49 / 75
第49話
しおりを挟む*
――第一の刺客……?
もしかして綿里さんが《第二の組織》の最初の刺客なのか?
「でも、なんで綿里さんなんだよ……?」
「仕方なかったのです。そういう運命だったのですから」
「運命って?」
「わたしが《機関》に所属して神憑くんと戦う運命です」
どうして戦わなくてはいけないんだ……。
「わたしの能力は《氷雪》です。つまり、フィールドを強制的に氷漬けにすることが可能なのです」
術を唱える綿里さん。
「氷の針」
自動追尾する氷の術が放たれる。
「ヒルコ!」
追尾する氷の針を吸収する。
「もう、これで終わりにしてやる」
《習合》能力を使用して神を呼び出す。
「カグツチ」
迦具土と呼ばれる神は、神産みにおいてイザナギとイザナミとの間に生まれた神であるが、火の神であったために、出産時にイザナミの陰部に火傷ができたことで、イザナミは死んでしまう。そのあとに怒ったイザナギに天之尾羽張で首を落とされ殺されたという。
「氷の季節を、終わらせろ」
神の炎が氷を蒸発させる。
「絶対零度」
再び氷の季節になろうとするが。
「カグツチ」
再び氷を蒸発させる。
その繰り返しによる攻防が時間が止まった空間でおこなわれている。
「猛吹雪! 凍りつく槍騎兵! 氷の針!」
「ヒルコ」
すべての氷の術を吸収する。
「もう、なにをしても吸収することで終わりにできる。無駄だよ」
「わたしの《氷雪》能力が……」
決意に満ちた目で……。
「なら、最後の技を――」
氷雪系、最強の技を放とうとする。
「氷精霊」
瞬間的にフィールドが凍りつく。
絶対零度を超える寒さを感じる。
「カグツチ!」
カグツチとセルシウス――火の神と氷の精霊の戦いが起こっている。
その戦いは止まることを知らない。
「氷を熱しても、また氷が出てくる……」
「しつこいくらいに炎が燃え上がっていますね……」
「決着がつきそうにない」
「どう決着をつければいいのでしょうか」
「知らないよ……っていうか、どうして僕たちは戦っているんだ」
「あなたが《機関》の裏切り者だからですよ」
《影》の幽霊である友代を庇っているからか。
「ですが、正直、戦いたくはなかった……こんな形で再会するなんて、ね」
「なら、やめようよ……こんな戦いをやめて協力しあえないだろうか?」
「無理ですよ。《機関》の命令は絶対なのです」
永遠に続くであろう時間は止まることを知らない。
だけど、その時間に終わりが訪れる。
「ツクヨミ」
《彼女》の台詞とともに月の神が現れようとしていた。
月のように輝く髪を持つ《彼女》の声により、戦況は変わり始めるのだった――。
0
あなたにおすすめの小説
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる