怠惰な蟲使い(仮)

胸の轟

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17.

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仕事終わりにキャサリンの店を訪ねたら閉まってた。


閉まったカーテンの隙間から、店内を覗いたけど人気は無い。

「キャサリンなら居ないよ。」

声をかけてきた近くの店屋の店主に取敢えず聞いてみる。

「いつ戻るか分かりますか?」
「店は閉めたみたいだよ。菓子作りの腕を買われたとかで、別の場所に新たに出店するらしい。」

「へぇ。すごいですね。何処に出すか分かりますか?」
「さぁ。──キャサリンの代理って人が、何処にって言ってなかったからなぁ。キャサリンは忙しくてもう戻らないって言うんだが、キャサリンも水くさいよ。どんだけ忙しいのか知らないが、短い付き合いでもないんだから、別れの挨拶くらいしろって言いたいね。」

「・・・キャサリンのお菓子、もう食べれないのか。」


キャサリンの菓子がもう食べれないとか凹む。俺の楽しみの一つが失われた・・・。

いや諦めるな俺。何処に店出すか調べればいいんだ。

よし、アロイスにくっついてる暇人の誰かに頼んで調べてもらおう。他力本願になっちゃうけど仕方ない。だって俺、調べるのとか面倒──じゃなくて、苦手だから。




◆◆

「まったくもう!こういうの頼まないでくださいよ!俺だって暇じゃないんですよ!菓子食べたいから人探してとか、どんだけ食べたいんですか。店なんていっぱい有るんだから、そっから買ってくださいよ。」

「もちろんいろんな店で買ってるよ。でも、ジンジャーブレッドはキャサリンが一番。」

「はいこれ報告書。休日潰して態々調べたんですよ!貸しひとつですからね。」

「菓子だけに貸しか。まさかダジャレで返されるとは思わなかった。」

「違いますよ!?」
「貸しね、はいはい分かってる分かってる。」

「惚けるのとかは無しでお願いします。」

「チッ」
「惚ける気満々だった!?」

「そんなことない(棒)」
「うっわひでぇ・・・」

「あんまり面倒なのは断るけど、ちゃんとお願いは聞くから安心しなよ。」

「話聞くだけ聞いて、聞いたよとかも無しでお願いします。──いまいち信用出来ないんですよね、ジグ君て。」

「聞くって言ってんのにくどいな。」


報告書を読み進めるとバスティアンの名前が。

アンナさんにバスティアンを始末するとは言ったけど、面倒だからまた俺を狙ってきた時だけ始末しようと思ってたんだよね。

いつまでに始末するとは約束してないから、嘘はついてない。


「邸内のことまでは調べてないですけど、あの悪名高いバスティアンですからね。最悪既に死んでる可能性も。」

「だよねー。罪の無い女子に酷いことするような奴は、他の誰かが許しても俺は絶対に許さない!絶対に!」

「違和感が凄いんですけど。言ってることは正義感溢れてますけど、完全に建前ですよね。可愛い顔して性格エグいジグ君に、正義感とか欠片も無いですもんね。」

「お前が俺のことどう思ってるのか良く分かったよユリウス。」

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