キミが存在しないラブコメ 〜病弱な僕が世界を変える唯一の方法〜

三浦るぴん

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第64話

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  *

 ヴィジョン・マインディングが、なぜ彼女たちをかばうのかを聞いてきたが、そんなことは――。

「仲間だからだよ。それ以外に理由が必要?」

「仲間……か」

 ふふっ、と《影の女王》であるヴィジョン・マインディングは笑う。

「仲間であるならば、どうして、そこにいる仲間というものがキミに隠しごとをしているんだ?」

「隠しごと?」

 仲間である彼女たちを見る。

 隠しごとをしているような様子ではない。

「なにを言っている? 隠しごとなんてしているわけないだろ?」

「だったら、どうして……未だに《彼女》のことを隠すんだ?」

「彼女? 彼女って誰のことだよ?」

『…………』

 仲間であるはずの彼女たちは沈黙した。

「特に心野友代と名乗る《影》よ。キミは最もしてはいけないことをしているのに、どうして彼のそばにいる?」

「してはいけないこと……?」

 いったい彼女が、なにをしたっていうんだ……?

「友代……なにか知っているのか?」

「いえ…………あたしは、なにも…………」

「それも、そうだろう。そうならざるを得ない。なぜなら自動的に忘れてしまっているからな」

「自動的に……なにを?」

「筬屋真海奈を殺し、吸収したことをだよ」

「真海奈を殺した……?」

 どういうことだ?

 真海奈は《影》に殺されたのではないか?

 いや、もしかして、その《影》が友代だったということなのか……?

「友代、嘘だと言ってくれ! キミが真海奈を殺すわけがないだろ!?」

「あたしには…………理解できません。あたしのなかには…………ない出来事です」

「それは、そうだろう……。自らの記憶を隠蔽し、その状態で、なにごともなかったように活動しているのだから、わかるはずがない。だが、《影の女王》と呼ばれる私なら理解できる。なぜなら私は《影》のしたことは手にとるようにわかるからだ」

「じゃあ、友代のしたことは……」

「本当だ。それは私がよく知っている。心野友代は殺した筬屋真海奈の魂を吸収し、彼女と似たような人間の姿になったんだ。彼女が筬屋真海奈と似ているのは、それが由来だ」

「そんな……」

 友代が仇だったなんて……嘘だ。

「僕は友代に復讐しなければいけないのか……?」

「それに、それだけではないぞ」

「えっ……!?」

「そこにいる彼女たちはキミを騙している。火花萌瑠、椎菜爽芽、矢林御琴はな」

「どういうことだ、三人とも……?」

「いえっ……」

「私たちは……」

「なにも……」

「本当か? キミたち……彼女らが作ったんだろう……?」

「作ったって、なにを……?」

「《妄想具現症》という病を……だよ」
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