ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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お泊まりしたい

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高架下の何ヵ所かある出入口の中から、今日選んだ出入口のところに小さな家っぽい木材の建物が三軒。

フェンスから離れたところにあるそれらの玄関の前には、ラティスフェンスがある。


「タイニーハウス?」
「そんな感じに見えるね。」

良く見ると、一泊4000~等の書かれた料金表と近くには受付が。


「宿?」
「一泊とか書かれてるし、宿なんだろうね。」

「前来た時、こんなのあった?」
「なかったと思う。」

「オープンしたのは半年前なんです。」


なんか知らない人が会話に入ってきた。

「そうなんですか。最後に来たのこないだみたいな気がしてたけど、俺たちずいぶんここに来てなかったんだね。ーーここってタイニーハウスの宿泊施設なんですか?」

「そうですよ。」

「ちょっと中見てみたいかも。」

「どうぞって言いたいんですが、今は全部お客様の予約入っちゃってるんですよ。申し訳ないです。」

「人気なんですね。夜眠れなさそうなんですけど。」

「お陰さまで家族連れの方に特に人気で、予約が途切れることがないんですよ。まぁ、夜は終電後にならないと静かにはならないですけどね。」


タイニーハウスが結構好きだから、ちょっと泊まってみたい。


「教えてくれてありがとうございました。ーー行こうか。」

「いえいえ、ご利用お待ちしております。」





イベントスペースになっている開けた場所で、お目当てであるドールハウスの展示イベントが開催されていた。

その世界では有名な人達の展示品を早速見て回る。


私はチマッとした物がめっちゃ精巧に作られてるのを眺めるのが大好きだ。なにしろ家にはドールハウス専用の部屋があり、とてもたくさん飾ってある。ーー入館料を取って見せられるくらいに。


「この細かさほんと凄いな。作ってる人は相当目が疲れそうなイメージ。」

「確かに。」

「どれも生活感がすごい出てるね。柱の傷とかテーブルの料理とか。」

「うん。」


一番見たかった昔やってたアニメの、主人公が暮らしていた家を再現したドールハウスの前へ。


「三原君はこのアニメ観てた?」
「残念ながらうちはアニメ禁止だったんだよね。」

「厳しかったんだ?」
「そのせいでアニメの話とかされると話に入れなかったよ。」


子どもは大抵アニメ観てるし、それはちょっとつらいものが。

一階ではキッチンの細々した道具、窓際に飾られた花や壁のカレンダー。廊下の片隅に、主人公が幼い頃描いた落書き。
すれ違っていた肉親との和解の回で振る舞われた料理の数々が再現されている。

二階へと続く階段の壁には、主人公が画用紙に描いた絵の数々が貼られ、部屋の中は、キャンバスに描きかけの人物画、ごみ箱と床には丸められた紙、机の上に乱雑に置かれた絵の道具たち。

少し開いている机の引き出しからのぞくデッサン入門書ーーのカバーを被ったセクシー系の本。

勉強してる振りでエロい本を見てる最中に、オカンに乱入されてアワアワしていた主人公を思い出した。


そして本棚には絵画集等の美術系、壁に貼られた主人公憧れの画家のポスター。

ベッドには脱ぎ捨てられた衣服がある。

アニメを観ていた頃は感じなかったが、こうして改めて見ると、主人公て結構だらしないことに気付いた。

あのごみ箱の中には失敗作の他に、使い終わったティッシュとか混ざってるんだろうなと、どうでもいいことにちょっと思いを馳せてみるのであった。
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