そうなんです!僕が化け物です!!

あいいろの布団

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気づいたけどここどこ?

第7話 目の前の現実

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死体の山がある牢の隣の牢の前に貴族のような男は座り、唐突にそれに話しかけ始めた

「やぁマーシュ、元気そうだね!」

それは綺麗な服を着せられ確かに動いているが目玉は片方無く、髪はほとんど抜け落ち、鎖に繋がれている
最早自我はほとんど無いのだろう

返す言葉も言葉にならないものばかり

それなのにこの男は
「そうだね!」

「マーシュの言う通りだよ」

「君が成長してくれて僕は嬉しいよ」

などと言っている


……哀れだなぁ

別に同情なんて無い
可哀想って訳でもない
確かに愛する家族がみんないなくなったのは同情に値するかもしれないけど、家族が好きって感覚は僕には一生分からない

だからこんなんで殺されるなんて御免だ
てかもう殺されかけたんだから正当防衛?だよね?
僕の魔法の実験台になってもらおうじゃないか

ギィィ………グチャ……
「い゛っ!……
あ゛ぁ………」

鎖を引きちぎるほどの膂力を夢想してみたが結果はこれだ
手首は折れ、痛みとともに痺れが走る

痛い、とにかく…痛い
汗が滲んで唇から血が流れる
唇を噛んで声を我慢した僕を褒めて欲しいくらいだ

落ち着け、落ち着け
それは心を屈服させるのは僕の取り柄だろ

膂力だけじゃなくてそれに耐えうる骨とかも考えなくちゃいけないのか
なるほどこれは難しい

とりあえず手首治さなくちゃ
別に僕は痛みに強い訳じゃない
今にも叫びそうなくらい痛い
治った手首を考えろ、指が痺れてるあたり骨だけじゃない
もしかしたら神経が傷ついているかもしれない

ならば治すじゃなくて戻れ
戻れ戻れ戻れもどれもどれモドレモドレ……

グチャリ……

いや音が生々しいって…

さて頭の中で夢想するのは手錠を破壊するパワーとそれに耐える僕の身体だ

せーの!……

バキィィン!!

手錠の鎖は壊れて腕は自由になったが手錠自体はまだ腕にはまったままだ

てかゾンビに話しかけてる奴!!
後ろでこんな物音立ててんのに気付く素振りゼロかよ!

手足ジャラジャラして邪魔だけどしゃーなし
次は鉄格子の破壊だ
手錠破壊出来たんだし鉄格子くらいぐにゃりと………


できちゃった……

できるとは思ってたけどこんな簡単に鉄格子曲げられるとは思わなかった……

てかお貴族様はまだあれに話しかけてんのか…

とりあえず……蹴るか

この瞬間自分が鉄格子を簡単に曲げるパワーを持っていることなど完全に頭から抜けていた

座ってる椅子ごと思いっきり蹴った
もちろんタダで済むわけがなくお貴族様は壁にぶつかってピクピクしている

「やべ、忘れてた」

しばらくすると動かなくなった

その瞬間シズキを激しい目眩が襲う
軽く考え軽く行動に移したシズキだったが実際ほんとに手を下したのはこれが人生で初だった
普段から親による暴力に慣れてるとはいえ初めて人を殺して落ち着いてられるわけが無いのだ

呼吸がどんどん乱れていく
全身の細胞が崩れていく感覚
歯の根が噛み合わない……

あれは仕方がなかったあれは仕方がなかったあれは仕方がなかったアレハシカタガナカッタアレハシカタガナカッタ……

しばらくして落ち着いたシズキは腐乱したゾンビの元に向かう
とはいえ汗は止まらないし心臓の鼓動は部屋に響いている

「あ゙ぁ……ご…ぉし…で……」
ゾンビが死を願う

彼なら簡単に殺すことは可能だったがたった今殺したことによる気持ち悪さを体験したばかりであったため躊躇する

「でも殺らなきゃ君は苦しいままなんだよね…
そうだよ、1人も2人も同じだ
同じなんだ、だから大丈夫」
と、自分に言い聞かせるように呟いた

「それじゃあ、バイバイ」

思い浮かべるんだ、水だって勢いを強めれば岩だって切る事が出来る
それを銃になぞるんだ
圧縮した水の弾を相手に向かって撃つ
狙いは頭
打つ瞬間頭に文字が過ぎる


これが僕の魔法なのか

Bullet tal-ilma水の弾丸
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