キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第9話

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 メッセージを送らなければ……。

「わからないことがあったら、聞いてくださいね」

 そう桜舞は言ってくれるのだけど、好きという感情が少ない女の子にメッセージを送るのは正しいことなのか……?

「兄さん、これは言っておきますけど、兄さんは理想が高すぎです。筬屋さんは十分かわいい女の子だと思いますけどね……そんな方に、ずっと片想いされていた事実を受け止めて、前に進むべきなのではないでしょうか?」

「…………そうは言ってもなあ。僕は月子のことが好きなわけだし」

「何度も言っていると思いますが、布佐良さんは兄さんのことを好きじゃないと思いますけどね。もう、しつこいくらい言っていますけどね」

「そう、かも、しれない、けど、さあ……」

 心にグサッとくる一言だった。

 でも、入院していた僕のことを心配している様子がなかったことがなによりの証拠か……。

「……僕は前に進みたい。だから、教えてくれ」

「……わかりましたよ。では、わたしの言うとおりにメッセージを作成してみてください」

 まずはスマホでメモ帳アプリを開くところからか。

『こんばんは!
 今日はありがとう!
 お話できて楽しかった!
 また話そうね!』

 桜舞にスマホを見せる。

「……そうですね。最初は軽い感じで全然いいと思います。これで送ってみましょう」

 僕は前の言うとおりに実行していく。

 メモ帳にある文章をコピーして、トークアプリのメッセージを送る欄に文章を貼り付ける。

「じゃあ、どうぞ……送ってください」

 送信ボタンを押した。

 メッセージが画面に映し出される。

「これで、よし……か」

「はい、お疲れさまでした!」

 桜舞は拍手をしてくれた。

「そこまで、しなくていいって」

「今日は、わたし以外の女の子に初めてメッセージを送った記念日です。拍手しないってのが野暮ってものですよ!」

「そうか。でも、そんな珍しいことなのか?」

「こじらせた男性は異性にメッセージを送ることすら抵抗があるって、よく聞きます」

「どこ情報?」

「ネットですが」

「桜舞の博識な部分ってネットの知識がベースなの?」

「……悪いですか?」

「いや、悪くはないんだけど……なんていうんだろ? 断言するべきことじゃない、ような?」

「確かにネットの知識だけを鵜呑みにして正論であると論破するようなのは、まあ違うとは思いますけどね。もちろん、わたしの考えも入っていますよ」

「それは経験があるということか?」

「経験、とは?」

「彼氏がいたり、彼氏がいたことがあったのかなあ、って」

「いないですし、いたこともありませんけど」

「それがドーテーを笑う心理につながるのは、なぜなんだ?」

「なぜ、とは?」

「おまえ処○じゃん。お互いさまじゃん! おまえにドーテーを笑う資格は、ねえじゃん!」

「○女だから、なんですか? わたしは、わたしに、この人ならいいって思える相手が現れるまでキスだってしませんよ」

「だったら『きゃははっ!』って笑うなよな!」

「そんなことより、もう筬屋さんから返信のメッセージが来ているようですけど」

「えっ?」

 スマホのランプが点滅していた。

 確認、してみるか。
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