何故か異世界に召喚されたがまったりゆったりしながら生活していきたいと思います♪

文字の大きさ
60 / 65

何かできる事はないか!

しおりを挟む
美久が起きたのは翌日だった。
起きて何も見えないくて少し焦ったが、直ぐに状況が理解出来た。

「あ、そっか、捕まっていたんだった…。とゆうか、敵のアジトで爆睡って一番やっちゃいけない事をしたよね。絶対」

美久は自分が何の危機感を持っていない事に気づいた。
これではダメだと思いこれからは無闇に寝ないと決めた。
しかし、このままジッとして居てもダメだと思い、何とか手を縛っている紐を解こうと必死になって動かしたりして居たが、全然解けなくて、疲れて動くのを辞めたら、ドアがノックされ、誰かが入って来た。

「おい、飯の時間だぞ。手は外すが、目隠ししたまま飯食えるか?」

入って来たのはどうやら、男2の方だった。
どうやらご飯を持ってきてくれたみたいで、いい匂いがする。
男は手の紐を解いてくれるみたいだが、目隠ししたまま、ご飯を食えと言った。

「分かりません。手は食べるのに外してもらえるのは有り難いですが、目を隠された状態で物を食べるのはやった事ないので分かりません。
何品有るんですか?」

美久はご飯が何品有るのかを男に聞いた。
聞かれた男は首を傾げたが、

「米と、肉と、漬物だけだ。」

それを聞いた美久は、

「でしたら、米の中に、お肉と、漬物を入れてください。そうすれば目隠しされた状態でも簡単にとはいきませんが食べれると思います。」

美久の答えに、男は驚いたが、言われた通り、米が入っている器に、お肉と、漬物を入れた。
それを美久に渡して、渡された美久は器用にスプーンで食べていった。

「おい、食べづらくないのかよ?」

ふと疑問に思った事を男が聞いてきた。

「まぁ、目が見えないので食べづらいですが、おかずと、ご飯が一緒になっているのでこの状態では食べやすいです。
もっとも食べやすいのが目隠しを外された状態ですがね。」

そう言った美久に男は黙ってしまった。
その間、美久は黙々と食べ進め、あっという間に完食した。

「ご馳走様でした。おいしかったです。」

美久は食べ終わって、お礼を言った。
男に食器を渡し、手が又、縛られている時に、男が美久に質問した。

「おい、何で抵抗したりしないんだ?俺たちが言った通りにしているが、普通は泣いたり、喚いたりする筈だがお前は何故静かに爆睡して居た?」

男の質問に美久は顔が赤くなった。

「何で寝て居た事知ってるんですか⁉︎」

「何でって、グレンがお前の様子を見に部屋に入ったらベットの上で爆睡して居たって言ってたから…」

「えっ!誰か入ってきたんですか‼︎全然気づかなかった…」

美久は部屋に入って来たのも分からないほど爆睡して居たという事だ。
恥ずかしくなり下を向いて居たらふと、男が言ったグレンが気になった。
そこで男に聞いてみる事にした。

「あの、グレンて此処に連れてこられる前に会った男の人ですか?」

すると、

「おい、何でお前がその名前を知っている‼︎」

いきなり肩を掴まれ、大きな声で聞かれて驚いた。

「だ、だって、さっき貴方が言ってたじゃないですか。グレンが私の部屋に様子を見に来たって…」

美久の話に男は大きなため息をついた。

「はぁぁぁ、やっちまった。おい、俺が名前を漏らした事ぜってー誰にも言うなよ!俺がバラしたってバレたら殺されるからよ!」

私は男の迫力にちょっと引きながら、頷いた。

「じゃ、俺はもう行くから。絶対にこの部屋から出るなよ。
じっと大人しくこの部屋に居ろ。
分かったな?」

「分かったよ。でも何もやる事が無いし、目隠しされて手を縛られてたら何も出来ないよ~。
それにただ、ジッとしてるのも退屈だし…」

ぶつぶつ文句を言っていると男2は私の手を縛った。
しかし、最初に縛られていたよりも少し緩くなっていた。
その事は気付いていないフリをし、大人しくしていた。

「お前はこの部屋で大人しくしていれば良いんだよ。
ただ、変な事でもしようものなら容赦しないからな。」

そう言って部屋を出て行こうとする男2に私は大事な質問をした。

「ねぇ、大事な事聞くの忘れていた。」

私の切羽詰まった声に男2は少し焦っていた。

「な、何だよ?大事なことって!」

「お風呂と、トイレはどうすれば良いの?」

そう聞いた瞬間、ガシャんと言う音が聞こえた。

「?どうしたの?大丈夫?」

「あのな!お前今自分が監禁されているってこと自覚してるのか⁉︎
ちょっとでもおかしなことをすれば殺されるかもしれないのに!
あんた馬鹿か?」

大きな声でそう言われて、ちょっとびっくりした。
しかし、

「仕方がないじゃんか‼︎自然としたいって思うし、お風呂に何日も入れないと気持ち悪くなるじゃんか!」

そう、私は最低でも3日以内にお風呂に入らないとちょっと機嫌が悪くなる。
なので一刻もお風呂に入りたい。

「あのな、そう簡単にお風呂に入らせる訳には行かないんだよ。
トイレは仕方がないけど、
風呂は俺たちでさえ中々入れないんだから。
お前を入れるわけにもいかねぇんだよ。」

「うゎ~最悪じゃん。ま、仕方がないか。
分かったよ。
でも、トイレに行きたくなったら大声で叫べば良いの?」

あっさりとお風呂に入れないことを受け入れた私を不審に思っていたが、

「大声出されたら迷惑だから、今渡す鈴を鳴らせ。
2、3回で良いからな。」

そう言って少し大きな鈴を渡された。
小さく鳴らしてみると聞いたことのない綺麗な音がした。

「これ、凄く良い音ね!気に入っちゃった。」

「やらねぇよ。俺のだからな。
じゃ、俺はもう行くから。何か有ったらその鈴を鳴らせ。そしたら来るから。」

「分かったよ。」

男2に部屋を出て行った。
シーンとする部屋でさっきまでの事を一旦忘れて、今自分ができる事を考える。
何故、簡単に忘れられるかと言うと、早くお風呂に入りたいからだ。
ただ、それだけだ。

ふとポケットを触ってみたら何か丸い物が指先に当たった。
何かと考えると懐中時計を入れていた事を思い出した。
一応持ってきたんだった!
それを手のひらに乗せて心の中でハミュさんごめんなさい。言いつけを守れなくて!
と、謝っていたら体が少し浮いた。
一瞬何が起きたのか訳が分からず動こうとしたが、手を縛られていて身動きが取れなかった。
そして何処かに飛ばされた。

え?私これからどうなるの?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...