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始まりの大陸編
港町
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「う~ん...、眠いです...」
レスカは頭を抑えながら竜車からおりてくる。
「レスカ大丈夫?」
マオは心配そうにレスカを見て、背中をさすってあげている。
意味はない行為だが、マオの心使いに少し気分が晴れたレスカは礼を言う。
「ありがとう、マオちゃん、少し元気が出ました」
空元気な笑顔を見せるレスカ不安感を募らせるマオだったが、顔には出さないように努力していた。
「勇者は先に竜車から降りたみたいだよ、余たちも行こっ」
レスカの体調に気をつけながら、マオ達は竜車から降りる。
明るい日差しが眩しいく、心地よい風が吹いている。
ここは港町サース。
港町というだけあって、始まりの大地の交易窓口としても有名だ。
海から吹く風を塞きとめる物体が少ないので体を吹き抜けていく。
「気持ちいいですね...」
潮風を浴びたレスカは少し元気を取り戻して髪を風になびかせている。
レスカが感傷に浸っていると、ダインに呼ばれたので向かう。
「ユウリのダンナは先に行ったぞ、交易場で船を借りてどこか違う大陸に向かうらしいな...、ま、報酬はもらったし後はあいつの好きにしてもらって構わないがな!」
「ユウリはー足先に行ったのですね、どこに行ったか聞いていませんか?」
「そうだな、他の大陸に渡る船となると、大型の定期船を借りるしかない上にユウリの奴はなにやら急いでいるみたいだし、あそこじゃないか?」
ダインは二人にこの町のシンボルである巨大な灯台を指差す。
「おっきい灯台だな~」
マオは感心して灯台を見ている。
遠くから見ても20メートルはあるであろう灯台の中心部分には鉄の錨が朝日を浴びて光っている。
そろそろそこに向かおうとすると、マオが石竜に挨拶をする。
「ありがとうな、余達をここまで運んでくれて、余が元に戻ったらお主も眷属にしてやろう!」
石竜の頭を撫でて嬉しそうなマオ。
石竜もマオの顔をペロッと舐める、石竜なりの愛情表現なのだろうか?。
「そりゃ困るな、こいつは俺の仕事仲間なんだからな!」
ダインは誰にも相棒を譲るつもりはない。
マオはにっこりと笑顔を作る。
「わかってるよ、こいつもダインと一緒にいるのが一番嬉しそうだしな...」
少し残念そうな顔で石竜から離れる。
(ここがお前の居場所なんだな...)
石竜の言葉は分からないけど、これだけは分かる。
石竜が本当に大事にされていることも、石竜自身もダインを信用していることも...。
名残おしいが、そろそろ行かなくてはならない。
自分達は王に追われているのだから...。
これ以上ダイン達に関わってはいけないと思う。
「じゃあな、ダイン!、その子しっかり育てろよ!」
「白髪の嬢ちゃんに言われなくてもわかってるよ!」
ダインは嬉しそうに手を振って二人を見送る。
石竜のことを認めてくれた二人に、ダインはいつのまにか、敬意を払っていた。
レスカは頭を抑えながら竜車からおりてくる。
「レスカ大丈夫?」
マオは心配そうにレスカを見て、背中をさすってあげている。
意味はない行為だが、マオの心使いに少し気分が晴れたレスカは礼を言う。
「ありがとう、マオちゃん、少し元気が出ました」
空元気な笑顔を見せるレスカ不安感を募らせるマオだったが、顔には出さないように努力していた。
「勇者は先に竜車から降りたみたいだよ、余たちも行こっ」
レスカの体調に気をつけながら、マオ達は竜車から降りる。
明るい日差しが眩しいく、心地よい風が吹いている。
ここは港町サース。
港町というだけあって、始まりの大地の交易窓口としても有名だ。
海から吹く風を塞きとめる物体が少ないので体を吹き抜けていく。
「気持ちいいですね...」
潮風を浴びたレスカは少し元気を取り戻して髪を風になびかせている。
レスカが感傷に浸っていると、ダインに呼ばれたので向かう。
「ユウリのダンナは先に行ったぞ、交易場で船を借りてどこか違う大陸に向かうらしいな...、ま、報酬はもらったし後はあいつの好きにしてもらって構わないがな!」
「ユウリはー足先に行ったのですね、どこに行ったか聞いていませんか?」
「そうだな、他の大陸に渡る船となると、大型の定期船を借りるしかない上にユウリの奴はなにやら急いでいるみたいだし、あそこじゃないか?」
ダインは二人にこの町のシンボルである巨大な灯台を指差す。
「おっきい灯台だな~」
マオは感心して灯台を見ている。
遠くから見ても20メートルはあるであろう灯台の中心部分には鉄の錨が朝日を浴びて光っている。
そろそろそこに向かおうとすると、マオが石竜に挨拶をする。
「ありがとうな、余達をここまで運んでくれて、余が元に戻ったらお主も眷属にしてやろう!」
石竜の頭を撫でて嬉しそうなマオ。
石竜もマオの顔をペロッと舐める、石竜なりの愛情表現なのだろうか?。
「そりゃ困るな、こいつは俺の仕事仲間なんだからな!」
ダインは誰にも相棒を譲るつもりはない。
マオはにっこりと笑顔を作る。
「わかってるよ、こいつもダインと一緒にいるのが一番嬉しそうだしな...」
少し残念そうな顔で石竜から離れる。
(ここがお前の居場所なんだな...)
石竜の言葉は分からないけど、これだけは分かる。
石竜が本当に大事にされていることも、石竜自身もダインを信用していることも...。
名残おしいが、そろそろ行かなくてはならない。
自分達は王に追われているのだから...。
これ以上ダイン達に関わってはいけないと思う。
「じゃあな、ダイン!、その子しっかり育てろよ!」
「白髪の嬢ちゃんに言われなくてもわかってるよ!」
ダインは嬉しそうに手を振って二人を見送る。
石竜のことを認めてくれた二人に、ダインはいつのまにか、敬意を払っていた。
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