ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

文字の大きさ
81 / 162

【4】

しおりを挟む

どういうこと?


男はすぐに映像を止め、『後で編集して渡すから楽しみにしとけよ』と、ニヤニヤしながら部屋から去って行った。


「翔たんお疲れ様!」
「いやマジお疲れ様だわ。愛たんもお疲れ様!」

「翔たん、ちょっとベタベタしすぎだったぞ!愛たんという者がありながら、この浮気者!」

「ごめんよ愛たん!演技!演技だから!」

「えへっ、解ってますぅ。冗談だよ!だって、相手が相手だし、ねぇ?」


意味が解らない。何これ?何なのこれ?ねぇ何なの?解らない解らない解らない――考えようとするのに、考えようとするそばから、バラバラと考えがほどけていくよう。



『困ったら人形をーー』




ほどけて消えていく思考たちとは逆に、くっきりと輝くように在るそれに手を伸ばす。



あたしは人形を掲げ唱えた。





◆◆




こうして、あたしの長い長い初恋は露と消えた



はずだった




「…っく、…はぁっ、…はぁ。…ふうっ、はぁっ、はぁっ……ぅうっ、もう、む、無理っですっ…」

「は?無理な訳ないでしょ。まだ限界じゃないことくらい分かってんだからね。」

「やっ…もっう、げ、んかいで…」

「はんっ、そういう演技ばっか上手くなって。小賢しい。言い付け守れなくて、お仕置きされんのが目当てでしょ。アンタの魂胆はお見通しだよ。」

「うっ…、ああ…、駄犬の卑しい望みを、どうか叶えてください。」

体を起こし、あたしの足にすがりついてきた相手にイラッとなる。

「ねぇ、誰が止めていいって言った?アンタなんか捨てて、賢い犬を飼ってもいいのよ。」

蹴られた駄犬が、慌てて腹筋を再開した。




あの最悪としか言えなかった日、気が付けば何故か幼馴染みが、あたしのお尻の下で潰れて居た。


意味が解らない。


問いただしても訳の解らないことばかり言う幼馴染み。要約すると、あたしの椅子になろうとして、役目を全う出来なかった、と。

あたしが重いって言いたいのかコノヤロー。


それはどうでもいい。良くないが。幼馴染みの本性がクズ野郎だったことを知り、金輪際関わらないって決めたのに、何をとち狂ったんだか、あの日以降執拗に絡んでくる。


あまりにもウザくて突き飛ばせば、嬉々とした顔であたしを見る。

いい加減我慢の限界でぶん殴れば、鼻血垂らして恍惚とする。ーーあ、これ駄目なヤツだと悟った。



大学でご主人様とか言われると外聞が悪いから、外でそういうことはしないよう言い聞かせ、結果、密室で躾等をやらされる羽目に。

意味が解らない。



まずはあたしの椅子の役目を果たせるように、こうして日々鍛えてあげてる。


自分で言っててなんだけど、あたしの椅子の役目て…と思わないでもないよ?いや、思ったら駄目!それを思ったら、自分のやってる行動の数々に、羞恥で床を転げ回りたくなっちゃうから!


ああ、ホント、どうしてこうなった!?


あの日、美少年の夢ーー多分夢だよね?現実だと思えないもの。変な夢に出てきた美少年、本当に綺麗な顔してたな。テレビか何かで見たら忘れられない美貌の持ち主だったけど、見た記憶が全然ない。

あたしの妄想力の産物だろうか。もしそうなら、また夢で会えるかな?ーーもしもまた会えたら、いろいろ話してみたいかも。


何て美少年のことを考えて現実逃避してみたり…


だって現実逃避しなきゃやってられないと思うのよね!


美少年の夢を見てる間に、ホント何があったんだろう?ーー人形が巨大化してお仕置きしたとか?

何がどうしてこうなったかは、知りたいような知りたくないようなーー
やっぱり知りたくないかも。うん、人間知らなくて良いことってあると思うの。




でも、何度も思わずにはいられない。




どうしてこうなった






************

立夏
前はぽっちゃり女子(見た目)
現在、身長195、ガチムチ。身体は男で心は乙女。

主人公はそこを理解してたので、ちゃんとお姉さんとして扱った。



立夏を女の子と勘違いしていた。好きな娘との初体験を上手くやりたくて、先に立夏を使って練習しようとした。勝手に勘違いしてただけで、騙されたわけでもないのに、本人は騙されたと思い込み立夏を嫌悪。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

処理中です...