キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第61話

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  *

 今日は金曜日。

 月子と一緒に帰る時間になった。

「神憑先輩、一緒に帰りましょ……です!」

 萌瑠が一年A組の教室まで来た。

 本当に月子が《影の女王》であるということが前提で作戦を進めていいんだな……?

「ああ、えっと……月子、この子は……」

「火花萌瑠ちゃんでしょ……知ってる。なにかと有名だよね」

「なにかとですか! 知ってもらっていて光栄です!」

「…………」

 月子は沈黙するが。

「まあ、帰ろうよ。三人でいても会話はできるからさ」

「……そうですよ! 今日は神憑先輩の家でお泊りする予定です! よかったら布佐良さんもどうですか?」

「えっ? そんな約束を彼女としてたんだ……」

「ああ、えっと……」

 してないけどなあ!

 アドリブすんじゃねえよ!

「そうなんだよ! だから、よかったら月子も、どう?」

「……いいけど」

「じゃあ、帰ろうか」

 伝播町から初凪町までの道をたどるバスへ乗る。

『…………』

 三人とも黙ったままだ。

 沈黙の時間が、ひたすら流れていく。

 実は、この間に僕の脳内では《機関》のメンバーと会話をおこなっていた。

 もちろん萌瑠を含む。

《影》が出現したときに僕だけが戦うのかを。

 もし《影の女王》――ヴィジョン・マインディングが出現したら、《機関》のメンバーで戦うって方向でいくのかを。

 まだ、だ。

 まだ、そのときじゃない。

 ――初凪町のバス停についてしまったな。

 僕の家まで行くルートになるが、月子は、いったん自分の家に戻ると言って、僕と萌瑠がいる場を離れた。

「ここから、どう展開していきますか?」

「とにかく《影》が出たら戦うだけだよ」

「待つしかないですかね」

「そうだね」

 先に僕の家まで向かうことにした……僕の家についた。

「あとは月子を待つだけだな……」

「そうですね」

 しばらくして私服を着た月子が僕の家まで来た。

 清純そうな、その姿に僕は心をやられた。

 白のワンピースだった。

 それは春のときの、真海奈の私服を思い出すことになった。

 彼女も白のワンピースを着ていたのだ。

「どう、かな……似合ってる?」

「うん、似合ってる。いいよ」

「あっー! あたしも、なにかオシャレしてくればよかったっー!」

 萌瑠が、そう思ってないのは、僕には、お見通しだ。

「月子さん、すっごく似合ってますよっー!」

「ありがとう」

 なんだか重い空気を感じる。

「……部屋に案内するね」

 月子と萌瑠を僕の部屋に案内する。

「お茶を持ってくるから、ごゆっくり……」

 僕の部屋に月子と萌瑠のふたりっきりにさせる。

 仮想の監視カメラを設置する。

 これで、どうなるんだ……?

 緊張する空気を僕は肌で感じている。
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