、なに言ってんの?」
「隠しても無駄だぜ。でもさ、あいにくオレは男には興味ないんだよ。お前みたいな上玉が女だったら絶対に一発やってから殺すんだがな、まったく残念――」
「ゆ、許せない……!」
セルジュの極めて品性お下劣な発言の数々に、ミュゼットの顔は怒りで真っ赤になった。
「誇り高きロードラントの王の騎士に向かって――子供だから手加減してあげようかと思ったけど、もう容赦しないから!!」
ミュゼットの全身から、炎のオーラがマグマのように燃えたぎる。
しかしセルジュは相変わらず人を食った態度で言った。
「おいおい、オレはお前だけを相手にしているわけにはいかねンだよ。そっちにいる二人もキッチリ始末しておかないとな」
「あんまりボクを舐めない方がいいよ。そんなこと、させないから!!」
ミュゼットが叫び、魔法を唱えた。
『炎の壁!!』
たちまち森の中の草原に火が上がり、辺りに数秒で炎の壁が形成される。
この状況はあの時と同じ――
その瞬間、ロムルスは唸り声を上げるのを止め、セルジュの元へ走っていき、従順に“伏せ”のポーズをした。
極悪で手の付けられない悪童ではあるが、獰猛な野生のサーベルタイガーをここまで飼い慣らしてしまうのだから、セルジュは猛獣使いとしては超一流なのだ。
セルジュは伏せをするロムルスの背中にびょんと飛び乗ると、余裕しゃくしゃくに言った。
「間抜けども、囲まれてることにやっと気づいたみたいだな。その通りだよ。お前たちのために、ビーストマスター・セルジュさまの名に恥じない百鬼夜行の魑魅魍魎、ありとあらゆる最強のモンスターを揃えておいてやったんだ」
セルジュは調子に乗ったのか、つい口を滑らした。
「なぜこんな辛気臭い森で待ち伏せしてたかって? まあ、今までお前たちに色々やられた恨みももちろんあるけど、実はあのヒルダとかいうババアの魔女にも頼まれちってね。侵入者が来たら足止めしてなんなら殺しちゃっていいって言うんだ。あ、もちろんタダじゃねえ、報酬は女でも金でも権力でも思いのままだってさ」
「……セルジュ、あんたつくづくクズね。しかもヒルダと通じていたなんて――」
「おっと、それはお互い様だろ。姉貴もあのババアにそそのかされてロードラントに喧嘩売ったんだからな。ほんとバカだよな。勝てるわけねーのに親父を殺された恨みでイーザ全体を巻き込んでさ。しかしさ、おやじもおやじで間抜けだよな。ロードラントに呼ばれたからってノコノコ出ていくなんて――」
「もういい!! あんただけにはパパの悪口は言われたくない!」
セルジュが父親の話題に触れた途端、セフィーゼが激怒して叫んだ。
が、セルジュはへらへらと笑い返す。
この二人、双子だというのに性格は正反対だ。
「おー怖-な。じゃあ、いったいどうするつもりだよ、クソ姉貴よ」
「言うませもないわ。イーザの長として――セルジュ、あなたを粛清する!!」
「粛清だあ? ケケケ冗談キツイぜ。とっくに族長の地位は追われてるくせに何ぬかしてんだよ。まあいいか、もとよりこっちも全員生かしておく気はないし、こっから先にも進めさせるわけにもいかねーしな」
双子の姉弟の間の生死を賭けた戦いはもはや不可避――
と、思われたその時、それまで黙っていたミュゼットが、ぽんとセフーゼの肩を叩いた。
「だめだよセフィーゼ。ダメ」
「え?」
驚くセフィーゼに、ミュゼットが言った。
「血の繋がった双子が殺しあうなんて、たとえどんな理由があっても許されることじゃない。たとえ相手を倒したとしてもそれは悲劇でしかないよ」
「いいえ、どんな結果になろうとこれは私自身の問題。私が決着を付けなきゃいけないことなの」
「その気持ちは分かるけど、ボクたちにはあの子を助けるという任務があることを忘れないで。そして今はそっちの使命の方が優先でしょ?」
「それは――!」
「いいからここはボクに任して」
と、ミュゼットは胸を叩いて言った。
「サーベルタイガーみたいな獣系のモンスターが嫌がるのが炎。セフィーゼの風魔法よりもボクの火の魔法の方がきっと有利に戦えるんだから」
「で、でも!」
「さあもう時間がないよ。この先きっとユウトにはセフィーゼの力が必要になるから。ね、だからユウトと一緒に急いで。――それでいいよね、ユウト」
確かにここで血みどろの姉弟喧嘩に巻き込まれていたら、絶対にタイムアウトでゲームオーバー。
そうならないためにも、ここはミュゼットに任せた方がいい。
彼女ほどの魔法騎士なら、どんなモンスターにだってそう簡単にはやられないはずだし、セルジュ自身はたぶんそんなに強くない。
今はヒルダを倒し、リナを救い出すことが先決なのだ。
「ああ、ミュゼット、頼む!」
僕に向かってミュゼットは「OK」とうなずくと、ズンズン前へ進んでセルジュと向き合って言った。
「というわけで、キミの相手はこのボクだ」
「はぁ、おれはセフィーゼと話してんのになにしゃしゃり出てきてんだ――っててめえ、オレのかわいいワイバーンたちをバンバンに撃ち落としてくれた魔法使いのメスガキじゃねえか!」
「へぇー、あの距離からでもボクのこと見えてたんだ」
「あたぼうよ。オレの視力は狩りをする鷹なみだからな。しかしここでリベンジできるとは思わなかったぜ――んん?」
そこまで話してセルジュは顔をしかめ、疑るような目でミュゼットをじっくり観察し、そして言った。
「おまえ……女じゃない。男だろ?」
「へーよく分かったね」
言い当てられたセフィーゼは少し驚いて言った。
「いきなり合ってボクが男だと見抜いたのはキミが初めてかもしんない」
「オレはな、目が良いだけじゃない。サーベルタイガー並みに鼻もきくんだ」
「鼻? においで性別がわかんの?」
「おまえ、精子臭い」
「は、はあ――!?」
「だからパンパンの金〇から精子の匂いが漂ってくるんだよ。さてはおまえ、欲求不満でかなり溜まってんだろ」
「な、なに言ってんの?」
「隠しても無駄だぜ。でもさ、あいにくオレは男には興味ないんだよ。お前みたいな上玉が女だったら絶対に一発やってから殺すんだがな、まったく残念――」
「ゆ、許せない……!」
セルジュの極めて品性お下劣な発言の数々に、ミュゼットの顔は怒りで真っ赤になった。
「誇り高きロードラントの王の騎士に向かって――子供だから手加減してあげようかと思ったけど、もう容赦しないから!!」
ミュゼットの全身から、炎のオーラがマグマのように燃えたぎる。
しかしセルジュは相変わらず人を食った態度で言った。
「おいおい、オレはお前だけを相手にしているわけにはいかねンだよ。そっちにいる二人もキッチリ始末しておかないとな」
「あんまりボクを舐めない方がいいよ。そんなこと、させないから!!」
ミュゼットが叫び、魔法を唱えた。
『炎の壁!!』
たちまち森の中の草原に火が上がり、辺りに数秒で炎の壁が形成される。
この状況はあの時と同じ――
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