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【3】
しおりを挟む楽しい時間は、あっという間に過ぎ、もう帰る時間。…まだ一緒に居たいなって思ってたら、彼の部屋に誘われた。
「え、でも…」
「あの時はごめん!自分の気持ち押し付けて、嫌な思いさせて。」
「あ、あたしこそごめんなさい!突飛ばしたりして!」
「俺ガキだったから、すぐ謝れば良かったのに出来なくて。嫌われたと思ったら、怖くて顔合わせられなくてさ。」
「嫌うわけないよ!あたしの方こそ嫌われたってずっと思ってて。…すごく悲しかったの。」
「ハハッ、そっか。お互い同じようなこと思ってた訳か。…もう遅いかもしれないけど、俺、俺さ、お前のこと――あ、や、何でもない。…なぁ、部屋に来てよ。」
甘い囁きに、つい『うん』と言ってしまった。
も、もしかして、この後…だ、大丈夫。あたしだってもう大人だもの!心の準備だって出来てるもの!
今は独り暮らしの彼の部屋で、最後に会った日のように、二人並んでベッドに座る。
彼が動いてベッドの軋む音に、反射的にビクリとしてしまう。
「そんな警戒すんなよ。」
苦笑する彼に、申し訳ない気持ちになった。警戒じゃなくて、すごく緊張してるだけなの!
「け、警戒とかじゃないから!」
「へぇ~、…警戒しないんだ?それって俺を男として見てないってことかよ。」
「そんなことない!今も昔も、ずっと貴方が好きっ―あっ」
思わず口走った内容に、赤面してアワアワし出すあたしの頬に、彼が優しく触れる。
「立夏。俺…、嬉しいよ。」
徐々に近づく彼の顔。
あたしはそっと目を閉じかけて気付いた。
クローゼットの扉が少し開いてることに。―そしてそこから、誰かがこちらを見ていることに。
「!?」
驚いて立ち上がると、クローゼットの扉が勢いよく開き、中から人が二人現れた。
「おい、何気付かれてんだよ。もうちょいでキモいキス待ち顔まで撮影出来たのに。」
「ごめ~ん。だからちょっと扉開け過ぎだって言ったのに~。」
「いや~、悪い悪い!ラストのキモ顔は無理だったけど、なかなか笑える映像集撮れたから良しってことで。」
現れたのは、何処かで見掛けたことがあるような人物達で、男がメガネに触れると、笑える映像集とやらが壁に映し出されーーそれは幼馴染みとあたしのデートだった。
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