ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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あ、これダメなやつだ≪空≫

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あんなに楽しみだった長期休暇なのに、休み前に発生した大問題のせいで心から楽しめない。

大事なアレが盗られたあの日、偉そうなこと言って出ていったくせに、結局手ぶらで戻ってきた男を思い出しイラッとなった。

呼び出したら別人だったとか、なんだその言い訳。もっとマシな言い訳しろっつうの!

顔が良いだけの金持ち野郎が、ホント使えねぇ。

アイツが使えねぇから、結局俺が自分で取り返すはめになり、運良く見かけたあの女に一度接触して──みようとして止めた。止めたというか、無理だったという。

だって躊躇もなく実力行使出来る女だよ!?機嫌を損ねたら──どんなことが該当するか分からないけど──絶対に物理に訴えるに決まってる!


アレを盗られた日の激痛を思い出したら声かけるとか無理だった。



アレは取り返したい。でも近付きたくない。

無理難題を押し付けられるならまだいい──よくないけど──内容を暴露されたら一貫の終わりだ。


一刻も速く取り返したい。でも近付きたくない。──取り返したい。でも、良い方法が思い付かない。


やっぱ兄ちゃんに助けてもらうしかないな。うん、そうしよう。つか、最初から兄ちゃんに頼めばいいだけだよな!兄ちゃんなら絶対何とかしてくれる!

取り敢えずあの女の名前とかくらいは調べて兄ちゃんに言おう。


そう決めてしまえば、すっかり解決したかのように晴れ晴れとした気分になった。








「・・・・・・・・・・・・」


家には家族皆居たし、自分の部屋から出たのはトイレに行った時だけだ。それに俺の部屋には海兄ちゃんが入り浸って漫画読んでたから、完全に誰も居ない時なんてなかった筈。なのに・・・

「何これ何これめっちゃ怖い何これ怖い怖いマジで何これホントめっちゃ怖いめっちゃ怖い怖い怖い」

「うるさっ!!え?何?なんなの?」


海兄ちゃんが怪訝な顔で俺を見るけど、それに答えるどころじゃない。

あり得ない、こんなのあり得ない。


トイレから戻ったら、海兄ちゃんがごろごろして漫画読んでるベッドの上に、取り返したかったアレが無造作に置かれていた。


お前のタマなんぞ何時でも取れるんだぜ──そんなメッセージが読み取れてゾッとした。






**********


すばる「いらないから捨ててきて。」

萩原「了解です。」
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