剣と恋と乙女の螺旋模様 ~持たざる者の成り上がり~

千里志朗

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第3章 従魔研編

095.ゼン教官の従魔教室2.そして……

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 ※


「絶対的な強敵と出会ってしまった場合、従魔は、残念ながら役に立たない、らしいです……」

 ゼンは、最後言葉を濁してその話をする。

「らしい?珍しく、曖昧な表現ですね、し、教官」

 フォルゲンが、師匠のいつも通りではない教えに疑問を持つ。

「……従魔は、主人を危機から守るものですが、自分がどうあっても敵わない強敵に出会ってしまった場合、主人の中に戻る本能があるんです。自分がやられてしまう事で、主人を消耗しない様にするんですね」

 そこで言葉をいったん切って、困った顔を浮かべる。

「だが、俺の従魔では、そうなった事がないんです。まあ、余り魔物との戦いで使ってなかったからだと思うんですが……」

「え?従魔を魔物との戦いで使わないって、なら何故従魔にしたんですか?」

 カーチャが驚きの声を洩らす。

「あー、言ってなかったかな。俺が従魔を手に入れたのは偶然の成り行きがほとんどなんですよ。パラケスじ……翁に会う、結構前からで、従魔が何かも、よく分かってなかったんです。だから、雑用を手伝ってもらうぐらいで……」

「雑用って、随分器用な魔物?」

 オルガの鋭い指摘。

「あ、ま、まあ、そんな感じです。それに、そもそも自分が戦わないと、剣の修行にならないから、戦闘で使うにしても、絶対的に人手が足りない場合ぐらいで」

(街や都で、人の悪事がどうの、って時には色々手伝ってもらった事は多いけど。

 考えてみると、修行で当り前に従魔の力なんて使ってなかったから、師匠は従魔の事に気づいてなかったんだろうな。

 でも、マズイな。しゃべり過ぎると、俺の従魔が人種(ひとしゅ)な事がばれかねないし、話に辻褄が合わなくなってしまう事になりそうだ……)

「俺の従魔は、ボンガ以外の事は、ちょっと話せないんで、すいませんが、これぐらいで」

 と誤魔化す以外に方法がない。

「ああ、自分の手の内は晒せないですよね。こちらこそ、すみません」

 カーチャがすぐに反応して謝る。

 強い冒険者が、自分の技や術、固有スキル等を秘密にしたがるのはよくある話だ。

 ゼンの場合は当然違うのだが、そういう方面に勘違いして解釈してもらう方が面倒がなくて助かる。

「まあ、ともかく、従魔が自分の中に逃げ戻るぐらいの敵は、もう圧倒的な強者だと思うので、余程人数が多いとかでもなければ、逃げる事を優先的に考えた方が現実的でしょう。

 あるいは、自分の味方にも圧倒的な強者がいれば、話は別ですが」

「成程。でも、従魔が自分の中に逃げ帰るのは、敵の強さを測る目安になりますね。我々B級なら、A級以上、A級の冒険者ならAAダブルエー級以上とか」

 マークが、熟練の冒険者らしい意見を出す。

「そうですね。そこまで冷静に考えて、逃走か迎撃かを考えれば、パーティーなら何かしらの手はうてると思います」

「だなー!俺のパーティーや、クランにも、結構な使い手がいるんだよ」

 フォルゲンは、本当に嬉しそうに言う。いい仲間に恵まれているのだろう。

「頼もしいですね」

 他の3人が少し苦い表情を対照的に浮かべるのとは逆に。

 彼のような他国の冒険者の冒険者がいた事は、本当に良かった。結果的にではあるが、外さないで正解だった。

 他のフェルズの上級冒険者3人には、クランでの経験のある他国の冒険者の存在は、今のフェルズの歪んだ実態を、少しでも疑問に思える、いい題材になっている筈だ。

 仲間と協力するなんて事は、本来ギルド側から言われるまでもない話だ。そして、上級の迷宮は、どう考えても、複数パーティー共同行動の、クランでの活動を、制作者(神々)側でも想定して創られていると思える。

 別世界と言っても過言ではない広いフィールドに、無数の敵が、前後左右、上下からも現れる。そしてボス戦では、中級や初級のような人数制限は完全にない。それこそが、クラン推奨の証と言っていいだろう。

 あんな所を、6人だろうと7人だろうと、1パーティーで探索するのには無理がある。

 ……もっとも、師匠やシリウスさんの様なソロで踏破出来てしまう、極少数の例外を除けば、の話だが。

 でもあれは、もう人外とかの領域だ。師匠にしろシリウスさんにしろ、多分S級以上なのだろう。あえてランク付けするのなら。

 ビシャグさんは、まだこっち(人)側にかろうじている感じだけど、あの人も例外的な強者である事は変わりないし、もしかしたら、外の世界での修行で、あの人もそういった領域の住人に成長する可能性は、大いにあるのだろう。

(あんなに、体格や筋力に恵まれ、すでに外観も人外じみているのに……)

 とゼンは、結構失礼な事を考えていたりするのだった。


 ※


「“あの”ニルヴァーナが、研究棟にいる、だと?」

 ゴウセルが愕然とした表情を浮かべている。

 今は夕食の真っ最中。彼等は、ゴウセルが雇い直した元の料理人の、リャンカやミンシャの指導を受けての美味しい料理に舌鼓を打っている。

「“あの”?おかしいな。言ってなかったっけかな。そう言えば、一緒のパーティーにいた事がある、とは聞いてたんだけど」

 従魔研の話は、一応は冒険者ギルドの機密なのだが、ゴウセルはもうその前段階、パラケスのキューブを見て一部始終を知ってしまっている。

 だから、従魔研の話を特に秘密にはしてなかったので、主任エルフについても話した気になっていたのだが、ゼンの勘違いのようだ。

 今日は、話の流れでたまたまニルヴァーナの名前を出したのだ。

「あ、ああ、確かに。ある、はあるんだが……」

(何かしら、とても苦い表情を浮かべているが、過去に何かあったのだろうか?)

「別に、わざわざ言うほどの事じゃないでしょ?隠してた訳じゃないし。ゼン君に口止めとかもしてないんだから」

 レフライアはある意味すっとぼけている。確かに口止めされてはいなかったが、そもそも二人の共通の知人なのだから、彼女がもっと前に話していなければおかしい話なのだ。

「それは、そうなのか?お前だって当時は、凄い怒ってただろうに」

「……当時は、ね。でも、私がギルマスになった時から、すでに研究棟にいたのよ。

 私は最初、彼女もゴウセルを追いかけてフェルズ来たのかと思ったら、あの女(ひと)、ここに貴方がいる事を知りもしなかったの。

 本当に、研究業の方が合うからって、知り合いのエルフの子を助手にして、研究棟にずっと引きこもっているわ。めったに外には出ないのよ」

 ギルマスと主任の二人が話しているのを見た事があるゼンには、普通に仲が良さそうに見えたのだが、何か問題でもあるのか、養父母の会話には、不穏な響きが感じられる。

「……あー、ゼン。ニルヴァーナには昔、悪い癖があってな、人の恋路にちょっかいかけると言うか……」

「あれは、明確に私に対しての嫌がらせだったでしょ!後から聞いた話だと、私の祖母の方の親戚筋だったとかで、それで何か思う事があったらしいけどね!」

「……俺以外にも、当時、粉かけられた奴いたし、単に男好きなのかと思ってたよ」

「そんな単純な女(ひと)なら、苦労はしていないわよ、もう!」

 当時に問題行動を起こしたが、今はもう何もない、と言う事なのだろう。レフライアがゴウセルに話していない事を見ると、完全に許した訳でもない感じがするが。

「ふーん。うん、まあなんとなく想像はついたから、詳しく説明しなくてもいいよ」

「それは……助かるよ。レフライアの機嫌が悪くなるんでな」

「べっつにぃ。あんな大昔の事なんて、覚えていませんからぁ」

 むくれてそっぽを向くレフライアの態度は、どう見ても忘れたようには感じられない。

「と、いう事だ」

「うん、まあ、頑張って……」

 養父母がうまく行くまで時間がかかったのは、こういう事があったせいもあるのだろうか。

 今は熱々でも、それなりに障害があったのだろう。

 自分も、昔はそうだった。絶対に叶わない想いだと思ったし、自分の汚さを知ってしまった事もあった。だからこその封印だったのに……。

 今は、どうすればいいのだろうか。また封印をするか?前よりも、少なくとも上手く封印する事が出来る、とは思うのだが、それを簡単に解いてしまう存在がいる。

 ゼンは、彼の封印を、ないも同然のごとく、いとも簡単になくしてしまった、忌々しい精霊王(ユグドラシス)の存在を考え、歯噛みする。

 サリサの為を思って仲介したのに、まさかそれが仇になるとは思ってもみなかった。

「……あいつは、変なところがあったからなぁ」

「それを、『変』の一言で済ませちゃ、駄目なのよ。物事には、何でも原因があるの。変だ奇妙だと言いつつ、その変を原因にしちゃ、いけないと思うわ」

 養父母はまだ、ニルヴァーナの事を話しているようだが、その話の内容には含蓄があり、何かがゼンの心に引っかかる物があった。

 変、奇妙な事には原因が……。

 もしも、このフェルズの、上になるほどに、冒険者の仲が悪い、共同作業を嫌う“理由”が、明確にあるとしたら?

 いや、あると考えると、むしろしっくり来る。子供でも分かる、難易度の高い上級迷宮で、自尊心(プライド)がどうの、と言い続ける方がおかしい。生き死に関わる問題だ。

 それに、そこまで昇り詰めるのなら、そんな理屈を知らない者はいないし、仲間との連携をちゃんとしてきたからこそ、中級迷宮までこなせた、と考えるべきなんだ。

 じゃあ、その原因はどこにある?

 B級以上以外に行かない場所と言ったら、そのものずばり、上級迷宮(ハイ・ダンジョン)だけど、それはあり得ない。

 師匠やシリウスさんのような、異常感知の感覚も、人並外れたものがある人達の目や、感知を避けるのはほぼ不可能じゃないか?

 上級のみが行く場所で、師匠やシリウスさんなんかが行かない場所があるとしたら?

 ゼンは考えて考えて、考え抜いて、一つ、二つある事に、気が付いた。

「義父さん、義母さん、聞きたい事があるんだけど」

「なんだ、急に真剣な顔をして」

「……フェルズで、上級の冒険者しか行かない、専用を売りにしている様な、高級志向の酒場や、娼館、遊興施設なんか、思い当たらない?」

「……そりゃあ、いくつか思い当たる所はあるが」

 ゴウセルは戸惑いながらも答える。ゼンならその内に上級に至るのだろうが、そうなってもそれらを使うようになるとは思えなかったからだ。

「出来れば、隠れて経営している様な、裏の方面のも、分かると一番いいんだけど」

「何か、キナ臭い話のようだな」

「多分、考えている通りなら、物凄くキナ臭い話だと思う……」

 そして、ゼンは自分がたった今考え付いた事を、二人に話して聞かせた。

 特に、冒険者の頂点、と言うべきギルドマスターには、絶対に知らせるべき話なのだ。

「―――そうよ!そうなんだわ!私達は、何で今までそれに気がつかなかったのかしら!まさか、ギルドにも、何か思考誘導をする様な魔具が?」

「いや、それはないと思う。ギルドに何か仕掛けをしたら、そこから芋づる式に、色々と発覚する確率は跳ね上がると思うから。

 多分、ギルドや義母さん達は、師匠やシリウスさんのように、並外れて優秀な冒険者がいるのだから(今だといたのだから)、そんな事は出来ない、勘づかれるに決まっている、と考えた、絶対的な信頼感があったんだと思う。

 俺もそうなんだけど、だからこそ、この二人が行かない様な所に、何か仕掛けをするんじゃないかと思ったんだ。

 実際、上級の迷宮とかに、何か怪しい動作をする魔具があれば、あの二人でなくても、戦場にいる冒険者はそれに気付く可能性が高い。感知系のスキルや術もあるからね。

 でもそういう、高級な店なら、盗聴防止だの、警備上必要なものだの言って、よく分からない動作をする魔具があっても、気にされない。そこに付け込んでいるんだと思う。

 それに多分、この、多分魔具だろうけど、の効果は、ひどく緩やかで、すぐにそれと分かるような物じゃないんじゃないかな。

 凄く遅効性で、年単位や、もしかしたら十年単位とかで、降り積もる雪のように、少しづつ効果が蓄積されて、それで効果が発揮される物なのかもしれない……。だから、その影響下にある冒険者本人も、ギルドすらもあざむき続けてきたのかも」

 ゼンの解説は、恐ろしく説得力があった。

「ゴウセル、うちの子は天才よ!」

 レフライアは感極まって叫ぶように言う。

「まったくだな」

 ゴウセルは同意するように、何度も頷いている。

「いや、そういうのはもういいからさ……」

 ゴウセルの親馬鹿ぶりは、確実にレフライアにも伝播してると思い、困ってしまうゼンだった。

 この後、ゼンがガエイをその手の店に侵入させて、調査しようとしたのだが、転移を阻害する結界系の魔具でも設置されているらしく、侵入すら果たせなかった。

 だがそれは、そんな普通の店に、人間外の技術が使われている証明になってしまうのだった。(人間側は、転移系の術式に精通しておらず、その妨害をする魔具や術式は存在しなかったからだ。あるとすれば、魔族側の技術……)

 レフライアはそれを知り、他の支部のギルドに、秘密裡に凄腕の上級スカウトの応援を要請する。自分の所の専属スカウトでは、顔が知られている可能性があり、フェルズ在住のスカウトでは、すでにその魔具の影響下にある可能性が高いからだ。

 そうして、その調査はゼンの手を離れ、ギルド主導で内密に、慎重に調査、内偵捜査が進められる事となる。

 その結果は、レフライアが要請した応援の来る期間などもあり、2カ月後、次の章にて明かされる事になるのだった―――。


 ※


「今日は、最初に戻って、従魔にする魔物の選択、について話します。本来は、最初に話すべき事でしたが、皆さんが選んだ魔物には何の問題もなかったので、とりあえず育成を早めていただきたかったので、省いた知識です」

 今日も今日とて、ゼンは4人の被験者相手に従魔講義をしている。

「選択、と言うと、従魔に出来ない魔物がいるのですか?」

「いえ、従魔として使いにくい魔物が、系統的にいる、という話です。ただ従魔にするのなら、魔石さえあれば、どんな魔物でも、従魔に出来る筈です。理論上は。

 パラケス翁も、協力者を募って、色々な情報を集めていますが、さすがに全ての魔物、とはいきませんから」

「ふむふむ、そりゃそうだ」

 何故か偉そうにフォルゲンが言う。

「まず、現実問題として、ギルドとしては従魔にして欲しくない魔物、というのがあります。ありていに言ってしまえば、ゴブリンやオークなどの、人型の魔物です。

 まずこれらは、ご承知の通り、繁殖に人の雌を使う、危険度が極大(マックス)の魔物です。

 ランク等関係なく、これらは見つけたら即殲滅対象ですが、それらを従魔にしてしまうのは、倫理上の面からも問題がありますし、もしこれらを従魔にして、一般の人々に、この魔物は、安全なのだ、と誤解を招きかねない、という事もあります。

 その、誤解を招きかねない、というのは全ての従魔にも共通の問題ではあるのですが。

 冒険者が大人しく、愛らしく見えさえする従魔を従えている事で、一般にそれが危険な魔物ではない、と錯覚されてしまう話です。

 これは、ギルド側で、従魔と魔物の違いを、常に周知されるように徹底し、教育機関にも、その旨が教育される様に伝えられる事になっています」

 他に、従魔には、魔物使役術士(テイマー)の従魔と同じ、ギルド発行の従魔証の装着が義務付けられ(首輪等に目立つ紋章がつく)、小型の従魔でもそれは変わらない。

 それは野生の魔物との明確な区別であり、ギルドの許可を得た事の証明にもなる。

「まだ教育の行き届かない小さな村で、冒険者の連れた従魔と仲良くなり、外で同じ魔物を見つけ、安易に近づいたりしないか、とそんなケースも、ギルドでは今から警戒しています。

 それはそれとして、人型の魔物を従魔にして欲しくない理由は、他にもあります。

 それは、外見上は人に見える、仲間のような魔物を連れ歩く事の、魔族を奴隷にするような、外観上、倫理上の問題でもあり、その魔物を、人が使う施設を使わせても良いのか、という一般施設側からの問題でもあります」

「え~と、良く分からないんすが」

 オルガが小首をかしげている。

「つまり、宿だの食堂だのに、一緒にその従魔を連れて行って使うのか、という話です」

「「「「あー!」」」」

 四人が声を揃えて納得の声をあげる。

「獣型の従魔は、これからそれ専用の厩舎も出来るようになると思いますが、食堂だの、宿だので、いかにも外見が人っぽくはあっても魔物な従魔を、受け入れていいかどうか、というのはかなり微妙な問題になると思うのです。

 ですから、オークやゴブリンでなくとも、トロルやオーガなんかも、ギルドとしては禁止する方向になるようです。(そういう意味だと、コボルト犬鬼は駄目なんだけど、ミンシャはもうコボルト犬鬼に見えないし、な……)

 冒険者としては、武器や防具を従魔と流用出来る利点があるのですが、マイナス面の方が大きい、と判断されています。

 これらは、魔物使役術士(テイマー)も従魔の出来ない魔物なので、これから先、従魔にしてもいい魔物、というのは、魔物使役術士(テイマー)を参考に決められるかもしれません」

 マークが手を上げる。

「うちのハーピィ妖鳥なんかは、どうなるのでしょうか?」

ハーピィ妖鳥は、魔物使役術士(テイマー)がテイム出来る魔物の種類にもありますし、一部人型なだけなので、大丈夫だと思います。それに、ピュアはどう見ても、愛らしい外見で、普通のハーピィ妖鳥とはまるで違いますから」

ホワイト・ハーピィ純白妖鳥等というレア種は、めったに人がお目にかかれない事もあって、問題視されないであろう。

「ですよね」

 ホっとして、すっかり愛娘を可愛がる、親馬鹿になってしまっているマークだ。

 ハーピィ妖鳥は本来、人の女性の上半身がある、と言ってもその顔は醜く歪み、いかにも魔物然、とした外見だが、ピュアはもう普通に顔が可愛く、愛らしい女の子にしか見えず、従魔研のスタッフが、上半身裸なのを気にして、二枚の布を四つ角で結ぶ服を作り、マークに提供したくらいだ。

「恐らく推奨されるのは、獣型の魔物で、余り大型ではないもの、ですね。(ゾートと、成長したルフの魔物型は駄目だろうな……)

 微妙なのは、虫、昆虫型、なんですが、これは、念話でも意思疎通が難しく、うまく命令を理解出来ないみたいですね。命令を、聞く事は聞くのですが、避けた方が無難です。

 そういう意味では、スライムなんかの不定形、生物ではない系統も、もう精神構造が人間と、普通の生物とはまるで違うんでしょう。細かな命令は受け付けません。自分の側に来い、とか、大人しく、とかぐらいを何となく分かるだけだと、パラケス翁は言ってました」

「何故そこで、“隠者”のお名前が?」

「パラケス翁が最初に偶然従魔にしたのがスライムだからです。パラケス翁の従魔術研究は、そこから始まった、と言っても過言ではないでしょう」

 歴史的な従魔の始まりが、スライムだというのは、なんとも面白いエピソードだ。

「まあ、ともかく、これら魔物の従魔への適応表、相応のものがギルドから、いえ、従魔研から出される筈なので、皆さんが2体目以降の従魔を増やす時には、それを参考にして欲しい、という事です」




*******
オマケ

ミ「ミンシャは逃げ帰ったりしませんの!」
リ「私も当然ですわ!」

ゼ「いくらなんでも、本能に逆らうのは無理じゃないかな?」
セ「あの二人ならやりそうで怖いです……」
ゾ「ぶははは。主より圧倒的となると、かなりのもんになるだろうし、どうだろうなあ」
ガ「弱肉強食」
ボ「俺も、頑張る」
ル「お?るーは、つよい、かな?わかんないお」
ゼ「まあ、みんなに無理させるつもりはないよ。いざとなったら、逃げるの得意だしさ」
ゾ「ところで主、俺等、結構ギルドの条件外になるの多いな」
ゼ「うん、そうなんだよね。そういう決まりが出来る前だから、としか言いようがないけど、余計に秘密にしなきゃいけない要素が増えたかも」

ミ「秘密の関係ですの!」
リ「秘密は背徳の香り、ですわ!」
ゼン「変な事ばっかり言ってないの。ルフがすぐそういうの覚えるから、真面目に止めて欲しい……」
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