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第2部
【5】妄想女の擬似デート?③(~到着)
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【5ー③】
ーーああ、危なかった。奏が『現実世界』のイケメンでよかったよ。これがもし『春人』クンだったら本当に脳ミソご臨終だったもん。
そんな私は奏によってもたらされた“キュン死”から合格発表の時に お世話になったクリクリ頭の可愛い天使さん達が私の魂の入った棺を雲の上の教会へと運んで行き、そこの天使の超イケメン神父様が初回無料サービスで生き返らせてくれたーーという白昼夢を見た。
ーー乙女ゲームとは、ちょ~っと違うケド、やっぱりイケメン神父は外せないよね? ーーへへっ。
それにしても奏はいつからこんな大人っぽい物言いをする子になったんだろう?
いや、もう高校生なんだから、それくらいは当たり前なのか? だけど弟の康介なんかは相変わらず口が悪いし、年下のくせして態度もデカい。
ーーああ、ほんっとに康介に奏の優しさを見習わせたいわ。しかもどうして、こんなにも性格の違う康介と奏が親友なのかが今でも不思議で分からない。
*****
そんな私が正気を取り戻す頃には電車は既に駅に到着していた。
そして私は奏と共にショッピングモールの入り口の前に立つと、すかさずバックの中から持ってきたファッション眼鏡を取り出して装着する。
「あれ? その眼鏡ーーーお姉さんって、もしかして目が悪かったんですか?」
そんな眼鏡をかけた私を見てキョトンとする奏に私はチッチッと人差し指を振る。
「それは違うよ、ワトソンくん。 これから私達は秘密裏に、ここを視察しようというのだから、それには変装が必須というだけだよ。何処に敵の目があるか分からんからねーーー」
「敵? ですか??」
私の探偵気取りの言葉に益々奏の表情には『?』が浮かんでいる。
それも無理はないが、私にもそれには一応 事情がある。
ーーというのも、突然の康介の言葉に後押しされる形で奏と二人で出掛ける展開になってしまい後になって、よくよく考えたら、それはかなり不味い事に気が付いた。
決して奏と出掛けるのが嫌だという事では勿論ないが、奏は昔の子供の頃とは違って今や入学早々『学園の王子様』という異名を持つ、まさに我が校の女生徒達のアイドルである。
そんなイケメンアイドルと二人で休日に出掛けるなどと、まさに自殺行為!
しかも場所が休日のショッピングモールともなると、同じ学校の生徒達が何処かしらにいてもおかしくはない。
それでなくとも校内では私とは赤の他人であるように無関心に振る舞えと弟二人に言いきかせているのに、これでは私が奏と親しい事が周囲に知られてしまう可能性がある。
そうなると芋ずる式に康介と姉弟だという事も知れ渡って、あのダークな中学校ライフが再び再現されかねない。なので急遽、外見を変装する事にした。
学校での私の姿は青春真っ只中の乙女であるJKにあるまじき、今時、何の洒落っ気すらもない地味で目立たない女。
そんな私が髪を綺麗に結っていて眼鏡で顔を隠せば、私を見知っている者がいても誰もその本人だとは思わないだろう。
ーーああ、くっそ、康介め~ アイツが急にあんな事を言い出すから、こんな事になっちゃったんじゃない。
うう~っ、でも実際奏を誘ったのは私の方なんだよな………
ーームウゥゥ。
しかも逃亡しようとしてたの、すっかり忘れてた。なのに逃げ出すはずだった対象の相手と一緒にいるだなんて、本末転倒もいいとこだよ!
ーーやっぱ、無理矢理にでも康介を引っ張ってくれば良かった。
実の弟が一緒なら もし最悪、私と彼等の関係が周囲にバレても何とでも言い訳が立つけれど、いくら弟だといっても奏とは赤の他人。口さがない変な噂が立っても おおいに困る。
それに康介も康介だよ! 私のような『妄想オタク女』と奏を二人きりにするなんて、奏の身が危ないとか何とか言ってなかったっけ?
それなのに二人きりにするって言っている事とやっている事が違うじゃんか!
大事なあんたの親友なんでしょ? 心配なんでしょ? だったら一緒に来い!!っつーの!!
「な~んてね? ーーあはは、奏ってばマジな顔過ぎ。これはファッション眼鏡だよ。たまには、こういうのも変わってていいでしょ? ーー似合わない?」
そう言って、おどけて見せると奏も小さく笑う。
「いえ、そんな事はないです。ただ、お姉さんが眼鏡をかけているのを見るのは初めてだったので、いつもの雰囲気とは違って、まるで違う人のような感じがしたから少し驚きました。ーーすみません」
それを聞いた私は思わずニヤリと笑って奏には気付かれないように、そっと小さくガッツポーズを取る。
よ~しよしっ! 幼馴染みの奏にも別人に見えるのなら、他の人の目には尚更別人にしか映らない。
それでも一抹の不安があるのは私の身長が一般女子に比べると、かなり高い方なので、それで見分けられてしまうと私を特定されそうで少々心配ではあるが、
それでも最近の流行である女物の靴は足長効果を意識して底上げで作られているので、世の女性達がそれを履けば今の私の身長と同じくらいにはなる。
だから私が底上げの靴さえ履かなければ、さほど周りから目立つ事もないだろう。やったね! 流行万歳!!
そして奏の無自覚の年下萌え攻撃対策として私は一案を講じた。
それはーーー『おどける』
ああ、なんて素晴らしい!
これなら、どんなイケメン萌えセリフがいつ何時、飛んでこようともマタドールの如くひらりと躱せるし、しかも事前に防げる効果も期待出来る。
ただ些かふざけたチャラい性格の女にはなるが、まあ、普段の私もある意味似たようなものだから、そこは気にしない事にする。
それに康介と違って優しくて器の大きい奏は私が多少子供っぽいふざけた態度を取っても、きっと笑って許してくれるだろう。
しかし、これが逆に康介の場合なら、私がそんなふざけた態度を取ろうものなら、こめかみに青筋を幾つも立てて、
「ーーっつざけんなっ!! 人をおちょくんのも大概にすれや! この馬鹿女!!」
ーーという言葉が、かなりの高確率で返ってくるだろうーーーうん。
「あはは、なんで謝んの? もう~奏は気を遣い過ぎだって! しょうがないなあ。
ーーあ、えっと、眼鏡ついでに この格好も大丈夫? 変じゃない?? 康介がチョイスしたのをなんかもう無理矢理着せられたんだけど、私的にはこれって、ちょっと可愛すぎるというか全く似合わないと思うんだけど………
ちなみに、これはウチのお母さんが買ってきたんだよ。私が普段からガサツなもんだから、少しは年頃の女の子らしい格好でもして感性を養え! ーーだって。
大きなお世話だって言うの! だから この格好は正直、私の趣味じゃないんで見た目の良し悪しが分かんないんだよね」
そんな私の格好といえば、自分では絶対に着ないであろうウエストに大きなリボンを結んだ花柄レース調のフレアースカートに、上は袖がパフスリーブの胸元に編み込み式の細いリボンがついたブラウス。
そして、そんな甘めの服装を若干抑える太腿まで隠れる薄地のロングパーカーを着用している。
そんな私の、いつもの出掛けるスタイルといえば、Tシャツ、ジーンズ、パーカーというカジュアルスタイルが基本なので、このようなフェミニンスタイルなど、どうにも恥ずかしくて仕方がない。
しかし康介が言うには男とデートをするなら可愛い格好をするのが基本 常識らしい。
ーーいや、私の場合、そもそもデートじゃないんだけどーーー
【5ー続】
ーーああ、危なかった。奏が『現実世界』のイケメンでよかったよ。これがもし『春人』クンだったら本当に脳ミソご臨終だったもん。
そんな私は奏によってもたらされた“キュン死”から合格発表の時に お世話になったクリクリ頭の可愛い天使さん達が私の魂の入った棺を雲の上の教会へと運んで行き、そこの天使の超イケメン神父様が初回無料サービスで生き返らせてくれたーーという白昼夢を見た。
ーー乙女ゲームとは、ちょ~っと違うケド、やっぱりイケメン神父は外せないよね? ーーへへっ。
それにしても奏はいつからこんな大人っぽい物言いをする子になったんだろう?
いや、もう高校生なんだから、それくらいは当たり前なのか? だけど弟の康介なんかは相変わらず口が悪いし、年下のくせして態度もデカい。
ーーああ、ほんっとに康介に奏の優しさを見習わせたいわ。しかもどうして、こんなにも性格の違う康介と奏が親友なのかが今でも不思議で分からない。
*****
そんな私が正気を取り戻す頃には電車は既に駅に到着していた。
そして私は奏と共にショッピングモールの入り口の前に立つと、すかさずバックの中から持ってきたファッション眼鏡を取り出して装着する。
「あれ? その眼鏡ーーーお姉さんって、もしかして目が悪かったんですか?」
そんな眼鏡をかけた私を見てキョトンとする奏に私はチッチッと人差し指を振る。
「それは違うよ、ワトソンくん。 これから私達は秘密裏に、ここを視察しようというのだから、それには変装が必須というだけだよ。何処に敵の目があるか分からんからねーーー」
「敵? ですか??」
私の探偵気取りの言葉に益々奏の表情には『?』が浮かんでいる。
それも無理はないが、私にもそれには一応 事情がある。
ーーというのも、突然の康介の言葉に後押しされる形で奏と二人で出掛ける展開になってしまい後になって、よくよく考えたら、それはかなり不味い事に気が付いた。
決して奏と出掛けるのが嫌だという事では勿論ないが、奏は昔の子供の頃とは違って今や入学早々『学園の王子様』という異名を持つ、まさに我が校の女生徒達のアイドルである。
そんなイケメンアイドルと二人で休日に出掛けるなどと、まさに自殺行為!
しかも場所が休日のショッピングモールともなると、同じ学校の生徒達が何処かしらにいてもおかしくはない。
それでなくとも校内では私とは赤の他人であるように無関心に振る舞えと弟二人に言いきかせているのに、これでは私が奏と親しい事が周囲に知られてしまう可能性がある。
そうなると芋ずる式に康介と姉弟だという事も知れ渡って、あのダークな中学校ライフが再び再現されかねない。なので急遽、外見を変装する事にした。
学校での私の姿は青春真っ只中の乙女であるJKにあるまじき、今時、何の洒落っ気すらもない地味で目立たない女。
そんな私が髪を綺麗に結っていて眼鏡で顔を隠せば、私を見知っている者がいても誰もその本人だとは思わないだろう。
ーーああ、くっそ、康介め~ アイツが急にあんな事を言い出すから、こんな事になっちゃったんじゃない。
うう~っ、でも実際奏を誘ったのは私の方なんだよな………
ーームウゥゥ。
しかも逃亡しようとしてたの、すっかり忘れてた。なのに逃げ出すはずだった対象の相手と一緒にいるだなんて、本末転倒もいいとこだよ!
ーーやっぱ、無理矢理にでも康介を引っ張ってくれば良かった。
実の弟が一緒なら もし最悪、私と彼等の関係が周囲にバレても何とでも言い訳が立つけれど、いくら弟だといっても奏とは赤の他人。口さがない変な噂が立っても おおいに困る。
それに康介も康介だよ! 私のような『妄想オタク女』と奏を二人きりにするなんて、奏の身が危ないとか何とか言ってなかったっけ?
それなのに二人きりにするって言っている事とやっている事が違うじゃんか!
大事なあんたの親友なんでしょ? 心配なんでしょ? だったら一緒に来い!!っつーの!!
「な~んてね? ーーあはは、奏ってばマジな顔過ぎ。これはファッション眼鏡だよ。たまには、こういうのも変わってていいでしょ? ーー似合わない?」
そう言って、おどけて見せると奏も小さく笑う。
「いえ、そんな事はないです。ただ、お姉さんが眼鏡をかけているのを見るのは初めてだったので、いつもの雰囲気とは違って、まるで違う人のような感じがしたから少し驚きました。ーーすみません」
それを聞いた私は思わずニヤリと笑って奏には気付かれないように、そっと小さくガッツポーズを取る。
よ~しよしっ! 幼馴染みの奏にも別人に見えるのなら、他の人の目には尚更別人にしか映らない。
それでも一抹の不安があるのは私の身長が一般女子に比べると、かなり高い方なので、それで見分けられてしまうと私を特定されそうで少々心配ではあるが、
それでも最近の流行である女物の靴は足長効果を意識して底上げで作られているので、世の女性達がそれを履けば今の私の身長と同じくらいにはなる。
だから私が底上げの靴さえ履かなければ、さほど周りから目立つ事もないだろう。やったね! 流行万歳!!
そして奏の無自覚の年下萌え攻撃対策として私は一案を講じた。
それはーーー『おどける』
ああ、なんて素晴らしい!
これなら、どんなイケメン萌えセリフがいつ何時、飛んでこようともマタドールの如くひらりと躱せるし、しかも事前に防げる効果も期待出来る。
ただ些かふざけたチャラい性格の女にはなるが、まあ、普段の私もある意味似たようなものだから、そこは気にしない事にする。
それに康介と違って優しくて器の大きい奏は私が多少子供っぽいふざけた態度を取っても、きっと笑って許してくれるだろう。
しかし、これが逆に康介の場合なら、私がそんなふざけた態度を取ろうものなら、こめかみに青筋を幾つも立てて、
「ーーっつざけんなっ!! 人をおちょくんのも大概にすれや! この馬鹿女!!」
ーーという言葉が、かなりの高確率で返ってくるだろうーーーうん。
「あはは、なんで謝んの? もう~奏は気を遣い過ぎだって! しょうがないなあ。
ーーあ、えっと、眼鏡ついでに この格好も大丈夫? 変じゃない?? 康介がチョイスしたのをなんかもう無理矢理着せられたんだけど、私的にはこれって、ちょっと可愛すぎるというか全く似合わないと思うんだけど………
ちなみに、これはウチのお母さんが買ってきたんだよ。私が普段からガサツなもんだから、少しは年頃の女の子らしい格好でもして感性を養え! ーーだって。
大きなお世話だって言うの! だから この格好は正直、私の趣味じゃないんで見た目の良し悪しが分かんないんだよね」
そんな私の格好といえば、自分では絶対に着ないであろうウエストに大きなリボンを結んだ花柄レース調のフレアースカートに、上は袖がパフスリーブの胸元に編み込み式の細いリボンがついたブラウス。
そして、そんな甘めの服装を若干抑える太腿まで隠れる薄地のロングパーカーを着用している。
そんな私の、いつもの出掛けるスタイルといえば、Tシャツ、ジーンズ、パーカーというカジュアルスタイルが基本なので、このようなフェミニンスタイルなど、どうにも恥ずかしくて仕方がない。
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