怠惰な蟲使い(仮)

胸の轟

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30.

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懇願は聞かなかったことにして、良いところを刺激してるうち──



「時間切れ。」

「・・・ふぇ?」



イネッサを残しその場から離脱すれば、ドアから父親が現れる。


「ただいまイネッ──な、ななな何をしてたんだお前は!?」

「お、お父さん!?違っ、な、何もっ」


何って、ナニをしてたのかは、乱れた着衣から明らかだし、何もしてないって言うのはちょっと無理があるよね。


「そういうことは自分の部屋でしろ!」
「お父さん最低!普通そういうこと言う!?」

「こんなところでしてる時点で言われても仕方無いだろう!」
「だから違うって言ってるじゃない!」

「違うならその格好は何だ!」

「こ、これはっ、そのっ・・・」

「まさか・・・男か?ーーお前は親が遅くなるのを良いことに、男を連れ込んでたのか!」

「連れ込むとか変な言い方しないで!──って、あれ?」


漸く俺が居ないことに気付いたらしい。イネッサの態度で、確かに誰かが居たことを察した父親から不穏なものが流れる始めた。


「俺が帰って来たから慌てて隠れたのか?だとしたら只じゃ済まさんぞ!どこに居る?出てこい卑怯者!」

「か、隠れてるわけないでしょ!」


イネッサは俺が慌ててどっかに隠れたと思ってるだろうな。隠れてないけど。


やれやれ、イネッサにも困ったものだね。俺と親を鉢合せさせようとする意味が分からない。

怒鳴り合う二人を尻目に、俺はその場を後にした。



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