キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第52話

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「戦いに関する協力をしてほしいって、どういうこと?」

 矢林御琴は戸惑いの表情を見せる。

「私に、なにができるの?」

「できますよ。僕のような能力の開花作業をおこなっていただきます。今までの事情を知ったからには後戻りはできませんがね」

「えっ、え、ええ……つまり、神憑さんみたいな超能力がめざめるってこと?」

「どんな能力かはわからないけど、脳の容量の空き具合によって、強い能力が開花するかもしれないし、弱い能力かもしれない……つまり、天に身を任せるしかないのです」

「私が、その……超能力者のひとりになってもいいの?」

「話を聞いたからには事情に巻き込ませていただきます。《第三の組織》には超能力者が少なすぎる。《影》の幽霊である心野友代を守る役割も担っていただきたいのです」

「でも、私、今年、受験生なんだけど……」

「伝播大学があるじゃないですか! それより優秀な大学へ行きたいなら、《想形空間イマジナリースペース》で時間を止めて勉強すればいいと思います。そういう特典で、どうですか?」

「いいね。やるやる。こんな現実を味わいたかったの! まるで夢みたい!」

「でも、命の危険が伴いますので、自分の身は自分で守るくらいの力が必要になってくると思います。まあ、僕も、できるだけサポートしますがね」

「何事にもリスクが必要だよね。でも、受け入れるよ。自分の力を信じてみたいから」

「わかりました。じゃあ早速、能力を開花させるための場所に案内しますよ」

 かつて《第二の組織》にあったヘッドギアの装置を矢林さんは装着する。

 工程は僕のときと同じだ。

 まずは脳のスキャニングとデータ化をおこなう――完了。

 そのあとに脳に《アビリティ能力》を付与するための《オーバーライト上書き》をおこなっていく――完了。

 これで矢林御琴の異能は発動できるようになった。

「終わりましたよ、矢林先輩。矢林先輩の能力は《森林しんりん》です」

「森林?」

「はい、《森林》です」

「どういう能力なの?」

「でしたら……模擬戦でも、やってみましょう」

「模擬戦か……なんか漫画かアニメの世界みたいだね。いいよ。やろう」

 その発言は、まるで戦闘狂みたいに僕は感じてしまった。

 とにかく……僕らは模擬戦をすることにした。

想形空間イマジナリースペース》で作成された闘技場へ移動する。

 早速、僕は自身の能力を発動していく。

「《習合》発動」

「《しゅうごう》って?」

神仏習合しんぶつしゅうごうの《習合》です。要は神や仏の能力を自身に付与したり、顕現したりして、神や仏の力を自身に集めたり、そのものになったりする能力です」

「へえ、じゃあ……私も発動しようかな!」

 彼女は言葉に気合いを入れる。

「《森林》発動!」

 僕の周囲には木々が集まり、林となり、さらに森となった。

 これが矢林御琴の能力か――。
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