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第二章 白い家
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そのあと、瑠央と姫奈はコーヒーショップを出た。会計の際、瑠央と仲良く並んでいる姫奈を女性店員が湿った目で見つめてくる。
それを見て瑠央は思う。
この店員は、まさか目の前の仲睦まじい男女が、兄妹だとは露ほども思っていないだろうと。瑠央も姫奈も美形だとよく言われるが、容姿自体はあまり似てはいなかった。
他所から見る事象と現実は、マリアナ海峡ほどの乖離があるのが常なのだ。
二人は店を出た足で、イオンモールの二階へと上った。手を繋ぎ、服屋やアクセサリーショップ見て回る。お互い、話したいことは山ほどあった。色々な話題に切り替えながら、会話が盛り上がっていく。
久しぶりの『デート』は、とても楽しかった。乾いた大地に水が染み渡るかのようで、心が瑞々しく満たされていくのが実感できた。
姫奈も同じ気持ちを抱いているらしく、向日葵のように、可憐な笑顔を振り撒いていた。
やがて、冷やかしのウィンドウショッピングは終わりを迎えた。二人はイオンモールを出ることにする。仲良く手を繋いだまま、入ってきた正面玄関から外へと出た。
イオンモールを出ると、二人は横断歩道を渡り、西新井の駅へと向かう。ここにやってきた時とは反対で、逆走する形だ。
瑠央と姫奈は、そのまま駅へと入り、反対側の西口へと向かった。西口のほうが店舗など色々と栄えているのだ。
本来なら、もっと都心近くで『デート』をしたかったが、この足立区こそが、二人が会うための中間地点として都合が良い場所であった。瑠央の住む千代田区では、どうしても父親や関係者と遭遇するリスクがあるし、姫なの住む大宮でも似たようなものだった。
だからといって、妙に離れた場所だと、どちらかに負担がかかってしまう。必然的に、中間地点のこの場所が選択肢として候補に挙がるのだ。
二人は手を繋いだまま西口から出て、ロータリーを渡ろうする。そこで、誰かが背後から声をかけてきた。声の性質からして、中年女性のものらしい。
「ちょっとごめんなさい。あなたたちカップル? 二人ともモデルみたいに素敵ね」
瑠央と姫奈は同時に振り返る。背後には、小奇麗なスーツを着た中年女性が立っていた。
「あなたは……?」
瑠央は警戒した。もしかすると、父が雇った『監視』かもしれない。周りに大勢人がいる中、わざわざピンポイントで二人に声をかけてきたのだから。
瑠央の表情から警戒心を察したのか、女性は、口に手を当てはっとした顔をする。
「あら、ごめんなさい。私、こういう者です」
女性は懐から名刺を取り出し、こちらに差し出した。覗き込んで見てみると、平凡な名前の横に、変わった社名が記載されていることが確認できる。
「私、品川区にある芸能事務所のマネージャーなんです。あなたたちを見て、声をかけました。お二人の容姿なら、芸能界やモデルでもやっていけると思います。私の事務所にきませんか?」
どうやら芸能事務所のスカウトらしい。つまり、父の関係者ではないということだ。瑠央はほっと胸を撫で下ろす。
「あななたちほどの容姿端麗な人はなかなかいないわ。今ままでも沢山モテてきたでしょうね」
スカウトの女性は、心底感心したように言う。瑠央と姫奈は顔を見合わせた。
確かに、自分も姫奈もとてもモテる人間だ。ラブレターなども数え切れないほど貰ってきた。
だが、自分たちにとって、そんなものは何の価値もなかった。だって、二人にとって、大切なのは、お互いのみなのだから。
瑠央は頭を下げる。
「ごめんなさい。こうして将来を誓い合った大切な人がいるんです。だから、芸能界には入れません」
姫奈と繋いだ手を掲げながら、瑠央はきっぱりと断った。
「恋人と交際していることを隠して活動してもいいのよ。そうしている人、一杯いるわ」
スカウトの女性は食い下がるが、二人の気持ちは変わらない。
瑠央は事実を述べた。
「僕たち、兄妹なんです」
「え?」
女性は目を丸くする。
「兄妹? さっき将来を誓い合ったって……」
「はいそうなんです。僕たちは兄妹で、将来結婚して、家庭を持つつもりなんです。だから、目立つ行動は父に見つかっちゃいます」
そしてもう一度頭を下げると、珍獣でも目撃したかのようにポカンとした表情の女性を残したまま、その場を離れた。
ビルの角を曲がり、女性の姿が見えなくなったところで、瑠央と姫奈は同時に吹き出した。人目も憚らず、笑い合う。
「見た? あの人の顔」
「まさか俺たちが兄妹なんて思ってもいなかっただろうな」
そう。コーヒーショップの店員といい、先ほどのスカウトの中年女性といい、誰も瑠央と姫奈を兄妹とは思っていなかった。
彼女たちだけではない。すれ違う人々も同じのはずだ。二人の容姿に惹かれて目をやる人が多いが、兄妹と勘付く者は皆無だろう。
通常の兄妹は、仲睦まじく手を繋いだり、身を寄せ合ったりはしないのだ。それをやるのは『恋人』同士なのだから。
ましてや、口付けなどは持っての他だろう。
二人はひとしきり笑い合うと、やがて向き合った。お互い、気持ちが昂ぶっていることを実感する。
二人は周りの様子をうかがい、そっとキスを行った。甘い感触。昔から――子供の時から――知っている妹の唇の味。
二人は貪るようにキスを続けた。
それから二人は、ここからすぐの栄町にあるショッピングモールへ向かうことにした。
西新井駅の西口にアクセスしているさくら参道へと入り、交差点を渡ったあと、車道に沿うようにして進む。
ここが駅近くであり、マンションなどが立ち並ぶ住宅街であることもあいまってか、人通りも多かった。家族連れや若いカップルが目立つ。
お喋りしながら歩道を歩いている最中、姫奈が唐突に、一軒の店舗の前で立ち止まった。そこは何の変哲もない不動産会社だった。通行人に向け、ショーウィンド越しにいくつもの物件を提示している。
そのうちの一つに、姫奈は興味を惹かれたらしい。じっと見つめている。展示されている洋服に目を止めた女の子のような反応だ。
「どうした?」
瑠央が訊くと、姫奈はショーウィンドウの一角を指差した。
「この家、素敵だなって思って」
姫奈の指先を追って、示された対象を見てみる。そこには、一軒の家屋が写真付きで紹介されていた。
「これって……」
洋風の白い家。北欧デザインであり、広い窓と、絵本に出てきそうな三角の屋根が特徴的のお洒落な家である。
「その家がどうしたんだ?」
瑠央は質問した。確かに姫奈が言うとおり、素敵な家だが、わざわざ足を止めてまで見るほどの何かがあるとは思えなかった。紹介物件の所在地も東京から遠く、仙台地方の端っこであり、気軽に見にいける場所ではなかった。
仙台の物件が東京の不動産会社に提示されている理由は、おそらく、この会社は全国規模の不動産屋であり、中々売れないあぶれた物件を処理したいため、わざわざ首都圏で紹介を行っているのだろうと思われた。
「私ね、前からこんな家に住むのが夢だったんだ」
「この白い家に?」
瑠央は怪訝に思って、質問する。初耳だったし、意図がよくわからなかった。
「うん。海が見える丘の上に、ぽつんと一軒だけ建っている白い家。そんな場所でお兄ちゃんと一緒に暮らしたいなって」
姫奈の考えがわかり、瑠央は頷いた。
「そういうことね。でも、けっこうベタなシチュエーションじゃないか? ドラマとかでありそうな」
瑠央が茶化すと、姫奈は頬を膨らませた。
「だから素敵なの! もういい。行こう」
姫奈は瑠央の手を引っ張り、強引に歩き出した。このままでは引き相撲になってしまうため、瑠央は仕方なく姫奈に着いていく。
どうやら、少し不機嫌にさせてしまったらしい。瑠央は、己の失着を心の中で悟った。
姫奈は子供のように拗ねたまま、無言で歩く。瑠央はその姫奈に対し、必死になって弁明した。茶化して悪かったことや、姫奈が言及した『白い家』が瑠央にとっても素敵に映ったことなどを述べる。
やがて、目的のショッピングモールが見えてきたところで、姫奈はようやく機嫌を取り戻したようだ。普段通りの明るい振る舞いをみせてくる。
瑠央はほっとしつつ、再び機嫌を損ねたら敵わないので、先ほどの『白い家』のことは、しばらくの間、記憶に留めておこうと誓った。
栄町のショッピングモールで、早めの夕食を済ませたあと、二人は少し離れた所にあるラブホテルを目指した。
本来は、もっと色々楽しみたかったが、あまり遅くなると、父や祖父母から勘付かれる恐れがあるため、帰宅は早めでなければならない。もうあまり時間がないので、本日メインの『イベント』に移ることにする。
ラブホテルに入り、チェックインを行う。瑠央と姫奈は共に高校生であるため、ラブホテルの利用は違法なのだが、ここは受付が無人なので、問題はなかった。
それに、二人とも実年齢より大人びているため、人に目撃されても誤魔化せる可能性のほうが高かった。
姫奈がパネルから部屋を選び、瑠央が料金を支払う。そして、エレベーターで上階へ昇った。他の客とのバッティングを避ける造りであるため、ここまで他者と接触することはなかった。
二人は腕を絡ませて寄り添いながら、廊下を歩く。そして、姫奈が選んだ部屋へと入った。
内部は、ピンクを基調とした可愛らしい部屋だった。ベッドもピンクのハート型で、姫奈の好みを表していた。
瑠央は、部屋に入るなり、姫奈を抱き寄せ、首筋にキスをする。姫奈は震えるように小さく吐息を漏らす。
唇を離し、瑠央は姫奈に言う。
「シャワーを浴びよう」
本心は、そのままの勢いで姫奈をベッドへと誘導し、押し倒したかったが、手順は大切だ。
「うん」
姫奈は頷き、二人で一緒に浴室へ行く。
お互い、じゃれ合いつつ、服を脱がす。すでに瑠央の股間は固く硬直していた。
久しぶりの妹とのセックスだ。楽しみでならなかった。
それを見て瑠央は思う。
この店員は、まさか目の前の仲睦まじい男女が、兄妹だとは露ほども思っていないだろうと。瑠央も姫奈も美形だとよく言われるが、容姿自体はあまり似てはいなかった。
他所から見る事象と現実は、マリアナ海峡ほどの乖離があるのが常なのだ。
二人は店を出た足で、イオンモールの二階へと上った。手を繋ぎ、服屋やアクセサリーショップ見て回る。お互い、話したいことは山ほどあった。色々な話題に切り替えながら、会話が盛り上がっていく。
久しぶりの『デート』は、とても楽しかった。乾いた大地に水が染み渡るかのようで、心が瑞々しく満たされていくのが実感できた。
姫奈も同じ気持ちを抱いているらしく、向日葵のように、可憐な笑顔を振り撒いていた。
やがて、冷やかしのウィンドウショッピングは終わりを迎えた。二人はイオンモールを出ることにする。仲良く手を繋いだまま、入ってきた正面玄関から外へと出た。
イオンモールを出ると、二人は横断歩道を渡り、西新井の駅へと向かう。ここにやってきた時とは反対で、逆走する形だ。
瑠央と姫奈は、そのまま駅へと入り、反対側の西口へと向かった。西口のほうが店舗など色々と栄えているのだ。
本来なら、もっと都心近くで『デート』をしたかったが、この足立区こそが、二人が会うための中間地点として都合が良い場所であった。瑠央の住む千代田区では、どうしても父親や関係者と遭遇するリスクがあるし、姫なの住む大宮でも似たようなものだった。
だからといって、妙に離れた場所だと、どちらかに負担がかかってしまう。必然的に、中間地点のこの場所が選択肢として候補に挙がるのだ。
二人は手を繋いだまま西口から出て、ロータリーを渡ろうする。そこで、誰かが背後から声をかけてきた。声の性質からして、中年女性のものらしい。
「ちょっとごめんなさい。あなたたちカップル? 二人ともモデルみたいに素敵ね」
瑠央と姫奈は同時に振り返る。背後には、小奇麗なスーツを着た中年女性が立っていた。
「あなたは……?」
瑠央は警戒した。もしかすると、父が雇った『監視』かもしれない。周りに大勢人がいる中、わざわざピンポイントで二人に声をかけてきたのだから。
瑠央の表情から警戒心を察したのか、女性は、口に手を当てはっとした顔をする。
「あら、ごめんなさい。私、こういう者です」
女性は懐から名刺を取り出し、こちらに差し出した。覗き込んで見てみると、平凡な名前の横に、変わった社名が記載されていることが確認できる。
「私、品川区にある芸能事務所のマネージャーなんです。あなたたちを見て、声をかけました。お二人の容姿なら、芸能界やモデルでもやっていけると思います。私の事務所にきませんか?」
どうやら芸能事務所のスカウトらしい。つまり、父の関係者ではないということだ。瑠央はほっと胸を撫で下ろす。
「あななたちほどの容姿端麗な人はなかなかいないわ。今ままでも沢山モテてきたでしょうね」
スカウトの女性は、心底感心したように言う。瑠央と姫奈は顔を見合わせた。
確かに、自分も姫奈もとてもモテる人間だ。ラブレターなども数え切れないほど貰ってきた。
だが、自分たちにとって、そんなものは何の価値もなかった。だって、二人にとって、大切なのは、お互いのみなのだから。
瑠央は頭を下げる。
「ごめんなさい。こうして将来を誓い合った大切な人がいるんです。だから、芸能界には入れません」
姫奈と繋いだ手を掲げながら、瑠央はきっぱりと断った。
「恋人と交際していることを隠して活動してもいいのよ。そうしている人、一杯いるわ」
スカウトの女性は食い下がるが、二人の気持ちは変わらない。
瑠央は事実を述べた。
「僕たち、兄妹なんです」
「え?」
女性は目を丸くする。
「兄妹? さっき将来を誓い合ったって……」
「はいそうなんです。僕たちは兄妹で、将来結婚して、家庭を持つつもりなんです。だから、目立つ行動は父に見つかっちゃいます」
そしてもう一度頭を下げると、珍獣でも目撃したかのようにポカンとした表情の女性を残したまま、その場を離れた。
ビルの角を曲がり、女性の姿が見えなくなったところで、瑠央と姫奈は同時に吹き出した。人目も憚らず、笑い合う。
「見た? あの人の顔」
「まさか俺たちが兄妹なんて思ってもいなかっただろうな」
そう。コーヒーショップの店員といい、先ほどのスカウトの中年女性といい、誰も瑠央と姫奈を兄妹とは思っていなかった。
彼女たちだけではない。すれ違う人々も同じのはずだ。二人の容姿に惹かれて目をやる人が多いが、兄妹と勘付く者は皆無だろう。
通常の兄妹は、仲睦まじく手を繋いだり、身を寄せ合ったりはしないのだ。それをやるのは『恋人』同士なのだから。
ましてや、口付けなどは持っての他だろう。
二人はひとしきり笑い合うと、やがて向き合った。お互い、気持ちが昂ぶっていることを実感する。
二人は周りの様子をうかがい、そっとキスを行った。甘い感触。昔から――子供の時から――知っている妹の唇の味。
二人は貪るようにキスを続けた。
それから二人は、ここからすぐの栄町にあるショッピングモールへ向かうことにした。
西新井駅の西口にアクセスしているさくら参道へと入り、交差点を渡ったあと、車道に沿うようにして進む。
ここが駅近くであり、マンションなどが立ち並ぶ住宅街であることもあいまってか、人通りも多かった。家族連れや若いカップルが目立つ。
お喋りしながら歩道を歩いている最中、姫奈が唐突に、一軒の店舗の前で立ち止まった。そこは何の変哲もない不動産会社だった。通行人に向け、ショーウィンド越しにいくつもの物件を提示している。
そのうちの一つに、姫奈は興味を惹かれたらしい。じっと見つめている。展示されている洋服に目を止めた女の子のような反応だ。
「どうした?」
瑠央が訊くと、姫奈はショーウィンドウの一角を指差した。
「この家、素敵だなって思って」
姫奈の指先を追って、示された対象を見てみる。そこには、一軒の家屋が写真付きで紹介されていた。
「これって……」
洋風の白い家。北欧デザインであり、広い窓と、絵本に出てきそうな三角の屋根が特徴的のお洒落な家である。
「その家がどうしたんだ?」
瑠央は質問した。確かに姫奈が言うとおり、素敵な家だが、わざわざ足を止めてまで見るほどの何かがあるとは思えなかった。紹介物件の所在地も東京から遠く、仙台地方の端っこであり、気軽に見にいける場所ではなかった。
仙台の物件が東京の不動産会社に提示されている理由は、おそらく、この会社は全国規模の不動産屋であり、中々売れないあぶれた物件を処理したいため、わざわざ首都圏で紹介を行っているのだろうと思われた。
「私ね、前からこんな家に住むのが夢だったんだ」
「この白い家に?」
瑠央は怪訝に思って、質問する。初耳だったし、意図がよくわからなかった。
「うん。海が見える丘の上に、ぽつんと一軒だけ建っている白い家。そんな場所でお兄ちゃんと一緒に暮らしたいなって」
姫奈の考えがわかり、瑠央は頷いた。
「そういうことね。でも、けっこうベタなシチュエーションじゃないか? ドラマとかでありそうな」
瑠央が茶化すと、姫奈は頬を膨らませた。
「だから素敵なの! もういい。行こう」
姫奈は瑠央の手を引っ張り、強引に歩き出した。このままでは引き相撲になってしまうため、瑠央は仕方なく姫奈に着いていく。
どうやら、少し不機嫌にさせてしまったらしい。瑠央は、己の失着を心の中で悟った。
姫奈は子供のように拗ねたまま、無言で歩く。瑠央はその姫奈に対し、必死になって弁明した。茶化して悪かったことや、姫奈が言及した『白い家』が瑠央にとっても素敵に映ったことなどを述べる。
やがて、目的のショッピングモールが見えてきたところで、姫奈はようやく機嫌を取り戻したようだ。普段通りの明るい振る舞いをみせてくる。
瑠央はほっとしつつ、再び機嫌を損ねたら敵わないので、先ほどの『白い家』のことは、しばらくの間、記憶に留めておこうと誓った。
栄町のショッピングモールで、早めの夕食を済ませたあと、二人は少し離れた所にあるラブホテルを目指した。
本来は、もっと色々楽しみたかったが、あまり遅くなると、父や祖父母から勘付かれる恐れがあるため、帰宅は早めでなければならない。もうあまり時間がないので、本日メインの『イベント』に移ることにする。
ラブホテルに入り、チェックインを行う。瑠央と姫奈は共に高校生であるため、ラブホテルの利用は違法なのだが、ここは受付が無人なので、問題はなかった。
それに、二人とも実年齢より大人びているため、人に目撃されても誤魔化せる可能性のほうが高かった。
姫奈がパネルから部屋を選び、瑠央が料金を支払う。そして、エレベーターで上階へ昇った。他の客とのバッティングを避ける造りであるため、ここまで他者と接触することはなかった。
二人は腕を絡ませて寄り添いながら、廊下を歩く。そして、姫奈が選んだ部屋へと入った。
内部は、ピンクを基調とした可愛らしい部屋だった。ベッドもピンクのハート型で、姫奈の好みを表していた。
瑠央は、部屋に入るなり、姫奈を抱き寄せ、首筋にキスをする。姫奈は震えるように小さく吐息を漏らす。
唇を離し、瑠央は姫奈に言う。
「シャワーを浴びよう」
本心は、そのままの勢いで姫奈をベッドへと誘導し、押し倒したかったが、手順は大切だ。
「うん」
姫奈は頷き、二人で一緒に浴室へ行く。
お互い、じゃれ合いつつ、服を脱がす。すでに瑠央の股間は固く硬直していた。
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