ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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世界は私のためにあるの≪美羽≫【1】

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「―――」
「――」

…話し声…?

「――」

私に話しかけてるの?

誰…?

聞いたことない声。

相手を確かめたいのに、なんだかすごく眠くて…目を開けられな…い……









「知らない天井だ。」

(言ってみたい転生セリフ集より抜粋)を言い続け早十数年。

ノロノロと起き、出かける準備をする。

鏡に映る姿を入念にチェック。

「うん、今日もすごく可愛い。」


転生して初めて鏡を見た時は、自分の姿に度肝抜かれたけど、流石にもう慣れた。

顔は申し分ないけど、髪がピンクってどうよ…。

そんな不満も解消された。
だってだって、

なんと私、ゲームのヒロインに転生してたんです!

キャーッ、言っちゃった!
あ、勿論誰にも言ってないよ。電波だと思われるでしょ?


入学式の時、生徒会長を見て思った。

あれ?この人知ってるって。

そしたら他にも知ってる人が居て確信したよ。

ああ、ここって《plantae》恋の緑化大作戦~君で光合成~っていう乙女ゲームの世界なんだと。

総てが一緒ってわけじゃないけど、まぁ、そんなもんでしょ?ゲーム転生って。

ラノベの主人公も、ゲームと違う、こんなの知らない!みたいに戸惑ったりしてたしね。


「美羽ちゃん、朝ご飯出来たわよー。」

階下からお母さんの声。

階段を降りれば、朝食の良い香り。

グウ~~ッ

お腹は減っている。減っているが

「今日はいらない。いつもより早く行かなきゃダメなの。」

「もうっ、そういうのは早く言いなさいっ。おにぎりでも作る?」

「ううん、いい。じゃあ行ってきまーす。」


早く行かなきゃってのは嘘。朝食抜いて少しでも倒れる確率をあげるためよ!

そりゃ、わざと倒れることも出来るよ。だって私、演技派ヒロインだもん、うふふ。

今日は倒れてお姫様抱っこイベの日だから、朝食抜いて、顔色もちょっと悪い感じにして、いっぱい心配させるんだから。

あ~楽しみっ!









今日のイベ相手、萩原君の目の前でフラッとすれば

「美羽ッ」

焦った声で抱き上げてくれた。

キャーっ、お姫様抱っこ!そのまま保健室へ。



都合の良いことに保健室には誰も居なくて、萩原君と二人きり。

キャッホゥッ!

内心の乱舞はおくびにも出さず、寝た振り。

ベッドに横たわる私の髪に触れ、頬に触れる萩原君。

それはまるで宝物に触れるよう。

「少し顔色悪い、かな…。」

私の唇をなぞる指


「…美羽。朝飯はちゃんと食べないと駄目だよ。」

え、朝食抜いたのバレてる!?

「…美羽。」


ギシリとベッドが軋み、萩原君が私を見下ろしてるのが分かる。

キス?ねえキス?してもいいのよ、うふふ。したいでしょ?

ほらほら、遠慮せず可愛い私にキスしちゃいなさいよ。

徐々に萩原君の顔が近づき息のかかる距離に…

あ~、萩原君の唇はどんな感触だろう。

わくわくしながら待ってたのに、顔が離れていく。

えーっ、しないの!?ここまできたらしなさいよっ!しないとかバカじゃないの!?このヘタレがッ!

「…ゆっくり休んで。」

ヘタレは私の頬に触れ、保健室を後にした。


チッ。萩原君の唇はお預けか…。






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