134 / 203
404 not found
2:かなしみクッキング!
しおりを挟む
とんとん拍子でマリアの厄介になると決まった時、ゴズメルは異議の申し立てようもなかった。急に放り出されるよりはるかに有難い話だったし、マリアとの共同生活が記憶を取り戻すよすがになればと思ったのである。
ゴズメルはしっかり溶きほぐした卵をフライパンの上に流し入れた。フライパンをがしゃがしゃとゆすりながら、固まってきたふちの部分を内側に巻き込む。
『そうそう、とっても上手よ、ゴズメル』
菜箸を素早く動かすゴズメルのわきで、誰かがそう言ったような気がした。料理をしているとたまに聞こえる幻聴だ。ゴズメルは聞こえないふりをしつつ、フライパンの中にオムレツのかたちを作っていく。
『はい、奥から手前に揺り動かすように、トン・トン・トン』
火から浮かせたフライパンの持ち手を、空いている片手でリズムよく叩く。すると、ふっくらと丸みのある半月ができあがるのだった。
そこに誰もいないとわかっていて、ゴズメルはちらっと横を見た。『すごい。ちょっと教えただけでこんなに上手にできるなんて、あなたは料理の天才だわ!』そう言って大喜びしてくれるひとがいるような気がして。
だが、誰もいなかった。
ちん、と音を立ててトーストが焼き上がる。
「うお、やべっ」
ゴズメルは慌ててもうひとつオムレツを焼き、サラダを作り、食卓へ運んだ。すでにマリアは身支度を整えて席に着いている。ちょっと無理して一度に皿を運ぶゴズメルを見て「ふふ」とこばかにしたように鼻を鳴らした。
皿を並べつつ、ゴズメルはマリアにオムレツの光沢を示してみせた。
「今日のオムレツは、とっても上手にできたと思うよ。見ておくれ、色も綺麗だし焼き加減も最高」
「……あら、なぁに? あなた、もしかして私に褒めてほしいのかしら」
「いや。別に、そういう意味じゃないけど……」
意地悪く切り返されて、ゴズメルは口ごもった。本当は褒めてほしかったのかもしれない。作っている時に聞こえたあれが、幻聴ではなかったと思いたいのだ。
二人で囲む食卓は静かだった。ゴズメルは気づまりで、尋ねてみた。
「……ねえ、マリアってオムレツは作れるのかい?」
音を立てずにフォークを使っていたマリアの手が、止まる。彼女は皿のふちに食器を置いてゴズメルを見つめた。
「ゴズメル」
「はい。なんだい」
「私はすべてにおいて完璧なの」
「はぇっ?」
「ふふ。あなたの前に座る私を、よく見るといいわ。美しいでしょう?」
「うん? うん……それは、まぁ」
確かにマリアは美人だった、いまのゴズメルに角が一本しかないから余計にそう思うのかもしれないが、額から突き出た黒い角は見事というほかない。ごつごつとした強そうな角なので、顔立ちの優美さが余計に引き立って見える。それに月光を織ったような銀髪ときたら、まるで神話の世界から抜け出してきたみたいだ。
マリアは綺麗な顔で高飛車に言った。
「冒険者協会本部の副会長である私は人望厚く、頭脳明晰、仕事そっちのけで遊び惚けている会長に代わって数々の難題を解決してきたスーパースターなのです」
「……おう」
ゴズメルは恐れ入った。実際そうなのかもしれないが、自分で自分のことをそこまで誉めそやせるのは、ある意味大したものだと思う。マリアはまるで物怖じせずに自分を誇った。
「そのうえね、私はあなたのような毒にも薬にもならない愚物に哀れみをかけるほどの人格者なのよ。あぁゴズメル、この私を目の前にして、なぜ卵料理の成功ひとつでそこまで偉そうにできるの?」
「……えっと。気に障ったならごめんよ、それで、マリアってオムレツを作れるの?」
「ええ、作れるわ。やろうと思えば、あなたよりもずっと上手くね!」
力強く断言されて、ゴズメルは嬉しくなった。
「じゃあやっぱり、あたしにオムレツの作り方を教えてくれたのはマリアだったんだ!」
「……は?」
「変だと思った。なんだかコレ作ってるだけで、あたしは胸がふわふわしてさ。あんたの記憶がなくても、あんたに教わった手の動かし方は覚えてるもんなんだねえ、マリア!」
ゴズメルは、きっとマリアが喜んでくれると思ってそう言ったのだが、彼女は全く喜ばなかった。むしろ美しい顔から表情を消して「私、もう出かけるわ」と食卓を立ってしまう。
「えっ……なんでさ。まだ残ってるよ。美味しくなかった?」
「ええ、その通りよ」
「……えっ」
「私、こんなにひどい食事って初めてで驚いたわ。ふふ。あなた、もう卵には触らないほうがいいんじゃない?」
「な、なんで……?」
「これじゃ、ニワトリに気の毒というものよ」
予想だにしていなかった手酷い皮肉に、ゴズメルはショックを受けた。マリアは「これ、捨てておいてちょうだい? ゴズメル」と軽い調子で言った。
「あぁ、私の食べかけをどうしてもかじりたいというなら、止めはしないけれど」
「…………」
ゴズメルは皿を見つめたまま、返事をしなかった。マリアはさっさと出かけてしまう。見送りに立たないとまた後からブーブー言われるとわかっていても、足に入らなくて立ち上がれない。
こんなしょうもないことで傷つきたくないのだが、なんだか目の前で命綱を切られてしまったような気がした。
(きっと、今度こそ喜んでくれると思ったのに)
マリアにとってのゴズメルは、やはりただの召使いなのだろうか。ゴズメルは、マリアが『あなたの恋人よ』と自己紹介したのがずっと引っかかっていた。もしもあれが冗談などではなかったとして、マリアは、やはりゴズメルに忘れられていたのがショックで、召使いだなどと言ったのではないだろうか。
あれこれと辛くあたってくるのも、プライドを傷つけられた彼女なりの復讐というか、なんだか必死に甘えようとしている感じがする。とても綺麗だけれど繊細なお姫様みたいに。
「とかなんとか理屈つけてブン殴ってやりたい気持ちをおさめているけど、あのクソ女との同居はもう精神的に限界だっ! このままじゃあたしは、あいつの腹かっさばいて素揚げにしちまいそうだ!!」
「う、ううーん……」
数刻後、ゴズメルは冒険者協会付属の研究施設にいた。
週に一度、問診を受けにきているのだが、ゴズメルにとってはマリアに対する愚痴を吐き出せる貴重な機会だった。担当ヒーラーのリーは若く見えるが、マリアのことを昔からよく知っているらしい。
「マリアちゃんは、やきもちを焼いてるんだと思うけどね……」
「やきもちィ!? そんな可愛いもんじゃないよ、あれはイジメだっ。パワハラかつ精神的DVだ!」
「そうねえ。まぁ、もしかすると仕事のストレスを全部ぶつけてるのかもしれない……」
「記憶喪失のあたしに八つ当たりするなーッ!」
「いや、ごもっともごもっとも……おっと」
その時、研究室のセルフォンが鳴った。
ゴズメルはしっかり溶きほぐした卵をフライパンの上に流し入れた。フライパンをがしゃがしゃとゆすりながら、固まってきたふちの部分を内側に巻き込む。
『そうそう、とっても上手よ、ゴズメル』
菜箸を素早く動かすゴズメルのわきで、誰かがそう言ったような気がした。料理をしているとたまに聞こえる幻聴だ。ゴズメルは聞こえないふりをしつつ、フライパンの中にオムレツのかたちを作っていく。
『はい、奥から手前に揺り動かすように、トン・トン・トン』
火から浮かせたフライパンの持ち手を、空いている片手でリズムよく叩く。すると、ふっくらと丸みのある半月ができあがるのだった。
そこに誰もいないとわかっていて、ゴズメルはちらっと横を見た。『すごい。ちょっと教えただけでこんなに上手にできるなんて、あなたは料理の天才だわ!』そう言って大喜びしてくれるひとがいるような気がして。
だが、誰もいなかった。
ちん、と音を立ててトーストが焼き上がる。
「うお、やべっ」
ゴズメルは慌ててもうひとつオムレツを焼き、サラダを作り、食卓へ運んだ。すでにマリアは身支度を整えて席に着いている。ちょっと無理して一度に皿を運ぶゴズメルを見て「ふふ」とこばかにしたように鼻を鳴らした。
皿を並べつつ、ゴズメルはマリアにオムレツの光沢を示してみせた。
「今日のオムレツは、とっても上手にできたと思うよ。見ておくれ、色も綺麗だし焼き加減も最高」
「……あら、なぁに? あなた、もしかして私に褒めてほしいのかしら」
「いや。別に、そういう意味じゃないけど……」
意地悪く切り返されて、ゴズメルは口ごもった。本当は褒めてほしかったのかもしれない。作っている時に聞こえたあれが、幻聴ではなかったと思いたいのだ。
二人で囲む食卓は静かだった。ゴズメルは気づまりで、尋ねてみた。
「……ねえ、マリアってオムレツは作れるのかい?」
音を立てずにフォークを使っていたマリアの手が、止まる。彼女は皿のふちに食器を置いてゴズメルを見つめた。
「ゴズメル」
「はい。なんだい」
「私はすべてにおいて完璧なの」
「はぇっ?」
「ふふ。あなたの前に座る私を、よく見るといいわ。美しいでしょう?」
「うん? うん……それは、まぁ」
確かにマリアは美人だった、いまのゴズメルに角が一本しかないから余計にそう思うのかもしれないが、額から突き出た黒い角は見事というほかない。ごつごつとした強そうな角なので、顔立ちの優美さが余計に引き立って見える。それに月光を織ったような銀髪ときたら、まるで神話の世界から抜け出してきたみたいだ。
マリアは綺麗な顔で高飛車に言った。
「冒険者協会本部の副会長である私は人望厚く、頭脳明晰、仕事そっちのけで遊び惚けている会長に代わって数々の難題を解決してきたスーパースターなのです」
「……おう」
ゴズメルは恐れ入った。実際そうなのかもしれないが、自分で自分のことをそこまで誉めそやせるのは、ある意味大したものだと思う。マリアはまるで物怖じせずに自分を誇った。
「そのうえね、私はあなたのような毒にも薬にもならない愚物に哀れみをかけるほどの人格者なのよ。あぁゴズメル、この私を目の前にして、なぜ卵料理の成功ひとつでそこまで偉そうにできるの?」
「……えっと。気に障ったならごめんよ、それで、マリアってオムレツを作れるの?」
「ええ、作れるわ。やろうと思えば、あなたよりもずっと上手くね!」
力強く断言されて、ゴズメルは嬉しくなった。
「じゃあやっぱり、あたしにオムレツの作り方を教えてくれたのはマリアだったんだ!」
「……は?」
「変だと思った。なんだかコレ作ってるだけで、あたしは胸がふわふわしてさ。あんたの記憶がなくても、あんたに教わった手の動かし方は覚えてるもんなんだねえ、マリア!」
ゴズメルは、きっとマリアが喜んでくれると思ってそう言ったのだが、彼女は全く喜ばなかった。むしろ美しい顔から表情を消して「私、もう出かけるわ」と食卓を立ってしまう。
「えっ……なんでさ。まだ残ってるよ。美味しくなかった?」
「ええ、その通りよ」
「……えっ」
「私、こんなにひどい食事って初めてで驚いたわ。ふふ。あなた、もう卵には触らないほうがいいんじゃない?」
「な、なんで……?」
「これじゃ、ニワトリに気の毒というものよ」
予想だにしていなかった手酷い皮肉に、ゴズメルはショックを受けた。マリアは「これ、捨てておいてちょうだい? ゴズメル」と軽い調子で言った。
「あぁ、私の食べかけをどうしてもかじりたいというなら、止めはしないけれど」
「…………」
ゴズメルは皿を見つめたまま、返事をしなかった。マリアはさっさと出かけてしまう。見送りに立たないとまた後からブーブー言われるとわかっていても、足に入らなくて立ち上がれない。
こんなしょうもないことで傷つきたくないのだが、なんだか目の前で命綱を切られてしまったような気がした。
(きっと、今度こそ喜んでくれると思ったのに)
マリアにとってのゴズメルは、やはりただの召使いなのだろうか。ゴズメルは、マリアが『あなたの恋人よ』と自己紹介したのがずっと引っかかっていた。もしもあれが冗談などではなかったとして、マリアは、やはりゴズメルに忘れられていたのがショックで、召使いだなどと言ったのではないだろうか。
あれこれと辛くあたってくるのも、プライドを傷つけられた彼女なりの復讐というか、なんだか必死に甘えようとしている感じがする。とても綺麗だけれど繊細なお姫様みたいに。
「とかなんとか理屈つけてブン殴ってやりたい気持ちをおさめているけど、あのクソ女との同居はもう精神的に限界だっ! このままじゃあたしは、あいつの腹かっさばいて素揚げにしちまいそうだ!!」
「う、ううーん……」
数刻後、ゴズメルは冒険者協会付属の研究施設にいた。
週に一度、問診を受けにきているのだが、ゴズメルにとってはマリアに対する愚痴を吐き出せる貴重な機会だった。担当ヒーラーのリーは若く見えるが、マリアのことを昔からよく知っているらしい。
「マリアちゃんは、やきもちを焼いてるんだと思うけどね……」
「やきもちィ!? そんな可愛いもんじゃないよ、あれはイジメだっ。パワハラかつ精神的DVだ!」
「そうねえ。まぁ、もしかすると仕事のストレスを全部ぶつけてるのかもしれない……」
「記憶喪失のあたしに八つ当たりするなーッ!」
「いや、ごもっともごもっとも……おっと」
その時、研究室のセルフォンが鳴った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
白雪様とふたりぐらし
南條 綾
恋愛
高校1年生の紫微綾は、生きることに疲れ、雪の山で自らの命を終えようとしたその瞬間――
美しい御小女郎姿の少女・白雪が現れ、優しく彼女を救う。
白雪は実は古の仏神・ダキニ天の化身。暇つぶしに人間界に降りた彼女は、綾に「一緒に暮らそう」と提案し……?
銀髪の少女と神様の、甘く温かなふたりぐらしが始まる。
【注意事項】
本作はフィクションです。
実在の人物・団体・宗教・儀礼・場所・出来事とは一切関係ありません。 作中で登場する神仏や信仰に関する表現は、物語の雰囲気づくりを目的とした創作によるものであり、特定の宗教や思想を推進・否定する意図は一切ございません。
純粋なエンターテイメントとしてお楽しみいただければ幸いです。
さくらと遥香(ショートストーリー)
youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。
その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。
※さくちゃん目線です。
※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。
※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。
※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[完結]
(支え合う2人)
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる