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第15話
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夜の駅を歩く僕たちは、たわいもない話を続けていた。
N県は暗くなるのが早く、カラスの鳴き声が電柱から響いていた。
何回か思っていることだが、綿里さんと僕は、よく似ているな……と、思った。
僕は今、伝播高校を不登校中であり、彼女は今、商業高校に入ってしまったがゆえに進路の迷いがある。
だけど、それが似ているなんて思ったら、みんな、そうか……。
でも、僕は、このままでいいとは思っていない。
だから、やめるという選択肢は間違いではないと思いたいのだ。
僕は心のなかで悩みを処理しきれずにいる。
なにが僕に対して最良の選択肢になるのかを。
「……神憑くん?」
N県からI県までつながっている駅のなかで、綿里さんは僕を呼んだ。
「……ごめん。少し考え事をしていたんだ」
僕たちは会話を再開した。
しょうもない話の連続だったけど。
「僕アウトドア派だけど、綿里さんは?」
「私インドア派」
……みたいな感じで僕は僕らしくないことをしゃべって綿里さんに合わせようとしたのだけど、綿里さんは僕と反対のことを言うが……。
こういうことって同調したくないとか、そういう女子の好感度がゼロみたいな会話のことをなんていうんだろうか?
「もうすぐ電車が来るよ。それに乗って帰りましょう。ね? 案内してあげるから」
「ありがとう。綿里さんには、いろいろ気を使わせすぎてしまったね」
僕たちは駅の階段を上ったり下ったりしていく。
そのときに綿里さんが足をくじいた。
「……きゃあっ!」
「綿里さん、危ない!」
僕は綿里さんの体を支えた。
綿里さんの体は小さかった――もし、僕が抱きしめると骨ごと砕いてしまうかもと思うくらい華奢だった。
再び思う――日本人形のイメージが僕の脳内に流れ出した。
「……ありがとう」
綿里さんから、お礼を言われたとき、僕はドキッとした。
「じゃあ、一緒に行こう」
彼女の声、道のりを頼りに電車のなかに入っていく。
電車が動き出す。
電車が止まる。
「……じゃあ、わたし、ここで降りるね」
「……うん、今までありがとう。楽しかった」
「じゃあ……あっ、そうだ」
綿里さんは小さな紙切れを手渡してくれた。
「これ、連絡先。いつでも連絡してきていいよ」
「ありがとう。すぐに連絡するよ」
綿里さんは振り返らずに離れていった。
さようなら、綿里さん。
僕の小学校での恋が始まるのか終わるのかもわからずにドギマギしてしまうが、これは、もう会うことのない別れだとしか思えなかったんだ。
僕は、また彼女と、やり取りするとは思えなかったが、彼女との接点は、ここで終わりじゃない。
この話には、続きがある。
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