怠惰な蟲使い(仮)

胸の轟

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38.ルールー〈1〉

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カランカランー

「いらっしゃ・・・い・・・」

音に反応してドアの方を見れば、銀髪を後で束ねた紫の瞳の、今まで御目にかかったこと無いレベルの美少女が居た。

「・・・・・・」

天才と謳われる画家ですら、その美しさを完璧に表現することが出来るのか疑問すら湧く。そんな美貌の少女・・・。

若さ故に、未熟な青い果実の清らかさを醸しながら、それでいて危うい艶のようなものも同時に感じられる。とても、とても美しい。

染みひとつ無い滑らかなその肌に・・・

・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・。


「これ美味しいね。」

ハッと我に返り慌てて返事をする。

「あああああり、ありがとうございます!」


うちの商品を食べたことがあるらしいが、こんなに美少女なら忘れる筈もないのに、客として見た記憶がないから、僕が居ない時に来たのだろう。

サームのヤツ、こんな美少女が店に来ていたのに何故秘密にしていたんだ。・・・まぁ、少しだけ気持ちが分からなくもない。


「誰が作ってるの?」
「あたしが作ってます。」

「どっかで勉強した?」

「えっと、誰かの元でってのはしてないです。おか──母が作ってくれてた物を、あたしなりに手を加えて作ってます。」

「ヘー。それで美味しい物作れるってすごいよね。才能あるんだね。お菓子好きだから、美味しいお菓子が作れる人って尊敬するよ。出来れば仲良くしてほしいんだけど、仲良くしてくれる?」

「うえっ!?え、え、あ、えっと、あの、ヨロシクお願いします。」


仲良くしたいと向こうから言ってきた。なんて好都合なのだろう。

下心などキレイに隠し、親切な顔で取り入り、仲が深まったら家に招こう。

僕の家で、誰よりも時間を掛けて滑らかな美しい肌に僕の・・・・・・

「聞いていい?」

マズいマズい。また妄想に入ってしまうところだった。

「はい?」
「なんで女装?」

「!!!!!?」


反射的に壁際まで遠ざかった。
 
何故どうして何故何故何故何故どうして何故知っている!?

どうしてだどこでバレたどうして完璧な筈どうして何故どこでバレた──


それ以上距離をあけることが壁のせいで無理だと分かっているのに、少しでも離れようと身体が勝手に後ろへ動く。
 
 
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