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「殺れ!」
苦手だからってそれがどうした!それでも俺は負けない!負ける訳にはいかない!
覚悟を決め短剣を構えたその時
「ユリウス!」
「アロイス!」
「うぉおおー!!」
叫びながら駆けつけたアロイスの剣が、ゴブリンを切り裂く。
「ギャッ!」
「グギャッグギャッ!」
仲間を殺られたゴブリンが怒りに駆られアロイスに殺到するが、アロイスは次々に斬り伏せていく。
ユリウスはゴブリンたちたから距離を取り、弓でゴブリンを倒していった。
あっという間にゴブリンの数を減らされたジキタリスの部下は、アロイスに斬りかかる。
剣と剣が激しく打ち合い、金属音を辺りに響かせながら、お互いが攻めの姿勢を崩さない。
薙ぎ払い、斬り込み、避けては斬り──幾度となく繰り返されるやり取り。
互角かと思われていたやり取りは、ついにアロイスが相手を圧倒し始めた。
「くっ!」
間一髪でアロイスの剣を避けた男の髪の人房が切られ舞う。
ジリジリと後退する男に追い討ちをかけようとした瞬間
「俺の勝ちだ!ハハハッ!」
男の言葉に、ハッとしたユリウスがエルザを見やる。
「エルザ!?」
そこには苦しげなエルザの姿が。
そう、男は時間稼ぎをしていたのだ!
男が懐から出した鍵を泉に向かい投げ捨てようと振りかぶる。
「させるか!」
ユリウスは即座に矢を構え鍵目掛け放つ。
これを外せば鍵は失われ、エルザは死ぬ。
必ず当ててみせる!
男の手から離れた鍵に付けられた輪の部分を矢は見事捉え、樹へと突き刺さった。
「クソッ!」
作戦が失敗した男はアロイスの追撃を交わし、あっという間に茂みの向こうへと消えたのだった。
「「エルザ!」」
座り込むエルザの首輪を、急いで鍵を使いユリウスがはずす。
「・・・ッ、ゴホッ・・・」
「エルザ!エルザ!」
「ユリウス・・・」
「ああ、エルザ。君を失うかと・・・」
「ユリウス・・・」
エルザを強く抱き締めるユリウスの腕は、微かに震えている。
エルザを失ったかもしれぬ現実があったことに、ユリウスは恐怖に駆られたのだ。
こんな思いはもう二度とごめんだ。
エルザの居ない人生など、意味がないと分かってしまった。──ああ、そうか、俺はエルザが・・・
「エルザ、俺さ・・・」
「おい、ユリウス!あっちの方へ行けば帰れそうだぜ!」
空気の読めないアロイスなのだった。
エルザはユリウスの言いかけたことが聞けずむくれながら、ユリウスは苦笑しながらアロイスを見た。
「また変な邪魔が入らないうちに帰ろうか。」
「そうね。」
町に帰ったら、エルザにちゃんと気持ち伝えよう。
ユリウスはそう決意し、町への帰路につくのだった。
「これにてダンジョンショーは終了です。またのご参加お待ちしております。」
「出口に向かいまーす。慌てず騒がず移動してください。万が一魔物が襲って来ても、スタッフが対処しますので安心してください。」
俺の優秀な寄生虫さんが良い仕事してくれたお陰で、ゴブリンがいい感じにユリウス達と戦闘してくれたな。とってもお役立ちな俺に対し、もっと給金弾んでもいいと思う。
戦闘面はいいとして、ジキタリスってあんな感じで良かったかな?久しぶりのジキタリスさんでキャラ微妙に忘れてるっていうね。もう済んだことだしまぁ、いっか。俺は細かいことを気にしない男なのである。
**********
スタッフ「緊張してます?」
エルザ「す、少し!」
スタッフ「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。エルザさんは簡単な相づち打ってれば良いですからね。あとは、ここぞって時に名前呼んでください。」
エルザ「は、はい!」
スタッフ「あとは、アロイスとジキタリスの部下の戦闘が始まったら、エルザさんは踞っててください。」
エルザ「わ、分かりました。(だ、大丈夫かな?戦闘始まったら踞る戦闘始まったら踞る戦闘始まったら踞るー・・・忘れたらどうしよう!?)」
薬を塗る場面はユリウスのアドリブなので、エルザがアワアワしてます。
苦手だからってそれがどうした!それでも俺は負けない!負ける訳にはいかない!
覚悟を決め短剣を構えたその時
「ユリウス!」
「アロイス!」
「うぉおおー!!」
叫びながら駆けつけたアロイスの剣が、ゴブリンを切り裂く。
「ギャッ!」
「グギャッグギャッ!」
仲間を殺られたゴブリンが怒りに駆られアロイスに殺到するが、アロイスは次々に斬り伏せていく。
ユリウスはゴブリンたちたから距離を取り、弓でゴブリンを倒していった。
あっという間にゴブリンの数を減らされたジキタリスの部下は、アロイスに斬りかかる。
剣と剣が激しく打ち合い、金属音を辺りに響かせながら、お互いが攻めの姿勢を崩さない。
薙ぎ払い、斬り込み、避けては斬り──幾度となく繰り返されるやり取り。
互角かと思われていたやり取りは、ついにアロイスが相手を圧倒し始めた。
「くっ!」
間一髪でアロイスの剣を避けた男の髪の人房が切られ舞う。
ジリジリと後退する男に追い討ちをかけようとした瞬間
「俺の勝ちだ!ハハハッ!」
男の言葉に、ハッとしたユリウスがエルザを見やる。
「エルザ!?」
そこには苦しげなエルザの姿が。
そう、男は時間稼ぎをしていたのだ!
男が懐から出した鍵を泉に向かい投げ捨てようと振りかぶる。
「させるか!」
ユリウスは即座に矢を構え鍵目掛け放つ。
これを外せば鍵は失われ、エルザは死ぬ。
必ず当ててみせる!
男の手から離れた鍵に付けられた輪の部分を矢は見事捉え、樹へと突き刺さった。
「クソッ!」
作戦が失敗した男はアロイスの追撃を交わし、あっという間に茂みの向こうへと消えたのだった。
「「エルザ!」」
座り込むエルザの首輪を、急いで鍵を使いユリウスがはずす。
「・・・ッ、ゴホッ・・・」
「エルザ!エルザ!」
「ユリウス・・・」
「ああ、エルザ。君を失うかと・・・」
「ユリウス・・・」
エルザを強く抱き締めるユリウスの腕は、微かに震えている。
エルザを失ったかもしれぬ現実があったことに、ユリウスは恐怖に駆られたのだ。
こんな思いはもう二度とごめんだ。
エルザの居ない人生など、意味がないと分かってしまった。──ああ、そうか、俺はエルザが・・・
「エルザ、俺さ・・・」
「おい、ユリウス!あっちの方へ行けば帰れそうだぜ!」
空気の読めないアロイスなのだった。
エルザはユリウスの言いかけたことが聞けずむくれながら、ユリウスは苦笑しながらアロイスを見た。
「また変な邪魔が入らないうちに帰ろうか。」
「そうね。」
町に帰ったら、エルザにちゃんと気持ち伝えよう。
ユリウスはそう決意し、町への帰路につくのだった。
「これにてダンジョンショーは終了です。またのご参加お待ちしております。」
「出口に向かいまーす。慌てず騒がず移動してください。万が一魔物が襲って来ても、スタッフが対処しますので安心してください。」
俺の優秀な寄生虫さんが良い仕事してくれたお陰で、ゴブリンがいい感じにユリウス達と戦闘してくれたな。とってもお役立ちな俺に対し、もっと給金弾んでもいいと思う。
戦闘面はいいとして、ジキタリスってあんな感じで良かったかな?久しぶりのジキタリスさんでキャラ微妙に忘れてるっていうね。もう済んだことだしまぁ、いっか。俺は細かいことを気にしない男なのである。
**********
スタッフ「緊張してます?」
エルザ「す、少し!」
スタッフ「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。エルザさんは簡単な相づち打ってれば良いですからね。あとは、ここぞって時に名前呼んでください。」
エルザ「は、はい!」
スタッフ「あとは、アロイスとジキタリスの部下の戦闘が始まったら、エルザさんは踞っててください。」
エルザ「わ、分かりました。(だ、大丈夫かな?戦闘始まったら踞る戦闘始まったら踞る戦闘始まったら踞るー・・・忘れたらどうしよう!?)」
薬を塗る場面はユリウスのアドリブなので、エルザがアワアワしてます。
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