剣と恋と乙女の螺旋模様 ~持たざる者の成り上がり~

千里志朗

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第2章 流水の弟子編

054.悪魔の壁(7)?~20

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 ※


 リザードマンは、オークやゴブリンの様に、冒険者と同じ職持ちがいて、それらがバランスよく配分されたPTは手強い。今の西風旅団が強いのと同じ理由だ。

 力だけならオーガの方が余程強いが、集団で当たるとリザードマンの方が強いのは一目瞭然だ。闘気で強化していてもただ剣を振り回すだけのオーガよりも、前衛が敵を抑えている間に後衛の術士やが範囲攻撃をしたり、弓兵が指揮官を遠矢で狙い撃ったりする。

 だから、こちらも迂闊には動けない。

 遭遇したリザードマンは6体。前衛の剣士と槍持ち、後衛に長弓持ちが2、術士も2。

 こちらの様に中距離遊撃はいないが、数は向こうが上だ。

 まずは一番怖い、術士を、ラルクが最大火力を込めた弓で狙撃した。リザードマンの術士は、それ程優秀ではない。どちらかと言えば、前衛向きの種族なのだ。

 だから防御の術式も弱く、ラルクの狙撃はその防御壁を見事に貫通し、術士一体の額に突き刺さった。恐らく即死だ。もう少し込める“気”が弱くても貫通したかもしれない。

 弓兵2体が、慌ててラルクに矢を放つが、風属性で装備者の動きを速くする短剣、ウィンディア持ちのラルクはすべるように横に動き、連射がしにくい長弓ではその動きをとらえるのは難しい。

 それでも牽制にはなって、その間に術士が術を完成した様だ。こちらの後衛に向けて放たれたのは、火球(ファイヤー・ボール)だった。

 味方の神術士であるアリシアとは比べられる様なレベルではないので、神術の防御壁でも十分しのげただろうし、足りない場合は、魔術師のサリサが神術の防御壁とは違う属性の防御壁をもう一層追加出来る。息の合った二人はこれを何層も重ねられる。この迷宮(ダンジョン)では必要がなさそうだったが。

 それでも万全を期す為に、二人の前にはゼンがいた。

 ゼンはこちらに向け放たれた火球(ファイヤー・ボール)を剣で斜め下からすくい取る様に斬り、“流した”。魔術の火の球が、剣に吸い付く様に横方向に向きを変えられ、流される。それが『流水』の受け流しだった。

 魔剣等で、魔術を斬り消す事は、当てられるなら容易だ。術と同量の以上の“気”で打ち消す……相殺出来るからだ。しかし、『流水』にそれは必要ない。ただ術の向きというベクトルを逸らすだけなのだから。

 ゼンの師匠、ラザンならば、これを完全に逆向きのベクトルまで変え、“反射”させ、相手にその術をそのまま返す事すら可能であったが、ゼンはまだその域には至っていない。

 ラルクがまた術を撃った直後の硬直を狙って弓を撃つが、これは弓兵が身体で防いだ。右腕が射抜かれ、ダラリと腕が下がるが、そのまま術士の盾となるつもりの様だ。その影から、もう一人の弓兵が弓撃つのをラルクは移動して避ける。

 弓兵はラルクにだけでなく、ゼンにも弓を撃ったが、これもまた神速の剣で受け流される。弓矢を斬り落とすのでなく、矢先の横を軽く叩き、その弓矢もまた向きを変え、別方向へと飛ぶ。攻撃が相手に当たらなければ意味はない。最小限の力で最大限の効果を得る。それが『流水』の極意の一つだった。

 まだ残っていた術士は、これならば、剣で受ける事も避ける事も出来ない筈、と必殺の思いを込めて唱えた呪文。

 ゼンの上空から一条の雷撃がゼンに落ちるが、ゼンは、それ以前に腕を上げ上に向かって剣を突き上げていた。雷はその剣に吸い込まれる様に落ち、その威力が、ゼンにまで達するその前に、ゼンは斬り捨てる様に剣を振り、雷は地面へと流されていた。

 まるで奇術、手品のたぐいの様であった。常識では考えられない、剣による魔術の完全受け流しを可能としてしまう、それが『流水』なのだ。

 ゼンは、雷の術を、それ以上の速さで動いて受けられた訳ではない。そんな事はラザンでも出来ない。ゼンは敵の視線、動き、人間であれば口元を見て何の術を唱えるかも分かる。そして気や魔力の動き、それらを総合して行動予測をする。術士が雷の魔力をゼンの頭上に集中し始めたので、雷の単体用の術が来るのを予測して、それを受け流せたのだった。

 そこで、サリサがやっと魔術を同じ様に、だがまるで魔術強度の違う術を使う。

「『轟雷豪雨(ギガサンダー・レイン)』!」

 リザードマンの生き残りの後衛、腕を負傷した弓兵と、まだ無傷であった術士と弓兵が、まとめてその一帯に降り注いだ太い雷の雨に蹂躙され、一瞬で消し炭へと変わる。

 これを最初に出していれば、勝敗は即座についていたのだが、別に出し渋った訳でも勿体ぶった訳でもなく、予定通りの行動だった。

 つまりこのリザードマン達は、旅団の、テスケースとして悪く言うのなら弄ばれたのだ。

 ラルクの、後衛への狙撃と、同じ様なタイプの弓兵の回避行動の練習として。

 ゼンの方は、敵の攻撃術を『流水』でどの様に受け流すかの見本として。

 以前の闘技会では、ラザンは通常の戦士系の者としか対戦しておらず、術の受け流しをする、という話は聞いてはいても、実際には目にしていなかった。

 なのでゼンが実演してみせたのだ。

 ちなみに、敵が囮として動かしていた前衛職二人は、リュウが近づく前に炎の刃や氷のつららで充分に弱らせ、スタボロになった所を魔剣の直接攻撃でとどめを刺していた。武器も防具も腕にも各段の差があったので、まるで問題なく盛り上がりもなく倒していた。

「ラルクさんの狙撃が上手く行き過ぎて、術士二人とも倒せそうでしたね」

「いや、俺もああも決まるとは思わなくてな……」

 ラルクは照れ臭そうに頭をポリポリとかいている。

「思わなくてな、じゃないわよ。一人は倒したんだから、残りは放置で良かったでしょうに。弓兵と撃ち合いでもしてれば良かったのに……」

「いや、庇うだろうと予測して撃っただけだよ……本当だぞ?」

 言い訳臭くはあるが本当なのだろう。

「リュウ君もお疲れ様!簡単に二人倒しちゃったね~~」

「近づく前から削れて、近づいても向こうの武器を破壊出来たからな。弱い者いじめしてるみたいで、どうにも後味悪いが……」

「敵に変な情けかけない。同じ様な編成だからって、魔物は魔物。割り切りなさいな」

「……まあな……」

 サリサのドライな言葉にリュウは苦笑している。

 仲間を庇い、同じ様に連携している姿を見て自分達と重ねたのかもしれないが、サリサの方が圧倒的に正しい。同情してその剣が鈍れば、死ぬのは自分か仲間かもしれないのだ。

 あえてゼンは何も言わない。リュウも心の底では分かっていると思うから。ただ少し不安になるだけだ。そういう人の好さ、甘さはリュウのいい所でもある半面、短所になりかねない危険性がある。

 その点、ラルクはすぐに敵の急所を躊躇なく狙撃出来る程に割り切れている。

(こういうのって、慣れていくしかないし……)

 ゼンも旅の途上で嫌と言う程味わってきた。だから何も言わない。

 ふと、サリサと目が合うと、サリサは何か怒った様な顔で目を逸らす。彼女は朝から機嫌が悪かった。精霊王との再会が、うまくいかなかった訳ではない様なのだが……。

 ゼンには女の子がよく分からない。旅の途上で会った娘達も、自分の中にいる従魔の子達も、そして、チームメイトであるサリサも、ついでにアリシアも。

 時々凄い上機嫌になったかと思えば不機嫌になり、何も落ち度がない筈なのに、こちらに食って掛かってくる事がある。心理的にどうにも読み切れない、謎な生命体だ。

「しかし、ゼンの『流水』の“受け流し”は凄いな。話に聞いた事はあったが、本当に魔術も綺麗に受け流してしまうんだから」

 リュウが、今のリザードマンとの戦いを忘れる為、でもないだろうが、改めてゼンの剣技を誉めそやす。

「だな。どうしてあんな事が出来るのか、不思議で仕方ないよ」

「魔術師としては驚異よね。魔術を撃つ前に近づかれるなら仕方ないけど、撃った魔術が通用しないなら、それはもう絶対勝てないって事だし」

 サリサも不機嫌でも客観的な意見は普通に言ってくれる。

「すっごく面白いよね~~。みんなヒュンヒュン曲がって行くんだもの~」

 アリシアのは単に見世物的な面白さで言っている気がした。

「原理的にはただ“気”で受け止めて力の向きを変えるだけ、らしいんですけど、俺も師匠の実演を見せられて、ともかくやってみろ、で、何百何千と繰り返し鍛錬して、何回目に出来る様になったかも覚えてないです。どうして出来る様になったかも、よく分かってなくて……」

 多分、頭でなく感覚でしか覚えられない領域の話なのだろう、と漠然と考えるしかない。

 だから、『流水』固有の剣技、技術は、ゼンも正直言って人に伝授しろ、と言われても困るしかないだろう。

 リュウ達に話した“気”の話はかなり普通な一般論的な話ばかりで、『流水』の教えに通じるものではない。その基本も出来なければ、そもそも入り口にすら立てないのだろうが。

 ゼンは、ラザンとの修行の話になると、時々かなり虚ろになって、もうただその修行、鍛錬が殺人的なものだったのだろう、と他の者は想像するしかない。

 余り深く踏み込むと、開けてはいけない蓋を開けそうな、底なしの暗い沼に足を踏み入れる様な怖い感覚がある。

「……次、行きましょうか?多分少し先に“休憩室”があって、その先に20層への階段があると思います。いよいよ2体目ですよ」

 ゼンが皆の方を振り向いて、先をうながす。そこに先程の虚ろさは微塵もない。

 何かホっとした一同は、ゼンに続き先に進むのだった。


 ※


 ゼンは、階段の出口で足を止め、顔をしかめてその階の中央に陣取る大きな階層ボスを見る。

「あれは、木だよな。大木?て事はトレントか?」

「トレントの強化体なら楽かな。炎でごうごう燃えやすいだろう」

 普通なら正しかったのだが、この場合は違った。

「……違います。多分あれ、エルダー・トレントです」

 ゼンは口にするのも嫌そうに言った。何故こんな所にアレがいるのかと。

「エルダートレントって、トレントの上位種じゃなかったか?」

「2段階ぐらい上の種ですね」

「階層ボスって、そこの層の魔物の強化体だったじゃなかったのか?」

 ラルクが不思議そうな顔で疑問を投げかける。

「そう聞いてるわね」

 サリサも嫌な顔をしているのは、あの防御をいち早く目にしたからだろう。

「一応、ランダムで、上位種や変異種が出る事もある、らしい、ですね」

 かなりまれな話だ。

「どうします?19層で適当に狩りして野営して、夜が明けたら、アレじゃなくなってるかもしれません」

 階層ボスは日毎に入れ替わる筈だ。

「ゼンがそう言うぐらいだって事は、相当手強いのか?」

「この顔ぶれなら倒せない事はないと思いますが、かなり面倒ですね。ある程度の手順とか踏むし、結構しぶといし……」

 ゼンは旅の途上で一度戦った事があったが、爺さんの援護があっても面倒だった。ラザンはむしろゼンに狩らせる難敵として調度いいと言って、少しも手助けしなかった……。

「まだ昼メシ食ってそう時間も経ってない。ここって、入ったら出られないとかじゃないよな?」

「階段に戻って来れます。階段からの攻撃は無効扱いになる筈ですが」

 安全地帯からは当然攻撃出来ない。出来たら遠距離でチクチク時間をかけて何でも倒せてしまう。

「俺は、試してみたいな。余り手応えの無い敵と戦い続けるよりも、余程経験になると思うからな」

「そうだな。無理なら撤退してもいいんだ」

 リュウとラルクはやる気の様だ。

 女性陣は……サリサが少し渋い顔をしているが、積極的な反対ではない様だ。アリシアは皆に従う風。ゼンは……色々気になるのだが、前準備をちゃんとして行けば大丈夫だろうか、と色々考えている。

 もし日が変わっても、アレが居座っている可能性が高い気がする。そんな訳はないのだが、多分そうなのだろう……。

「……そうですね。試してみますか。トレントはよくいる魔物だし、あれがこの先も出る可能性だってありますし(上級迷宮で)」

 これが追加要素?というよりは、勝手な難易度調整をされた気がする。

「じゃあ、俺の知ってる範囲で説明します。

 あれの周囲の空間をよく見て下さい。ぶ厚い壁が何層もになっていて、しかもゆっくり回転してるが見える筈です」

「……なんだ、ありゃ。今まで見た事もないぞ」

「わ~、凄い。私とサリーでああいうの造れるかな?結構難しそう~」

「……随分複雑そうだが、つまりはあれがトレントの防御壁なのか?」

 ゼンは頷く。

「積層多重障壁と言うらしいです。多分、サリサの魔術でも通らないし。ラルクさんの矢も最後まで貫通出来ないと思います」

「うげ、マジか……」

「で、いつも通り、ああいうのは、俺とリュウさんが剣で斬り裂きに行ければいいんですけど―――」

「?斬れないのか?」

「いえ、斬れます。ただその前に、近づくのが難しいんです。あのトレントの周りの床、何もない様に偽装されてますが、びっしりと触手の様にうごく蔦がひしめいています」

「そう、なのか?何も見えんが……」

「それだけアレの偽装のスキルのレベルが高いんです。だから、障壁を斬りに近づく戦士は、たちまちそれで絡め取られ、身動き一つ取れずに蔦で絞殺されるか、鋭い枝に貫かれるか」

 皆が青い顔でゾっとしている。

「つまり、遠距離無効で、それを破りに行くと、罠が待ち構えている、と。蜘蛛の巣みたいだな」

「ええ。それと、向こうも遠距離攻撃手段があります。木の実を、高速で飛ばして来るんです。威力自体はそう大した事はないんですが、それに気を取られると蔦に、となる様にしているみたいで」

「増々厄介だな。それはこっちの防御で弾けるんだろ?」

「そうです。気にしないで無視するしかないですね」

「だから、とりあえず、右側に攻撃を集中。ともかく足場の確保が優先なのでそこら辺の床を燃やして、蔦を灰にする。サリサの魔術とリュウさんの魔剣の炎飛ばして。

 で、足場が出来たら障壁の破壊、それで、ラルクさんも矢を……造ってあるのありますか?」

「ああ、20本ばかり前もって造ってある。威力は並だが」

「その矢を貸して下さい。俺が火の“気”を詰めます」

「そんな事、出来るのか?」

「波長を合わせれば、何とか」

 ゼンは渡された矢を握り、ラルクの“気”と同調させ、いつも料理で使うような火の“気”を込める。

「これで、多分大丈夫です。別に爆発したりしませんよ。木に突き刺さったら火が溢れるだけです」

「……だけ、って事は、ないよな……」

 器用にも限度があると思うのだが、今は言っても仕方ない。

「で、右に集中て事は、実は本命じゃないんだろ?」

「はい。どれだけ気を逸らせるか分かりませんが、本命はやっぱりサリサの炎の強い魔術で」

「前やったアレをやれって事よね?」

「出来れば」

「大丈夫なのか?魔力容量足りないんじゃなかったか?」

 リュウが心配する。チームリーダーんなのだから当然だ。

「昔と違って、今は鍛えたし、この杖もあるし、ね」

 実際にはもう魔力切れの心配はないのだが、やはりまだ言うのは心配で出来ない。

「右で暴れ回った後に、俺が前方で障壁に穴……通路みたいにあけるから、それ目掛けて撃って。障壁が動いてるから、間髪入れずに」

「……わかったわ」

「それで、いける、かな……」

 改めてその大きな大木を見ると、何故か妙な違和感がある。なんだ?木に違和感て?

 ゼンはしばらくその大木としか見えない、Dエルダー・トレントを見る。障壁に不自然さはない。

「ゼン?どうした?やらないのか?」

「すいません、少し待って……」

 ゼンはそうやって、全体をしばらく観察して、やっと自分の感じた違和感の正体が分かった。エルダー・トレントだけでも十分におかしいのに、まだそれ以上にやるのか?

 ゼンは、この神の試練だとかいう、迷宮の理不尽さに嫌気がさしていた。

(前からそうだった。一体何のつもりであんな……)

「リュウさん、あそこ、分かりますか?木の枝ぶりの中で、少し盛り上がってる……」

「……ああ、あるな。なんであんな風に……」

「多分、あれは―――です」

「「「「え!」」」」

 聞いた全員が驚いた。

「だから、多分最後にあいつが……」

「そう、だな。本当にあれがそうなのなら、最後には……」

「だから、注意して下さい。俺は、あのエルダー・トレントが弱ったら、魔石の位置を割り出して、出来れば破壊しますから」

「分かった。じゃあ、やってみるか」

 リュウは魔剣を握り直し、戦闘に備える。

「サリサは全体の状況を見て、まずそうな時は撤退の判断を」

「難しい事言うわね。分かったわ」

「アリシア、全員の防御壁と補助、強めで」

「補助も全員なの?私やサリーはいらなくない?」

「……何があるか分からないから、全員で。終わったら、長めの休息を取ろう」

 ゼンは不敵に笑って、こんなのは何でもないのだと自分にも言い聞かせる。

 迷宮もフェルズも、理不尽な障害は排除するしかない……!

 

*******
オマケ

リ「ゼン、あれってフラグっぽくないか?」
ゼ「旗がどうかしたんですか?」
リ「……いや、まあ、張り切って行こう」
ラ「じゃあ俺は、無事に帰れたら結婚しよう、なんつってな」
サ「あらそうなんだ。おめでとう。お祝い用意しなくちゃ、ね」
ア「おっとこらしい~。リュウ君も見習って欲しいね。でももう結婚か、早いね~」
ラ「え、あれ、冗談だって、だって俺には…」(何だこの普通にお祝いモードは!)
サ「うわ、直前回避?あの娘、悲しむわよ」
ア「おっとこらしくない~。リュウ君、見習わないでね~!」
ゼ(うん、まあ多分そうだろうな、とは、思ってた……)
リ「??何の話してるんだ、みんな。なんか俺だけ除け者っぽい……」
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