魔王様、仕事して下さい!

家具屋ふふみに

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魔人大戦

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「とりあえずこっちきて。寒いでしょう」
「は、はい…」

 今更だけど、マリも服着てなかったんだよね。これもアニスからの指示だろう。全く…

「そ、その…」
「うん?」

 マリの顔色が悪いような…

「……あ、そっか」

 魔力を制限し、翼を消す。するとマリの顔色が少し良くなった。
 ……強すぎたんだね。

「それが…本来のユーリ様の力、なんですか?」
「本来はもっと強いよ。まぁここで解放したら大変な事になるからしないけど」
「……具体的に、なにが?」

 えっと、そうだなぁ……まず魔王城で働いてるヒトの大半は気絶するかも。

「そ、そんなにですかっ?!」
「うん。隊長とかなら耐えられるかもだけど」

 だから無闇に解放することは出来ない。少し窮屈に感じるんだけれど、それも慣れた。

「…さて。それらを含めて、ちょっと説明しようか。まず、マリはどれだけ歴史を知ってるかな?」
「え、えぇっと……すいません。あまりしりません」
「そっか……じゃあね、[魔人大戦]っていう戦争は、聞いたことある?」
「あ、それはあります」

 魔人大戦。それはかつて勃発した、魔族と人族の戦争。長きに渡り続いたことから、別名、百年戦争とも呼ばれている。魔族も人族も、誰もが知っていると言っても過言ではない戦争だ。

「それが、どう関係するんです?」
「…天使族はね、中立の立場だったんだよ」
「中立…?」

 その当時、天使族はどっちつかずの状態だった。人族とも、魔族とも友好的な関係にあったからだ。
 ………しかし、その立場はいとも簡単に崩れ去った。

「どうして…」
「…人族は欲深くてね。力を欲したんだよ」

 天使族は多くの魔力を保有し、身体能力も高い種族だった。だからこそ、人族はその力を欲した。

「どうやって、ですか…?」
「…ただの迷信さ。心臓を喰らえばその力を得られるってね」

 無論そんな根拠はどこにもなかった。だが、力で魔族に劣る人族は、それに縋るしかなかった。

「天使族は馬鹿だったのさ。お人好し過ぎた」

 だから、殺された。いとも簡単に。

「………気づかなかったのですか?」
「天使族はまとまってる訳じゃないんだ。それぞれが小さなコロニーを形成していてね。連絡が遅かった」

 その結果、天使族は瞬く間に蹂躙された。
 
「…そして、わたしは両親を目の前で殺されたんだ」
「…っ!」

 その瞬間、ユーリの中で何かが弾けた。

「わたしはね、どうやら他の天使族とは違っていたみたいなんだ」
「違っていた……?」
「……わたしは、天使族の始祖。その生まれ変わりだったんだよ」

 両親を殺されたことがトリガーとなり、ユーリはその力が覚醒した。その際ユーリの翼は、一般的な天使族の翼の枚数である2枚から6枚へと増加したのだ。

「…それで、どうなったんです?」
「……人族を、退けることできた」

 だが、敵は……近くに存在していた。

「…怖かったよ。いきなり後ろから刺されたんだから」

 …ユーリの次なる敵は、同族だったのだ。







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