ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

文字の大きさ
2 / 162

念願のチャラい美形になったけど、なんか思ってたのと違う≪桐人?≫【1】

しおりを挟む

教室の窓から別の教室を眺める。

コの字型に建つ校舎の向かいの教室には男女のカップルらしき人影。


「何見てるの?」

「ん?俺ってカッコいいなってガラスに映る自分見てた。」

「あはっ。自分でカッコいいとか言っちゃう?」

「だって俺、カッコいいだろ?真里ちゃん。」


そう言って真里ちゃんの肩を抱き寄せると、真里ちゃんの頬がほんのり色づいた。

カップルらしき人影が誰かなんて分からないだろうけど、念のため真里ちゃんに人影が見えないように立つ。


「新しく出来た綿菓子のお店、すっごく可愛くて美味しいんだって。これから行ってみない?」

「今日はちょっと無理かな。せっかく誘ってくれたのにごめんね。…また今度誘ってよ。」

「ん、わかった。」


ちょっとしょんぼりな真里ちゃんの髪を優しく鋤く。

「そんな顔しないでよ。綿菓子屋さんは真里ちゃんと一番最初に行くよ。」

そう言うと真里ちゃんは元気になり、手を振って帰って行った。




ガラスを見る。

ミルクチョコ色の髪を後ろで結んだ、酷く不機嫌なイケメンが映っている。

さっきまで見ていた向かいの教室には、まだ二人が居る。

俺には二人が良く見え、何処の誰か分かる。こんな時視力の良さが恨めしい。


視線の先でピンクの髪の美少女と、赤紫の髪したイケメンがキスしてる。胸の奥にどす黒い感情が芽生えた。









桜の下で舞う花弁と戯れるような彼女を最初に見つけ、目が離せなくなった。

子どもみたいに笑う彼女の笑顔が見たくて笑わせた。


よく迷子になったり、何もないとこで転けそうになる彼女の事が放っておけなくて、側を離れ難くて…


この感情につける名は…



あ~…どうしよ。今めっちゃ何か蹴りたい。力の限り蹴りたい。

そうだ。蹴る物探しに行こう。そうしよう。








蹴る物を探して廊下を歩いていたら石田に会った。


「蹴っていい?」
「お前が性転換してクール系美人になったら蹴られてもいいし踏まれたい。」


ちょっと引いた。



チリンッ

「ん?…今なんか聴こえ…」


石田が固まっている。

「石田?」


返事がない。ただの屍のようだ。


チリン
チリーン

鈴の音のようなそれがハッキリと聴こえた時、いつの間に現れたのか、青い髪の青い瞳をした美人が居た。


「あ…」

その人を見た瞬間すべてを思い出した。


「あああーッ!なんたる失態!うわ~最悪だ…」


チャラい美形になって、美しい高校生達と仲良くキャッキャグフフするという崇高な目標を達成出来なかった…。


号泣していいですか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

構造理解で始めるゼロからの文明開拓

TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。 ​適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。 だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――! ​――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮
ファンタジー
「転生して好きに暮らしてください。ただ、不便なところをちょっとだけ、改善していってください」 とゆうことで、多少の便宜を図ってもらった「ナッキート」が転生したのは、剣と魔法の世界でした。 すいません。年表書いてたら分かりにくいところがあったので、ちょっと加えたところがあります。

処理中です...