【ふたなり百合】月イチ生える牛型巨女が魅了バフ持ち受付ヒーラーと協力してレベルアップ素材(童貞喪失精子)ゲットする【ゲーム系異世界】

春Q

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破・隷属の首輪+5でダンジョンクリア編

18.I love you.

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 魔物バグたちは、ゆっくりとしかし着実に壁の修繕を続けている。

「まったく、こんなに外から丸見えじゃ、落ち着かなくて今日は仕事にならん。ちょっと年寄りの散歩に付き合ってもらうぞ」

 店主のジーニョにこう言われては、ゴズメルとリリィは従うほかなかった。ダンジョンを散歩、というと妙な言い回しだが、こと第六層に限ってはジーニョの庭のようなものだ。

 店の奥に進むと、素材の錬成を行うための工房がある。工房のはしには、フロアに設置されているのと同じ石像が置いてある。それを壁に向かって動かすと……三人は店の外、フロアの中央の石像の前に出ていた。

「へぇっ、ワープ魔法か。こりゃ便利だねえ」

「魔法とギミックの区別もつかないのか、三流冒険者め」

「なんだと!?」

 怒ったゴズメルに、ジーニョは鼻をつーんと高くして説明した。

「ダンジョンで石像を動かしたあと、いったん部屋を出ると石像の位置がリセットされる。俺はそのギミックに着目して、石像に魔物バグを噛ませ、あちこち移動できるよう改造したのだ」

「発明家なのですね、おじさまは」

「うん、まあね……」

 リリィに持ち上げられて、ジーニョはなんだか嬉しそうだった。

 きっとこの老人は孤独なのだろうな、とゴズメルは察した。だって店があるにも関わらず、装置を使ってフロアを移動し、瀕死の冒険者に魔道具を売りつけているらしいのだ。本当にひと嫌いなら、死にかけた者のことなど見殺しにすればいい。

 ジーニョは技術はあるのに、遠まわしな方法でしか他人とコミュニケーションをとることができない気の毒な老人らしかった。

「しかしだね、お嬢さん」

 ジーニョはリリィに偉そうに言った。

「妖精族であるにも関わらず翅を切るなんてまったく感心しない考えだ。祖先から受け継いだ種族的特徴を捨ててしまったら、新天地へ行けなくなってしまうだろう」

 ジーニョは偏屈なうえ信心深いらしい。ゴズメルはこっそりと嘆息した。

『新天地』とは天国のことだ。死んだプレイヤーはノァズァークを離れ、新天地で新しい生活をすると言われている。

 だが、なんとその天国には種族的特徴がはっきりした純種しか行けないらしい。雑種はもちろんのこと、翅や角を失った者は例外なく魂を失って消滅するという、差別要素のある伝説なのだった。

「アジリニ神だって考えがあって、お嬢さんにその翅を与えたのだ。翅を切る手伝いなどできん」

「でも、そんな……」

「無理なんだってさ、リリィ」

 ゴズメルは命令にならないよう気をつけながら言った。

 リリィがこんなに思い詰めているなんて、ゴズメルは知らなかった。隷属の首輪のせいで余計に自分を卑下してしまっているのだろう。早く解放してあげなければならない。

「ね、いい子だから、今日は『魔封じのアミュレット』を買って帰ろうよ。翅のことはまた一緒に考えよう」

「ご主人様……」

 悲しげなリリィを、ゴズメルはいっそ抱きしめてしまいたかった。

 首輪の力で『いいからあたしのものになれっ!』と命令して、悩み苦しむこともやめさせてしまいたい。

 だが、リリィには意思があり、気持ちがある。ゴズメルはリリィに自分の心のままに生きてほしかった。

 店に戻ると、ジーニョはさっそく工房にこもった。彼は礼儀正しいリリィを気に入ったようだ。なんとリリィ専用に、魔封じのアミュレットをいちから作ってくれるのだという。

 出来上がりを待つ間、リリィとゴズメルは店内の椅子に座り、一緒に隷属の首輪の契約書を読み直した。

「なるほど、着けた時と同じで、あたしが外せばいいようだね。どれどれ……」

「待ってください、ご主人様! 魔封じのアミュレットを装備してからじゃないと、大変なことになります!」

「あ、そうか。ごめん」

 そう言われて、ゴズメルは慌てて手を引っ込めた。

「……まったく、あたしはドジってばかりで、全然いいご主人様じゃなかったね。その点、リリィのお嬢様ぶりは堂に入ってたよ。なんでも言うこと聞きたくなっちまった」

「そんなことありませんわ。私のご主人様は、とっても頼もしくて、素敵で……」

 リリィは恥じらうように唇を閉じ、直後、びくっと肩を震わせた。

 ゴズメルが彼女の手を、そっと触ったからだ。

「ね、リリィ」

「はい……」

「この首輪が取れたら、あたし、あんたに話したいことがあるんだよ」

「今、なんなりと仰ってください。私はご主人様のお役に立ちますから」

「だめだよ。後で……」

 いつの間にか顔と顔が近づいていて、二人は瞬いた。

 慌てて体をひこうとするリリィの手をゴズメルは引きとめる。

 驚くほど小さくて白い手だった。ゴズメルとはまるで正反対だ。ゴズメルは胸がきゅんとした。

「……ああ、あんたを色んなところに連れて行きたいなあ。リリィ」

「色んなところ、ですか?」

「うん、山とか、海とか、別にそのへんの町をぷらぷら歩くでもいいんだけどさ。そうだ、今度一緒に服を買いに行こうよ。なんなら今日の帰りだっていい。いや、今日はもうくたびれたから、このへんで宿をとって、明日のんびり帰ろっか。ねえ、そうしない?」

 楽しい思いつきの止まらないゴズメルに、リリィは微笑んだ。

「そんなふうに誘っていただけて、とても嬉しいです。でも、私は今日昨日と仕事を休んでいるのだし、冒険者協会のみんなにこれ以上負担をかけてしまうのは……」

「逆に考えるんだっ。負担をかけたみんなにお土産のひとつも買って帰らないのは失礼ってもんじゃないか!」

「まぁ……!」

 リリィは可笑しそうにくすくす笑った。その無邪気な様子に、ゴズメルはすっかり心を打たれた。もう、どうしても気持ちを抑えられない。ぎゅっと握った手を自分の頬に当てて、ゴズメルは言った。

「……あんたが好きだよ、リリィ。あたしは知らなかったけど、愛してるってこういう気持ちのことを言うんだと思う」

 リリィの手から力が抜ける。ゴズメルは彼女の手を掴んだまま、大きなエメラルドの瞳から目を逸らさなかった。

「返事は、首輪が外れた後でいい。だけど、もしもあたしの気持ちに応えてくれるんなら、翅を捨てたいなんて、もう二度と言わせない。あんたの身も心も目いっぱい愛して、翅があってよかった、嬉しいって思わせてみせるから」

 本当だよ、とゴズメルは鋭く囁き、リリィの手に唇を付ける。

 リリィの息は震えていた。奴隷である彼女は、あるいは命令されたいのかもしれなかった。

 しかし、潤んだ瞳には確かに希望のきらめきが躍っている。

「おっ? もうできたのかな」

 レベルアップ時と同様、魔道具が仕上がると特徴的な効果音が鳴る。

 店の奥から聞こえてきた効果音に、ゴズメルは手を離して立ち上がった。

「リリィ、見に行ってみようよ。……うん?」

 真っ赤になったまま座っているリリィは、ゴズメルの服の裾をきゅっと掴んでいた。

 ゴズメルが首をかしげて屈むと、その耳元に顔を寄せ、小さく唇を動かす。

 その言葉に興奮したゴズメルが、ジーニョの工房に突進して出入口を破壊するのは、およそ五秒後のことである。
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