ガチロリ白髪魔導幼教師♡プラム先生の魅力♡

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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美味しい!!

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「プラムさん、さあどうぞ!」

「結構いい家に住んでるのねあなた...」

 意外!!、女1人暮らしにしてはいい家に住んでいるなと思いました。

「私...、親の酒会社が成功しまして、結構お金は持ってるんですよね~」

「酒の会社?」

「はいっ、カルタネ酒店って知ってますか?」

 その言葉を聞いた時、私の脳に衝撃が走る!!。

「カルタネ酒店!?、あの有名な!?」

「ご存知でしたか?、あそこの一人娘が私なんですよ」

 カルタネ酒店とはほんの3年ほど前にできた新設の酒会社で、とても品質がいいと噂の絶えない会社である。
 以前その製品を買って飲んで見たことがあるが、とても美味しかったのを今でも覚えている。
 ただ...、ちょっと値段のはる物が多い為、懐に余裕のあるときにしか買えないのが難点ではあるが...。

「へ~...あんたがね~...」

 ジト目で疑わしそうに彼女を見つめていると、突然思い出したかのようにポンっと手を叩く彼女。

「そうだ!、プラムさん、私と契約しませんか?」

「契約?なんの?」

 私が聞き直すと、彼女はその手に紙切れを一枚出現させて机に置く。

「我がカルタネ酒店との契約です!、ここにサインして貰うだけでプラムさんへ優先的に良いお酒を販売しますよ」

「とりあえず契約内容を見せて頂戴...」

 椅子に座り一字一句間違えのないように確認する。
 魔法使いにとって契約とは神聖な儀式でもあるのだ。
 見誤れば自分が嫌だと思ったとしても、死ぬまで契約に縛られる可能性さえある...。
 たとえ契約先が聖人だったとしても例外ではない。
 生半可な気持ちで契約を受けるくらいなら、そもそも受けない方がいい場合の方が多いのである。
 それほどまで『契約』という約束事は魔法使いにとって重要かつ絶対なのだ。
 それを見誤った魔法使い達がどういう末路を辿ったかは言うまでもない...。
 ふむふむと理解しながら全て読み終えた。

「なるほど...、安く仕入れる代わりに毎月絶対酒を買えってことね...」

「はいっ!プラムさんが賢くて助かります!」

 ニコニコと笑みを浮かべる彼女を見ながら冷静に考える。

(契約内容的には悪くない...、むしろ美味しいお酒が毎月手に入るならこちらにはメリットしかないように見える...)

 じっくりと吟味していると、彼女が水を注いでくれた。

「まあまあ、これでも飲んでゆっくり考えてくださいね、別に急かしてるわけではないので」

「ありがとう...」

 グラスを手に取り口に含んだ瞬間!、強烈な旨味が口の中に広がった。

(なにっ!?)

 驚く私を楽しそうに眺める彼女が口を開く。

「それがタキシカルソーダですよ、とっても美味しいでしょ?」

「これが...」

 ただの水のように思えるほど透明度が高く、パッと見では水と見間違えてしまうほどだ。
 だが、味は全く水のそれとは違う。
 口に一口含んだだけで旨味の塊がすっと溶けるような感覚!、これは...。

「美味しい...」

 感動のあまりこれ以外の言葉が出てこないほど、彼女に出された酒は格別である事に間違いはない!。
 ごくっと唾液を飲み込んだ私はグラスを出してこう呟いた。

「もう一杯いいかしら?」

 私の言葉を聞いた彼女は笑みを浮かべてこくんと頷く。

「喜んで...、でもその代わり...契約の件お願いしますね...」

 耳元で囁かれてしまった時に気がつかされる、この娘が最近私に近づいてきていたのは、私が酒好きである事を見抜く為だったのだと...。

「全く...、とんでもない娘ね...」

「良く言われます...、こちらも商売ですからね!」

 やられたと思いつつも、私的には悪くない商談であると思える。
 無駄な出費が増えるのは痛いが、この美味しさを毎月味わえるのであれば悪くない。

「お互いにいい商売相手に慣れるといいわね」

「はいっ!、こちらとしてもプラム先生のお名前を使わせて頂けるのは大きいですから!、あと...できればエルカ様にもご感想を頂きたいのですけどよろしいでしょうか?」

 今がチャンスだと言わんばかりにグイグイ突っ込んでくる彼女を見て私は静かに笑った。

「ふふっ、もちろんよ、妹にもこの味を分けてあげないとね」

「ありがとうございます!」

 すごく嬉しそうな表情でこちらを見やる彼女を見ていると、何処と無く妹と重ねて合わせてしまう私。

(いい笑顔...、あの子はいつからあんな感じの表情を浮かべなくなったのかしら...、エルカ...)

 私はこのお酒を妹にあげたら、心から笑ってくれる事を祈りつつ、今はお酒の味を楽しむのでした。


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