ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

文字の大きさ
90 / 162

地雷の10や20は誰もが持っている

しおりを挟む
「「お待たせ」」


三原君に声をかけたら横の人と被った。

ベンチには三原君しか居ないのですが、エア待ち人ですか。

「俺も今来た「この娘も一緒なの?」

エア待ち人に声をかけてるのかと思ってたら、三原君と待ち合わせだった模様。私と一緒ですね。


自分の言葉に被せるように発言され、一瞬固まった後三原君が相手を見た。


「ええと…、誰ですか?」

待ち合わせじゃなかった。


「やだっ、冗談言わないでよ!」

待ち合わせだった。


拗ねた顔で肩パンされた三原君が、呻きながらよろけた。

ゴリラだ。メスゴリラが居る。

ゴリラとも友情を育める三原君の交友の広さに驚愕。


「ちょっと!大袈裟なリアクション止めなさいよ!ほらっ、シャンとしな!ーーごめんね~、コイツひ弱なんだよね!」


ゴリラと比べたら皆ひ弱だと思う。

「…あの、ほんと誰ですか?会ったことないですよね?」
「それまだ言うか!もういいよそのノリは!」

また殴られそうになり、今度は避けた。


「知り合いなのか知り合いじゃないのかはっきりしてほしいのですが。」

「全然知らない人。」

「もう!いい加減しつこい!ーー怒ってたのは知ってたけど、だからって知らないとかグダグダ言い続けるって酷くない!?そもそも私のせいじゃないの!私だって出来ることなら同じ中学行きたかったよ!でも子どもの我儘で片付けられて無理だったの!でも高校は同じだし、あの頃みたいに毎日側に居てあげるから安心して!」

「安心らしいよ。」
「安心の要素がまるでない件。」

このメスゴリラ、俺を誰かと間違えてるんだろうけど、人の話全然聞かず自分の都合の良いように脳内変換してそう。誰だか知らないが、付きまとわれてた人御愁傷様ーーと三原君は思った。

「いや、ゴリラとは思ってない。」

エスパーか。

もしくは私と三原君の思考が似ているーー何故今ちょっと嫌そうな顔したのか問いただしたい。


「ゴリラがどうしたの?ねぇ、そんなことより、私気がついちゃった!この状況って私の気を引くためでしょ。ふふっ、変わらないね。わざと他の女子を使ってヤキモチ焼かせようとするとこ!」

「そうなんだ?」
「違います。ーー予定の電車に乗り遅れたけど、次の電車ってすぐ来るかな。」

「次はー」


話ながら移動を始めたら、当たり前のようにゴリラが着いてきた。


このまま行くと『申し訳ございませんお客様、当館はゴリラ連れのお客様の入場はお断りしております』と言われてしまうかもしれない。

それは困る。


「ねぇどこ行く?あ、もう出かけるとこ決めてある?まだなら私が決めたい!てか、この娘どうすんの?当たり前のように私達と行動してるんだけど。帰れって言いなさいよ。まさか言えないとか?もうっ、まったくヘタレなんだから!ちょっと聞いてる?ねぇ!ちょっと支配者!」


その瞬間、三原君の雰囲気が変わる。


「あ゛?」



支配者ーー名前欄にそう書かれていたら、おそらく大抵の人は二度見することだろう。私だって見る。


そしてクラスに居たら、確実に弄られるだろう。ーークラス替えの度に。


支配者と書いてレクトルと読む。それが三原君の名前だ。

三原君は自分の名前が好きではない。レクトルと名乗ったところで漢字のインパクトに負け、結局支配者の方が人々の心に残り、支配者とわざと呼ばれ弄られるのだ。


そんなわけで名前を書く時は三原レクトルと書くようになった三原君なのであった。


「どうしたの?支配者。」

まるで恫喝と暴力を生業にしている人のようなものを発し始めたので、ソッと三原君の袖口を握ると、何故かビクッとした。


「三原君。」
「…な、何でしょうか。」
「ここ、人目があるから、ね?」

言いたいこと解るよね?

暑いのか若干汗をかき始めた三原君は、目を逸らした。


「あ、あれは!」
「え?」


三原君が指差す方をゴリラさんが見た瞬間、私達は猛ダッシュしたのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

処理中です...