ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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夢心地

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朝起きて学校もしくは会社へ向かう人、家族のために家事に追われる人、ーー大抵の人はそんな感じの朝を迎え、そして夜を迎えまた朝を迎える。


毎日が同じことの繰り返しで、特に変わったこともなく1日が終わる。


明日も今日と同じ時間が待つだけで、幾度朝を迎えようとそれはずっと変わらない。


平凡で平和で小石すらない緩やかに続く道を行く。

舗装された道が嫌なわけじゃない。アクシデントなど、無ければ無いにこしたことはない。


平凡で良いじゃない。平和で良いじゃない。



だけど、ふと思ってしまう。ーーああ、今日も退屈だったと。


仲良しの親友、一緒に羽目を外す楽しい仲間、愛する恋人、永遠を誓った夫、妻。

一緒なら無敵だと、側に居るだけで幸せだと、あれほど自信に溢れていたはずなのに、いつの間にかそれがくすんだ気がした。


日々の端々に退屈が顔を出し、時間は気持ちを麻痺させ、幸せを幸せと認識しずらくさせていく。


そんな日々のふとした瞬間、チラッと過りませんか?


よく行くカフェのお洒落なお兄さんお姉さん、よく行くコンビニの素敵な彼、彼女、学校のアイドルや、近所に住む憧れの存在ーーそんなあの人と友達になれたなら、退屈な日々のちょっとしたエッセンスになってくれるんじゃないかと。


愛と勇気を持ち合わせているなら、思いきって声をかけ、友好もしくはそれ以外の関係を築くことも可能だろう。だがしかし、大半の人は声をかけることに躊躇するものだ。


例えば店員と仲良くなろうと声をかけ、相手が愛想よく対応してくれたところで、自分がお客だからこその対応でしかなく、それ以上でもそれ以下でもないとくれば、友達までいけるかと言えば疑問だ。

頑張って仲良くしようとすればしつこくすることになり、『こいつきめぇ』や『お前ストーカーだろ』等あらぬ疑いを持たれ友達どころではなくなってしまう。


そんなわけで大半は心の中で、友達になれたらなぁとか、あっちから声かけてくれないかなぁと思うに留まってしまうものだ。



私も自分から声をかけることの出来ない気弱な乙女なので、どうにか出来ないものかとアレコレ考えてみた。

そして調合に調合を重ね、遂に産み出された【夢心地】ーーこの香りを纏えばあら不思議、自分の姿が別人に見えるように。

因みに夢心地は使った本人の姿を、他人から別人に見えるようにする効果があるが、使った人の近くで香りを嗅いでも、嗅いだ人の姿は変わらない仕様になっている。


売り出せば金がガッポリーー違った、気弱な私に勇気をくれる素敵な香水。こんな素敵な香水を独り占めするなど悪の所業と言われてしまう。私の懐を暖めるためーーじゃなかった、世の悩める人全てに使ってほしい。


自分で使い、恋人の愛を確かめるもよし、恋人に使い、恋人の見た目を理想の相手にするもよし。ーーこの用途で使う場合、その時一番好きな人の姿に見えるので、らぶらぶカップルだと、結局恋人は恋人の姿にしか見えないのでオススメしない。





冷めきった二人を主なターゲットにした商品だったが、購入者は独り身の方が多い気がする。


絶賛発売中の夢心地で、どっちにしろ私はガッポリ稼げーー違った、人々の力になれて嬉しいです。


私が誰の前で夢心地使ったのかって?ーーもちろん使わない。香水って苦手だし。
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